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迫り来る脅威
第124話 ただいま
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「なんだ、なんだ、なんなんだぁ」
副官シェムハザ・マサジーク上級中尉は焦り、城郭の中に飛び込む。
「門を締めろぉ」
「はっはい」
兵は慌てて門を閉じ始める。
それに驚く市民や商人達。
「まだ昼間だぜ」
「さっきの地揺れのせいじゃないか?」
憶測が飛び交うのだが、魔人族に文句を言うことは出来ない。
その時、門の外では装甲車が並ぶ。
それを見て逃げて行く人々。
「なんだありゃ? また戦車とか言う奴が来たぞ」
魔人族が来た時に、戦闘中に見た兵器。
弓も矢も通じない鉄の乗り物。
「だけどあいつらが逃げていたし、前のと形が違うぞ」
ざわざわしていると、声が響く。
それも獣人達の標準語。
「周りに居られる方。これから王都を奪還して開放するための聖戦に入ります。被害が及ばぬよう退避してください」
マリソルの声が、王都中に響く。
「あの声は?」
関係者には声の主が判ったようだが……
「あの子は何ヶ月も前に攫われたんだ、希望を持つのは辛いだけだ」
「そうね…… でもあの声は……」
言うだけ言って、宣言される。
「行きます」
分厚い門。
極太の閂をはめられた門は、簡単には抜けない。
はずだった……
「撃つぞ。土魔法。用意」
「らじゃぁ。モード変更『土』。目標城門」
「狙うのは、なるべく閂のある真ん中だぞ」
「はい」
ぺしぺしとスイッチが切り替えられる。
「エネルギーチャージ。フルパワーで行きます」
「おう行けえ」
結構丈夫そうだし、初めて使うので威力が判らない。とりあえず、フルパワーで撃ち出される鉄の玉。
一応砲弾型で、回転したものを撃ち出す。
直進安定性はバッチリだ。
「てぇ」
「行きます」
撃ち出された砲弾。
速度は音速の十倍。
空気の破裂する音が響く。
「耳に来るな」
司はのんびりそんな事を言ったのだが、それは装甲車の中。
外では、発射の余波で急激に気圧が高まり、それは安定しようと広がった空気は急激に縮まり周囲には霧が発生をする。
撃ち出された弾は、城門を軽々と打ち壊し、直進をして城の三階から上を貫通して吹き飛ばす。
弾はそのまま飛行を続けて、三十キロ位先にある山の中腹に着弾をする。
それは凶悪な破壊をもたらす。
彼等の造った兵器はどれもこれもが、予測よりも強力で、信じられない破壊力を見せる。
「よし。門が開いた。行くぞ」
細かな事には、もう誰も突っ込まない。
行けと言うから行こう。
素直に従う。
丈夫なはずの門は一発で閂を破壊されて、内側に勢いよく開いた。
そこに居た兵達は、壁のシミというのが正しい姿に変わっていた。
分厚い門と壁に挟まれたのだ。
それは一瞬だった。
必死で逃げるトラックの視線の先で、城の上部がいきなり吹っ飛んだ。
「副官。あれを」
「気にするな。城を抜けて船に行くぞ」
「はっ」
彼等の管理する、突撃艦。
特殊な彼等の船は近接で戦うために、凶悪な装甲を持った戦艦の横っ腹に突き刺さると装甲を溶かして乗り込むことができる特殊船。
無論、白兵戦装備も大量に積んでいる。
フィジカルサポートのできるパワードスーツなども存在している。
機械的なサポートにより、身体能力を何倍にもアップさせて、敵の攻撃は防ぎきる。
無敵の戦闘スーツがある。
とにかく彼等の持つ、自信の根源。
船にさえ行けば俺達は無敵だ。
彼等は今、それを最優先にひた走る。
城の中は、近衛達が走り回り混乱の最中。
獣王であるシェムハザは、いきなり起こった床の崩落にも耐えたようだ。
