ダンジョンのできた世界で、俺は世界を救えと望まれる。えっ、やだよ。ーその男、神の遊戯に巻き込まれて最強となるー

久遠 れんり

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迫り来る脅威

第128話 戦い

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「おおおっ。そとだぁ」
 炭鉱に押し込まれていた者達は、久しぶりに出てきた。

「グズグズするな。逃げるぞ」
「おお。そうだな」
 彼等は走り始める。


 その上空を、奴らの船が飛んでいく。
「畜生あんなもの……」
 空に向かって恨み言を言うのだが、当然ながら手立ては無い。
 彼等に出来るのは、空から見つからないように隠れるだけだった。


 
「緊急招集など一体何があったんだ?」
 地方で好き勝手しながら、自治という虐待を行っていた者達。

 命令を受信して、最小限の人数だけを残して王都へと向かっていた。

 そして見えてきたのは煙を上げて燃えている旗艦。
「旗艦ハルファスが燃えている。一体何があった?」
「ちょっとお待ちください。招集先は王都です」
「そうか、そうだな」

 そうして王都近郊の空港に着艦をする。
「装備は対人装備だ。先ほど映像は見たな」
「はっ」
「しっかし、どこにこんな元気があったんだ?」
「甘やかしすぎですかね」
 軽口が出る。

 彼等は、変わらず獣人達を舐めていた。

「数人撃ち殺せばおとなしくなるだろうに、どうしたんだろうなあ?」
「飲み過ぎかやり過ぎで、腰が使えなかったんじゃないんですか?」
「ありえるなぁ。気を付けようぜ」
 無駄口全開でドヤドヤと船の外へと出てくる。

 幾人かが運搬用、小型車両に分乗をして乗り込む。
「大通り以外はトラックが入れないからな。トラック組は王都に入ったところで下車。散開をして鎮圧をせよ。何人か俺と一緒にフェドライ上級大尉のところに行くぞ」
「はい」

 司は司で、周りを囲まれていて、未だに街の中にいた。


 その頃、シンハスターの中では、丸田二尉達がストレスで死にそうになっていた。
「司君早く。帰って来てくれ」
 幸い敵船は、王都の外れに着陸したようで一安心をする。

「まだかなぁ。帰ってこない」
 エルフ娘アニタは、司達が豪勢な家で歓迎されて、上機嫌で酔っているところを想像していた。
 普段から仲が良さそうで、そうでもないらしい。
 マリソルの話しは、どうやら二回りほど盛っているらしい。

「気になるならサーチしますか?」
 ラプラスが気を利かせてくれたようだ。
「うん」
 そこで見たのは、戦場。

 倒れている、見たことのない人型兵器。
 それを取り巻く民衆。

「何が起こっているの?」
 彼女は色々な所を覗いていて、王都の外に兵達が続々と出てくるところを捉える。

「司さん、外に敵が居ます」
「アニタ。敵が居るのはどっちだ」
「門を出て、お箸を持つ方です」
「判った。おいおまえら離れろ。敵のお代わりが来た様だ。あっちだ。逃げる奴らは逃げろ」
 門に向かって、右手の方を指し示す。

『おう。わかったぁ』
 興奮状態の彼等は一気に走り始める。
「あっ。おいこら」
 司は、装甲車へ乗ると超信地旋回ちょうしんちせんかいを行う。
 片側を後進にして、もう片側を前進にするとその場で回転ができる。

「いくぞ」
 周りに居る獣人達をどけながら、装甲車が進む。

 魔人族の兵がトラックで乗り込み、壊れて開けっぱなしになっていた門の中へと飛び込んでくる。

「あれだ。撃て」
 その場で戦闘になる。

 だが方やトラックや小型の四輪駆動車。
 それに対して、装甲車は重くて丈夫。

 どすこいと正面からぶつかり、門の外へと押し出していく。


 正面の幌越しに矢が撃ち出される。

「ぐっ、ぐわぁ」
 次々に悲鳴が聞こえる。

「どうした。なぜ進まん」
 門の中から出てきた見慣れない乗り物。

「戦車が来たぞ。所属不明」
 無線で情報が共有される。

「くそう。船に連絡。対地攻撃をしろ」

 なかなか素早い命令が船に届く。

 だが、浮き上がった船が脅威だと判ったところで、アニタ相手に遊んでいたラプラスが勝手に攻撃準備を行う。

「魔導砲発射準備。エネルギー充填。目標とりあえず五機。撃ちます」

「えぇ何だ。船が勝手に動いている。なんだ攻撃って」
 丸田二尉達自衛隊幹部がオロオロしていると壁面がモニターに変わる。
 画像の横には注釈がついていて、どうなって今の状態になったのかが書かれていた。

 そして、未来予測まで。

 いくつか集まっている敵船の内、動きの速い船の中央コントロールをぶち抜くと、落下炎上。

 その被害は拡大して、地上に駐機している船まで巻き込み、最大の戦果を得ることができるポイントで弾が発射された。

 対地攻撃のために、シールドは張っていなかった。

 浮かび上がった船を、二発で五隻が破壊された。

 回転中だったために、落下をした船は地面にいる船を押し潰していく。

 兵達や荷物をおろすために、ハッチは開いており、そこから炎は入り込み延焼していく。

 そう二発の弾で、最も効率的に敵を屠る。
「あれ潰してよかったのか?」
「さあ? 不明ですが、危険の排除は至上の命題。それを実行しただけです」
 ラプラスは言った。

 だが後に、やはり船が壊れたことで司が文句を言った時に、ラプラスは沈黙して自衛隊の勇み足で攻撃をしたことにされそうになった。

「私は、危険を排除したのみです」
 そう言って譲らなかったとか。
「後に使うなら使うで、直しやすいように壊しましたのに。今度から早く言ってください」
 などと言ったとか……

 魔導Ai、ラプラスの悪魔は性格が悪いようだ。
 だがそれすらも計算の上だったと後で知る。
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