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迫り来る脅威
第153話 過去とこれから。
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「例の件はどうなっている?」
彼はふらふらとやって来て部下に尋ねた。
「課長、例の件とはどれでしょう? 今進行している事案は多くて、例の件では判りません」
担当者は書類の山に埋もれながら、苦言を呈する。
「いや、すまない。アジアの……」
「その辺りは、とうに交渉済みで、書類は回したはずです。確認をお願いいたします」
「えっ? あっ。そうか?」
渋々と自分のデスクへ帰る。
どこもかしこも書類に埋もれて、かなり危機的な状況になってしまっている。
人員の申請はしているのが、秘密が多く誰でも良いわけでは無い。
担当者候補の裏を洗っている最中なのだ。
今現在、安価で金の現物を入手して、価値が下落しないうちに実弾として使い、各国を裏から操る。
相手はまだ、金が安く造れるようになったことを知らない。
すべては今のうちだということ。
色々と日本にちょっかいを掛けてくる国々、それを今裏から手を回して干す算段を実行中なのだ。
すでにXデイは決まっており、それを過ぎれば安価に金が売り出される。
それだけではない、銀、プラチナ、銅。
すべてが、一気に下落する。
まあ生産国との関係はあるので、それはある程度壊さないようにするのだが、それを今調整中なのだ。無論代替案を進めているのは、同盟国側のみ。
やられっぱなしだった日本が、今度は主導をして、世界を裏から操る。
その準備が進められていた。
いつもの様に、その利権から外れた者は色々な意見を声高に言って、日本を悪者にしようとするだろう。
だが今はすでに、切り札の一つ、気温についても目処が立っているのだ。
地球管理魔導具、アマテラス。
言わずと知れた太陽神の名を冠している。
両極と赤道付近の島々、そしてアフリカと南米。要所要所に設置は終了を行い、一九七〇年代の寒さに調整を始めて居る。
だがそれは今の設定値で、どこからか声高に何かを言われれば、ピンポイントに温度を下げる用意は出来ている。
「温暖化がなどと言っている国に、夏に雪が降ることが起きるのかもしれない」
金の現物をばらまき、少しだけ日本が土地を買い集めて施設を建築。
表向きは全世界の気象観測施設。
現地の人間すら知らない計画が始まっていた。
アマテラスの管理は、もちろんラプラスだ。
今、地球にある基地内にメインとなる演算部があり、プアネタウ・ビィスピリ・タスビビュント星やムンダス=ビスタリウム星にも演算部が置かれている。
本体は、シンハスターに搭載されている物だが、空間は今も拡張中である。
彼女の自主性に任せて、増殖させている。
そのおかげで風を操り、違和感がなくピンポイントに温度調整も行える。
つまり地球上の気候も、ある程度操れるようになってきたのだ。
ある真夏の都市に、蛇行をした冷たい風が流れ込んできて雪が降る。
雨が欲しいところに雨を降らせるなど簡単なことだ。
優遇するのは同盟国のみ。
通過するだけの他国は、夏に雪が降り続いても知らない。
どうやら、秘密組織が地球を管理する計画は確実に進行している。
「時代が今、確かに変わったなぁ」
しみじみと、総理はそんな言葉を吐く。
今年、退陣予定で、次代の総理国森 将を教育中だ。
問題は、時期防衛大臣。
国野 司の後を誰に継がせるのか。
今人物評価と、徹底したクリーニング中。
他国の影が少しでもあれば排除する。
「これからの日本は、日出処となり、文字通り世界を管理する。人員の選定は重要だ」
公役 改現総理は、コーヒーの入ったカップをもち、窓に掛かるブラインドの羽を左手の指で押し下げて外を眺める。
窓には盗聴防止のシステムが掛かっていて、レーザー盗聴器でも声は拾えない。
「そうですなぁ。名前をいえませんが、あの方を怒らせれば、文字通り滅びます。いま、何かがあれば地球を見捨てそうですからね」
同じ部屋にいながら、全く違う方向を向きながら会話をする二人。
「あー。あれか。獣人の星に今は、力を入れているようじゃないか」
言われて思い出したようだが、愉快そうに笑いながらそんなこと言い始める。
「中世の状況だった世界を、一気にクリーンな状態で近代化を推し進めているのだとか」
「それはそれで楽しそうだな。引退後は移住してもいいかもな」
「おもしろそうな世界です。後二十ぐらい若ければ、色々とやってみたいですね。ただ強くないと認められないそうですけどね」
それを聞いて困った顔をする。
だが表情はすぐに変わる。
「そうだなぁ。無為に過ごした三十年以上が恨めしい」
バブル以降の行きすぎた緊縮財政により、日本の停滞は始まった。
発展をする世界の国々。
その中で、停滞をして、ひたすら立ち位置は下落していった。
国民は、なんとか行きすぎたデフレの中で、中所得から、低所得へと下落。
この三十年、給料はひたすら下がった。
国民は正規職員として採用されず、生活をするために非正規雇用者となった。
それは会社にとって都合の良い社員。
アメリカとは違い、業績が悪いと行ってもすぐには首が切れないシステム。それが首を絞める。
企業側も非正規職員を求めた。
最も、正社員で雇われた者達も、三十歳とか三十五歳が給料のピークで、それ以降の手取りは下がり続けていた。
