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第13話 一歩
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柚葉はある点では厳しく、やさしく、いい加減。
言わば猫の様な女だった。
「半年しないと、FXも信用も使えないみたいだぞ」
「投資は自己責任、適当で良いのよ」
そう言って、ポチポチと申し込む。
意外と、通ってしまった。
いくつかの証券口座を開き、その中で許可の下りた所をメインで資金を移す。
主口座と運用口座をわける。
「練習中だから、このお金は飛んでも良いと考えて、さあやるわよ」
そう言って、一週間ほどはひたすら各会社の四季報とチャートを見て回り、年単位の動きと三ヶ月、直近一週間の動きを見る。
「各銘柄で集まっている個人投資家の癖を見るの、そして、銘柄を決めたら段階的にぶっ込むべし。この時に金額ごとの信用残を見ておいて、下がっていたときにはこの人達が利食いに走るから蓋になるけど、それを抜ければ、ほら……」
蟻が砂糖に群がるように、俺が突っ込んで行った金に釣られるように買いが集まってきた。
「ほらおバカでしょう。ポジティブな情報もないのに買いが入る。大体気になるから皆買っているの。だから、上がれば喜んで買っちゃう」
そう言って、怪しい笑顔を浮かべる。
「FXは短いローソクなんか追いかけると疲れるし、お金が減るだけだから、日足から見ていって四時間、一時間。大体一時間足の流れに沿って動きを決める。そして押し目でエントリー、後は待つ。押し目を外したときは損切り、確実な動きの途中で取ればまけないけれど、儲けが目減りするのよね」
そう言って、エントリー。
「ふふっ、やるわよ」
設定が終わると、エッチタイム。
彼氏を忘れるために、俺に抱かれたが、奈木の教えを受けた俺のエッチが良かったらしい。
「優しくて、まったりが良い感じ」
そう言ってはまり、幾度も体を重ねる。
「だけど、結婚相手にはならない。あなたは年下だしちょっとね」
そう言い続ける。
確か付き合っていた相手は年下だったと思ったが……
何かが違うらしい。
モヤモヤしながらも、彼女に付き合う。
柚葉は考えていた。
峠の喫茶店で、馬鹿なあいつと喧嘩して別れて、多分あいつはそれでも私が戻ってくると思っていたでしょう。
いえ、銀行を首になりお金もなくなった私にはもう価値も興味もないかしら?
ちょっと怖い顔だけど、底抜けに優しい男、新道。
高校時代に、好きだった彼女に騙されて、傷ついてしまったかわいそうな人。
でも、素直で優しくいい人。
私はあの男に貢ぐために、銀行のお金だけでは足りず体を売った。
もっと早く出会っていれば、この人と幸せに暮らせたかもしれない。
全てを言っても、受け入れてくれるような気もするけれど……
知られたくない。
このまま何も言わずに暮らすのも良いけれど、きっとトラブルが起こる。そう、客は私の顔を覚えている。
その時に、この底抜けにいい人を、きっと傷つけてしまう。
それは駄目。
好きだけど……
今だけ夫婦ごっこを、幸せな家庭を…… 少しだけ。
そう、彼女はずるずると甘えないために、二週間と期限を区切った。
好きだから、好きになってしまったから、別れると決断をして……
だけど、そんな楽しい日々は、一瞬で終わってしまう。
「必要な物とかは、買ったし、もう住めるな」
「うん、ありがとう」
お金もあまりないのに、ウイークリーのマンションを契約をした。そう彼に見せるため。
おバカな私は、こんな所で見栄を張る。
借りているのは三日間だけで、実際は近くの安アパートが住みかとなる。
この優しい彼はお金も貸すと言ってくれたけれど、借りてしまえば関係が続いてしまう。
そしたら…… きっと私は離れられなくなる。
彼から聞いた高校の時の話し、あの喋っているときの、あんな顔を彼にさせたくない。
「仕事を早く見つけて、やり直しよ」
そう元気に彼に言う。
最後に……
軽いハグとキス。これでお別れ。
彼を見送った後、私は久しぶりに本気で泣いた。
