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第7章 宇宙(そら)へ
第131話 奇蹟
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船が地面へ降り、地に降り立ち、人々は涙をする。
上空で見た神の怒り。
建物はおろか、地面は消し飛び真っ赤に焼けそれは地獄のような有様だった。
それが、船が下降するに従い、地獄は変化し天国へと変わった。
記憶にある光景。
似ているが、同じではないことが見て取れる。
畑と、脇に流れる用水路。
今まで、川へ汲みに行く必要があった。
それが、どうやらからくりにより、水門の開け閉めだけで水がすぐ側まで流れてくる。
元と同じ場所に、家がある。
それは、木製の粗末なものだったが、今回半分は石組みで内部は木の板が張り巡らされて、暖かい。
窓には、板ガラスが…… 三重で一枚の窓を構成している。
元々は、跳ね上げの板だった窓。
彼らは理解できなかったが、ガラスと樹脂の三重構造。
銃弾が当たっても割れることはない。
レールは、磁気浮上で実に軽い。
張られている木も、実は謎物質で朽ちることは無く、調湿を勝手に行う。
大きく変わったのは、行政組織がなくなったこと。
だがこれは、直接神の使徒達により運営することが通達されている。
そうこの星において、直轄地となる。
その事により、わずか数年で他国との大きな差となる。
魔導機械国家。
その先進性は、一度目にすると判る。
それから数年で、王政が次々と廃される結果となった。
そう民衆は直轄を望んだ。
清潔で美しい都市。
長距離はゲートで繋がれ、トランスファーチューブと呼ばれる交通機関で人も物資も高速で運ばれる。
これはチューブの中を、カプセルが移動するもの。
身分証となる腕輪を持てば誰でも乗れ、家族単位でチャーターできる。
寝ていれば目的地に着くのだ。
安く物資は販売され、直轄地の人々は生活だけではなく、娯楽を楽しむようになった。
謎の呼吸器疾患は消え、健康が改善された。
そう、あっという間の変革。
神が言っていた様に、人々の暮らしは大きく変わった。
それを見てしまった他国の人は移住を決意、または王を倒そうと奔走することになる。
農業においても、神印の総合肥料を総合商店『光の導き』が販売。
農作物ごとに種類があり、それを使えば大収穫が確定された。
それは、余剰分を他国に販売するだけで大きな稼ぎとなった。
そして、農業用魔導具により、農家にも家族と過ごす時間が出来ることになった。
まさに、神の国。
「まあ、こんなとこかな?」
「そうですね。次の星系はおもしろいですよ」
「おもしろい?」
「銀河連邦アトゥム。ヘリオポリスを中心にして、九つの星系で構成されています。
中心に居る王は、物質創造が出来るとなっています。錬金術が使えるようでして、創造神と呼ばれているようです」
「錬金術? 魔法が使えるのか?」
「その様です」
そう、アデルから聞いた人がいる最後の星系。
そこの王は、魔法使いのようだ。
「おもしろいな。自然発生で魔法使いか」
「ええ、行きましょう」
早速張り切り、準備のためにロニーは走っていく。
すでに、手の者は入り込み情報を取っている。
宇宙に出て生活をしているが、文明レベルはファビタブルよりも劣る。
箱船と呼ばれる船で、強引に宇宙を渡っているらしい。
艦内で消費した酸素は、錬金術と言われているが、酸化物から生成。
そう小学校で習った、二酸化マンガンに過酸化水素をぶっかけるような方法。
一応、植物プラントもあるようだが、かなり適当だと間者から報告が来ているらしい。
「快適性の欠片もありません」
料理が相当にまずかったようだ。
調理するには火を使う。
だがそれは、宇宙船内では致命的だ。
そのため、冷めた保存食が主となる。
それでも、新たなるフロンティアを求めて、人々は植民星に移動をする。
何十年も掛けて……
珍しく、調査員からもう嫌ですと愚痴が来たらしい。
そのため、彼女を救出に行き、船を着けて相手の船体に穴を開け、救出後に溶接をしたのだが、全く相手の船からは反応がなかった。
宇宙には敵がいないと思っているのか、隕石などが当たった場合は残念で済ますのか、一般の民など、そもそも気にしていないのか……
「よく判らんな」
「ええ、ただ広がっていて、連絡も取れず、領主が勝手に統治を行っているようです。人の移動はあるが、物資の運搬はないようです。とのことですね」
「何だそりゃ?」
そして、判っている星系、端から順に接触を行うことにした。
農業星、プランターノ。
領主オリフィエル=ホーレルフォルスト。
酒と女が大好きで、各町で代表として、十六歳の美麗な女性を決めさせ、その初めてを刈り取るのが楽しみという下種だった。
王の目が届かない星、行政担当もやってこない。
彼は完全に特権の上にあぐらをかき、好き勝手やっていた。
ただ、質が悪いことに、最大武力を彼は有していた。
そのため、抵抗が出来ず、民は何者かに救いを求める日々。
そこにやってきたのは、謎の船達。
領主直轄の兵も、めったに来ない辺境。
彼らは、余所の星系から来た宇宙人だという。
「暮らしはどうかね?」
「言葉が通じるのか?」
「ああ伝承は残っていないのか? 女神が言葉を与えたと」
「ある」
「こいつが、その女神だ」
無論そう言われても、にわかには信じられない。
だが村人が、嬉しそうにお好み焼きを頬張っていると、空に巨大な火球が発生。
「ああ、落としちゃった」
「あの屋台で、貰ってこい。落としたのは喰うな」
どうやら驚いて、幾人か落としたようだ。