上がるのは額面と税金。それと保険料のみ。
まさに日本全体が地獄の三十年だった。
彼はふらふらとやって来て部下に尋ねた。
「課長、例の件とはどれでしょう? 今進行している事案は多くて、例の件では判りません」
担当者は書類の山に埋もれながら、苦言を呈する。
「いや、すまない。アジアの……」
「その辺りは、とうに交渉済みで、書類は回したはずです。確認をお願いいたします」
「えっ? あっ。そうか?」
渋々と自分のデスクへ帰る。
どこもかしこも書類に埋もれて、かなり危機的な状況になってしまっている。
人員の申請はしているのが、秘密が多く誰でも良いわけでは無い。
担当者候補の裏を洗っている最中なのだ。
今現在、安価で金の現物を入手して、価値が下落しないうちに実弾として使い、各国を裏から操る。
相手はまだ、金が安く造れるようになったことを知らない。
すべては今のうちだということ。
色々と日本にちょっかいを掛けてくる国々、それを今裏から手を回して干す算段を実行中なのだ。
すでにXデイは決まっており、それを過ぎれば安価に金が売り出される。
それだけではない、銀、プラチナ、銅。
すべてが、一気に下落する。
まあ生産国との関係はあるので、それはある程度壊さないようにするのだが、それを今調整中なのだ。無論代替案を進めているのは、同盟国側のみ。
やられっぱなしだった日本が、今度は主導をして、世界を裏から操る。
その準備が進められていた。
いつもの様に、その利権から外れた者は色々な意見を声高に言って、日本を悪者にしようとするだろう。
だが今はすでに、切り札の一つ、気温についても目処が立っているのだ。
地球管理魔導具、アマテラス。
言わずと知れた太陽神の名を冠している。
両極と赤道付近の島々、そしてアフリカと南米。要所要所に設置は終了を行い、一九七〇年代の寒さに調整を始めて居る。
だがそれは今の設定値で、どこからか声高に何かを言われれば、ピンポイントに温度を下げる用意は出来ている。
「温暖化がなどと言っている国に、夏に雪が降ることが起きるのかもしれない」
金の現物をばらまき、少しだけ日本が土地を買い集めて施設を建築。
表向きは全世界の気象観測施設。
現地の人間すら知らない計画が始まっていた。
アマテラスの管理は、もちろんラプラスだ。
今、地球にある基地内にメインとなる演算部があり、プアネタウ・ビィスピリ・タスビビュント星やムンダス=ビスタリウム星にも演算部が置かれている。
本体は、シンハスターに搭載されている物だが、空間は今も拡張中である。
彼女の自主性に任せて、増殖させている。
そのおかげで風を操り、違和感がなくピンポイントに温度調整も行える。
つまり地球上の気候も、ある程度操れるようになってきたのだ。
ある真夏の都市に、蛇行をした冷たい風が流れ込んできて雪が降る。
雨が欲しいところに雨を降らせるなど簡単なことだ。
優遇するのは同盟国のみ。
通過するだけの他国は、夏に雪が降り続いても知らない。
どうやら、秘密組織が地球を管理する計画は確実に進行している。
「時代が今、確かに変わったなぁ」
しみじみと、総理はそんな言葉を吐く。
今年、退陣予定で、次代の総理国森 将を教育中だ。
問題は、時期防衛大臣。
国野 司の後を誰に継がせるのか。
今人物評価と、徹底したクリーニング中。
他国の影が少しでもあれば排除する。
「これからの日本は、日出処となり、文字通り世界を管理する。人員の選定は重要だ」
公役 改現総理は、コーヒーの入ったカップをもち、窓に掛かるブラインドの羽を左手の指で押し下げて外を眺める。
窓には盗聴防止のシステムが掛かっていて、レーザー盗聴器でも声は拾えない。
「そうですなぁ。名前をいえませんが、あの方を怒らせれば、文字通り滅びます。いま、何かがあれば地球を見捨てそうですからね」
同じ部屋にいながら、全く違う方向を向きながら会話をする二人。
「あー。あれか。獣人の星に今は、力を入れているようじゃないか」
言われて思い出したようだが、愉快そうに笑いながらそんなこと言い始める。
「中世の状況だった世界を、一気にクリーンな状態で近代化を推し進めているのだとか」
「それはそれで楽しそうだな。引退後は移住してもいいかもな」
「おもしろそうな世界です。後二十ぐらい若ければ、色々とやってみたいですね。ただ強くないと認められないそうですけどね」
それを聞いて困った顔をする。
だが表情はすぐに変わる。
「そうだなぁ。無為に過ごした三十年以上が恨めしい」
バブル以降の行きすぎた緊縮財政により、日本の停滞は始まった。
発展をする世界の国々。
その中で、停滞をして、ひたすら立ち位置は下落していった。
国民は、なんとか行きすぎたデフレの中で、中所得から、低所得へと下落。
この三十年、給料はひたすら下がった。
国民は正規職員として採用されず、生活をするために非正規雇用者となった。
それは会社にとって都合の良い社員。
アメリカとは違い、業績が悪いと行ってもすぐには首が切れないシステム。それが首を絞める。
企業側も非正規職員を求めた。
最も、正社員で雇われた者達も、三十歳とか三十五歳が給料のピークで、それ以降の手取りは下がり続けていた。
上がるのは額面と税金。それと保険料のみ。
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