何時からだろう、常識で武装して、私は泣かなくなった。
表面的な付き合いでさらっと流し、かわいくない女と言われていた。
だからモテなかったと言えるけれど……
本音で付き合い、暮らしていけるなら……
そうね。
これからは……
だけど、首になった現実は思った以上に厳しく、仕事が見つからない。
株と、FXで小銭を稼ぐ。
だけど、生活資金だけでの運用は、辛く厳しい。
ある程度、大きくいかないと、だけどリスクが……
そうして私は、リスクを取る。
それで、当然失敗。
「ああっ、だめ、先に行くなんて…… 私ももういく所だったのに……」
積み上げた誘い、そろそろ売れば、そう思った矢先に、売り抜かれた。一瞬で含み損が六〇万円に。
安い株価の所に、誘いをかけて吊り上げていった。
馬鹿なトレーダーが調子よく乗ってきて、最後は窓を開けて跳ね上がった。
そこで売れば良かった。
だけどもうちょっと……
欲をだしたのが判断ミス。
売り時を逃したと言う状態である。
もう、原資はない。損切りをするか、上がるのを待つしかない。
底値で買った二千株はまだ黒字。
それだけを利確して、眺めることにした。
放心して、ふらふらと近くのラーメン屋へ行く。
半チャーハンセットを食べながら、ふと見ると従業員募集の張り紙。
この二週間応募したのは、プライドもありそこそこ立派な会社ばかり。今はそんな事を言っていられない。
「おじさん、美味しかったわ。それで従業員応募ってまだやっています?」
私は、こだわりを捨てて、一歩を踏み出した。
「いいよ」
おじさんはそう言って、サムズアップ。
何かにたような光景を見た気がするけれど、その日から私はシフトに入った。
それで何か変わったのか、株価は上昇していた。
三連続ストップ高。
好材料のトピックスが出た様だ。
首の皮が繋がっていたようだ。
「頑張れ私」
彼にとって貰った、猫のぬいぐるみに宣言をする。
言わば猫の様な女だった。
「半年しないと、FXも信用も使えないみたいだぞ」
「投資は自己責任、適当で良いのよ」
そう言って、ポチポチと申し込む。
意外と、通ってしまった。
いくつかの証券口座を開き、その中で許可の下りた所をメインで資金を移す。
主口座と運用口座をわける。
「練習中だから、このお金は飛んでも良いと考えて、さあやるわよ」
そう言って、一週間ほどはひたすら各会社の四季報とチャートを見て回り、年単位の動きと三ヶ月、直近一週間の動きを見る。
「各銘柄で集まっている個人投資家の癖を見るの、そして、銘柄を決めたら段階的にぶっ込むべし。この時に金額ごとの信用残を見ておいて、下がっていたときにはこの人達が利食いに走るから蓋になるけど、それを抜ければ、ほら……」
蟻が砂糖に群がるように、俺が突っ込んで行った金に釣られるように買いが集まってきた。
「ほらおバカでしょう。ポジティブな情報もないのに買いが入る。大体気になるから皆買っているの。だから、上がれば喜んで買っちゃう」
そう言って、怪しい笑顔を浮かべる。
「FXは短いローソクなんか追いかけると疲れるし、お金が減るだけだから、日足から見ていって四時間、一時間。大体一時間足の流れに沿って動きを決める。そして押し目でエントリー、後は待つ。押し目を外したときは損切り、確実な動きの途中で取ればまけないけれど、儲けが目減りするのよね」
そう言って、エントリー。
「ふふっ、やるわよ」
設定が終わると、エッチタイム。
彼氏を忘れるために、俺に抱かれたが、奈木の教えを受けた俺のエッチが良かったらしい。
「優しくて、まったりが良い感じ」
そう言ってはまり、幾度も体を重ねる。
「だけど、結婚相手にはならない。あなたは年下だしちょっとね」
そう言い続ける。
確か付き合っていた相手は年下だったと思ったが……
何かが違うらしい。
モヤモヤしながらも、彼女に付き合う。
柚葉は考えていた。
峠の喫茶店で、馬鹿なあいつと喧嘩して別れて、多分あいつはそれでも私が戻ってくると思っていたでしょう。
いえ、銀行を首になりお金もなくなった私にはもう価値も興味もないかしら?