「何があった? 調査をしろ。俺は一度船に戻り、装備を調える。残った奴らは警戒しろ」
「「「はっ」」」
「畜生。一体何があった?」
文句を言いながら、城の裏へと下っていく。
「隊長ご無事でしたか?」
「ああ。一体何があった?」
「それが、未確認の装甲車がやって来まして」
「装甲車だと? どこの隊のものだ?」
「我が軍のものではありません」
「なに? じゃあ一体…… 旗艦もそいつらがやったのか? それなら文明も同等…… それ以上? まあ良い、スーツを着ろ」
「はっ」
とは言ったものの、我が旗艦を屠る力のある船。
文明はともかく、船の力は向こうが上。
我が軍の中で、このサポートスーツは破格の性能なのだが……
宇宙空間も想定されているため、フルカバードタイプ。
装着すると体は一廻り大きくなり、身長は二メートル三十センチほどの高さとなる。
手や足、腰の部分にアクチュエーターが組み込まれて、生身では出せない力を絞り出す。
制御はヘルメット内で脳波を感知、それと共に、手足の生体電位から情報を読み取り、動きをサポートする。
背筋など、一トン近くの物を持ち上げる。
装甲は薄くとも、厚さ三センチもあるハニカム複合板。
戦車に踏まれても大丈夫。
「こいつさえ着ていれば、戦車相手に白兵戦ができるのだ」
彼等は、スーツの実績にある程度の自信を持っていた。
「凶悪なモンスターとも、殴り合いができるのだ」
訳の分からない恐怖を感じて、口から出てくるのは過去の実績。成功体験を思い出して、これさえ着ていれば大丈夫という確認をする。
何か頼るものがないと、不安が心を押しつぶす。
この星では無敵の存在。
だが、今来ているものは未知の軍。
彼らが来たときに、獣人達が感じていた不安を今、逆の立場で彼等が感じていた。
人は未知のものに恐怖を感じる。
彼等の自慢するパワードスーツを見たとき、獣人達はその強さに恐怖した。
だが、そいつらは……
「ただいまぁ。お父さん。お母さん」
寄り道をしていた……
副官シェムハザ・マサジーク上級中尉は焦り、城郭の中に飛び込む。
「門を締めろぉ」
「はっはい」
兵は慌てて門を閉じ始める。
それに驚く市民や商人達。
「まだ昼間だぜ」
「さっきの地揺れのせいじゃないか?」
憶測が飛び交うのだが、魔人族に文句を言うことは出来ない。
その時、門の外では装甲車が並ぶ。
それを見て逃げて行く人々。
「なんだありゃ? また戦車とか言う奴が来たぞ」
魔人族が来た時に、戦闘中に見た兵器。
弓も矢も通じない鉄の乗り物。
「だけどあいつらが逃げていたし、前のと形が違うぞ」
ざわざわしていると、声が響く。
それも獣人達の標準語。
「周りに居られる方。これから王都を奪還して開放するための聖戦に入ります。被害が及ばぬよう退避してください」
マリソルの声が、王都中に響く。
「あの声は?」
関係者には声の主が判ったようだが……
「あの子は何ヶ月も前に攫われたんだ、希望を持つのは辛いだけだ」
「そうね…… でもあの声は……」
言うだけ言って、宣言される。
「行きます」
分厚い門。
極太の閂をはめられた門は、簡単には抜けない。
はずだった……
「撃つぞ。土魔法。用意」
「らじゃぁ。モード変更『土』。目標城門」
「狙うのは、なるべく閂のある真ん中だぞ」
「はい」
ぺしぺしとスイッチが切り替えられる。
「エネルギーチャージ。フルパワーで行きます」
「おう行けえ」
結構丈夫そうだし、初めて使うので威力が判らない。とりあえず、フルパワーで撃ち出される鉄の玉。
一応砲弾型で、回転したものを撃ち出す。
直進安定性はバッチリだ。
「てぇ」
「行きます」
撃ち出された砲弾。
速度は音速の十倍。
空気の破裂する音が響く。
「耳に来るな」
司はのんびりそんな事を言ったのだが、それは装甲車の中。