「さて、周辺に話しを広げてくれ。領主を倒そうか」
「「「「「おう!!」」」」」
上空で見た神の怒り。
建物はおろか、地面は消し飛び真っ赤に焼けそれは地獄のような有様だった。
それが、船が下降するに従い、地獄は変化し天国へと変わった。
記憶にある光景。
似ているが、同じではないことが見て取れる。
畑と、脇に流れる用水路。
今まで、川へ汲みに行く必要があった。
それが、どうやらからくりにより、水門の開け閉めだけで水がすぐ側まで流れてくる。
元と同じ場所に、家がある。
それは、木製の粗末なものだったが、今回半分は石組みで内部は木の板が張り巡らされて、暖かい。
窓には、板ガラスが…… 三重で一枚の窓を構成している。
元々は、跳ね上げの板だった窓。
彼らは理解できなかったが、ガラスと樹脂の三重構造。
銃弾が当たっても割れることはない。
レールは、磁気浮上で実に軽い。
張られている木も、実は謎物質で朽ちることは無く、調湿を勝手に行う。
大きく変わったのは、行政組織がなくなったこと。
だがこれは、直接神の使徒達により運営することが通達されている。
そうこの星において、直轄地となる。
その事により、わずか数年で他国との大きな差となる。
魔導機械国家。
その先進性は、一度目にすると判る。
それから数年で、王政が次々と廃される結果となった。
そう民衆は直轄を望んだ。
清潔で美しい都市。
長距離はゲートで繋がれ、トランスファーチューブと呼ばれる交通機関で人も物資も高速で運ばれる。
これはチューブの中を、カプセルが移動するもの。
身分証となる腕輪を持てば誰でも乗れ、家族単位でチャーターできる。
寝ていれば目的地に着くのだ。
安く物資は販売され、直轄地の人々は生活だけではなく、娯楽を楽しむようになった。
謎の呼吸器疾患は消え、健康が改善された。
そう、あっという間の変革。
神が言っていた様に、人々の暮らしは大きく変わった。
それを見てしまった他国の人は移住を決意、または王を倒そうと奔走することになる。
農業においても、神印の総合肥料を総合商店『光の導き』が販売。
農作物ごとに種類があり、それを使えば大収穫が確定された。
それは、余剰分を他国に販売するだけで大きな稼ぎとなった。
そして、農業用魔導具により、農家にも家族と過ごす時間が出来ることになった。
まさに、神の国。
「まあ、こんなとこかな?」
「そうですね。次の星系はおもしろいですよ」
「おもしろい?」
「銀河連邦アトゥム。ヘリオポリスを中心にして、九つの星系で構成されています。
中心に居る王は、物質創造が出来るとなっています。錬金術が使えるようでして、創造神と呼ばれているようです」
「錬金術? 魔法が使えるのか?」
「その様です」
そう、アデルから聞いた人がいる最後の星系。
そこの王は、魔法使いのようだ。
「おもしろいな。自然発生で魔法使いか」
「ええ、行きましょう」
早速張り切り、準備のためにロニーは走っていく。
すでに、手の者は入り込み情報を取っている。
宇宙に出て生活をしているが、文明レベルはファビタブルよりも劣る。
箱船と呼ばれる船で、強引に宇宙を渡っているらしい。
艦内で消費した酸素は、錬金術と言われているが、酸化物から生成。
そう小学校で習った、二酸化マンガンに過酸化水素をぶっかけるような方法。
一応、植物プラントもあるようだが、かなり適当だと間者から報告が来ているらしい。
「快適性の欠片もありません」
料理が相当にまずかったようだ。
調理するには火を使う。
だがそれは、宇宙船内では致命的だ。
そのため、冷めた保存食が主となる。
それでも、新たなるフロンティアを求めて、人々は植民星に移動をする。
何十年も掛けて……
珍しく、調査員からもう嫌ですと愚痴が来たらしい。
そのため、彼女を救出に行き、船を着けて相手の船体に穴を開け、救出後に溶接をしたのだが、全く相手の船からは反応がなかった。
宇宙には敵がいないと思っているのか、隕石などが当たった場合は残念で済ますのか、一般の民など、そもそも気にしていないのか……
「よく判らんな」
「ええ、ただ広がっていて、連絡も取れず、領主が勝手に統治を行っているようです。人の移動はあるが、物資の運搬はないようです。とのことですね」
「何だそりゃ?」
そして、判っている星系、端から順に接触を行うことにした。
農業星、プランターノ。
領主オリフィエル=ホーレルフォルスト。
酒と女が大好きで、各町で代表として、十六歳の美麗な女性を決めさせ、その初めてを刈り取るのが楽しみという下種だった。
王の目が届かない星、行政担当もやってこない。
彼は完全に特権の上にあぐらをかき、好き勝手やっていた。
ただ、質が悪いことに、最大武力を彼は有していた。
そのため、抵抗が出来ず、民は何者かに救いを求める日々。
そこにやってきたのは、謎の船達。
領主直轄の兵も、めったに来ない辺境。
彼らは、余所の星系から来た宇宙人だという。
「暮らしはどうかね?」
「言葉が通じるのか?」
「ああ伝承は残っていないのか? 女神が言葉を与えたと」
「ある」
「こいつが、その女神だ」
無論そう言われても、にわかには信じられない。
だが村人が、嬉しそうにお好み焼きを頬張っていると、空に巨大な火球が発生。
「ああ、落としちゃった」
「あの屋台で、貰ってこい。落としたのは喰うな」
どうやら驚いて、幾人か落としたようだ。
「さて、周辺に話しを広げてくれ。領主を倒そうか」
「「「「「おう!!」」」」」
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