ちょっと怖い顔だけど、底抜けに優しい男、新道。
高校時代に、好きだった彼女に騙されて、傷ついてしまったかわいそうな人。
でも、素直で優しくいい人。
私はあの男に貢ぐために、銀行のお金だけでは足りず体を売った。
もっと早く出会っていれば、この人と幸せに暮らせたかもしれない。
全てを言っても、受け入れてくれるような気もするけれど……
知られたくない。
このまま何も言わずに暮らすのも良いけれど、きっとトラブルが起こる。そう、客は私の顔を覚えている。
その時に、この底抜けにいい人を、きっと傷つけてしまう。
それは駄目。
好きだけど……
今だけ夫婦ごっこを、幸せな家庭を…… 少しだけ。
そう、彼女はずるずると甘えないために、二週間と期限を区切った。
好きだから、好きになってしまったから、別れると決断をして……
だけど、そんな楽しい日々は、一瞬で終わってしまう。
「必要な物とかは、買ったし、もう住めるな」
「うん、ありがとう」
お金もあまりないのに、ウイークリーのマンションを契約をした。そう彼に見せるため。
おバカな私は、こんな所で見栄を張る。
借りているのは三日間だけで、実際は近くの安アパートが住みかとなる。
この優しい彼はお金も貸すと言ってくれたけれど、借りてしまえば関係が続いてしまう。
そしたら…… きっと私は離れられなくなる。
彼から聞いた高校の時の話し、あの喋っているときの、あんな顔を彼にさせたくない。
「仕事を早く見つけて、やり直しよ」
そう元気に彼に言う。
最後に……
軽いハグとキス。これでお別れ。
彼を見送った後、私は久しぶりに本気で泣いた。
何時からだろう、常識で武装して、私は泣かなくなった。
表面的な付き合いでさらっと流し、かわいくない女と言われていた。
だからモテなかったと言えるけれど……
本音で付き合い、暮らしていけるなら……
そうね。
これからは……
だけど、首になった現実は思った以上に厳しく、仕事が見つからない。
株と、FXで小銭を稼ぐ。
だけど、生活資金だけでの運用は、辛く厳しい。
ある程度、大きくいかないと、だけどリスクが……
そうして私は、リスクを取る。
それで、当然失敗。
「ああっ、だめ、先に行くなんて…… 私ももういく所だったのに……」
積み上げた誘い、そろそろ売れば、そう思った矢先に、売り抜かれた。一瞬で含み損が六〇万円に。
安い株価の所に、誘いをかけて吊り上げていった。
馬鹿なトレーダーが調子よく乗ってきて、最後は窓を開けて跳ね上がった。
そこで売れば良かった。
だけどもうちょっと……
欲をだしたのが判断ミス。
売り時を逃したと言う状態である。
もう、原資はない。損切りをするか、上がるのを待つしかない。
底値で買った二千株はまだ黒字。
それだけを利確して、眺めることにした。
放心して、ふらふらと近くのラーメン屋へ行く。
半チャーハンセットを食べながら、ふと見ると従業員募集の張り紙。
この二週間応募したのは、プライドもありそこそこ立派な会社ばかり。今はそんな事を言っていられない。
「おじさん、美味しかったわ。それで従業員応募ってまだやっています?」
私は、こだわりを捨てて、一歩を踏み出した。
「いいよ」
おじさんはそう言って、サムズアップ。
何かにたような光景を見た気がするけれど、その日から私はシフトに入った。
それで何か変わったのか、株価は上昇していた。
三連続ストップ高。
好材料のトピックスが出た様だ。
首の皮が繋がっていたようだ。
「頑張れ私」
彼にとって貰った、猫のぬいぐるみに宣言をする。
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