外では、発射の余波で急激に気圧が高まり、それは安定しようと広がった空気は急激に縮まり周囲には霧が発生をする。
撃ち出された弾は、城門を軽々と打ち壊し、直進をして城の三階から上を貫通して吹き飛ばす。
弾はそのまま飛行を続けて、三十キロ位先にある山の中腹に着弾をする。
それは凶悪な破壊をもたらす。
彼等の造った兵器はどれもこれもが、予測よりも強力で、信じられない破壊力を見せる。
「よし。門が開いた。行くぞ」
細かな事には、もう誰も突っ込まない。
行けと言うから行こう。
素直に従う。
丈夫なはずの門は一発で閂を破壊されて、内側に勢いよく開いた。
そこに居た兵達は、壁のシミというのが正しい姿に変わっていた。
分厚い門と壁に挟まれたのだ。
それは一瞬だった。
必死で逃げるトラックの視線の先で、城の上部がいきなり吹っ飛んだ。
「副官。あれを」
「気にするな。城を抜けて船に行くぞ」
「はっ」
彼等の管理する、突撃艦。
特殊な彼等の船は近接で戦うために、凶悪な装甲を持った戦艦の横っ腹に突き刺さると装甲を溶かして乗り込むことができる特殊船。
無論、白兵戦装備も大量に積んでいる。
フィジカルサポートのできるパワードスーツなども存在している。
機械的なサポートにより、身体能力を何倍にもアップさせて、敵の攻撃は防ぎきる。
無敵の戦闘スーツがある。
とにかく彼等の持つ、自信の根源。
船にさえ行けば俺達は無敵だ。
彼等は今、それを最優先にひた走る。
城の中は、近衛達が走り回り混乱の最中。
獣王であるシェムハザは、いきなり起こった床の崩落にも耐えたようだ。
「何があった? 調査をしろ。俺は一度船に戻り、装備を調える。残った奴らは警戒しろ」
「「「はっ」」」
「畜生。一体何があった?」
文句を言いながら、城の裏へと下っていく。
「隊長ご無事でしたか?」
「ああ。一体何があった?」
「それが、未確認の装甲車がやって来まして」
「装甲車だと? どこの隊のものだ?」
「我が軍のものではありません」
「なに? じゃあ一体…… 旗艦もそいつらがやったのか? それなら文明も同等…… それ以上? まあ良い、スーツを着ろ」
「はっ」
とは言ったものの、我が旗艦を屠る力のある船。
文明はともかく、船の力は向こうが上。
我が軍の中で、このサポートスーツは破格の性能なのだが……
宇宙空間も想定されているため、フルカバードタイプ。
装着すると体は一廻り大きくなり、身長は二メートル三十センチほどの高さとなる。
手や足、腰の部分にアクチュエーターが組み込まれて、生身では出せない力を絞り出す。
制御はヘルメット内で脳波を感知、それと共に、手足の生体電位から情報を読み取り、動きをサポートする。
背筋など、一トン近くの物を持ち上げる。
装甲は薄くとも、厚さ三センチもあるハニカム複合板。
戦車に踏まれても大丈夫。
「こいつさえ着ていれば、戦車相手に白兵戦ができるのだ」
彼等は、スーツの実績にある程度の自信を持っていた。
「凶悪なモンスターとも、殴り合いができるのだ」
訳の分からない恐怖を感じて、口から出てくるのは過去の実績。成功体験を思い出して、これさえ着ていれば大丈夫という確認をする。
何か頼るものがないと、不安が心を押しつぶす。
この星では無敵の存在。
だが、今来ているものは未知の軍。
彼らが来たときに、獣人達が感じていた不安を今、逆の立場で彼等が感じていた。
人は未知のものに恐怖を感じる。
彼等の自慢するパワードスーツを見たとき、獣人達はその強さに恐怖した。
だが、そいつらは……
「ただいまぁ。お父さん。お母さん」
寄り道をしていた……
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