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第20話 お願い
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「お邪魔します」
私は彼におぶられていた。
途中で歩けなくなって……
だけど、お尻に食い込む彼の手。
意識しないでおくのが辛かった。
そして、体って辛くても反応するのね…… いや辛いから反応するのか?
そういえば命に危険が迫ると、無性にしたくなるんだったっけ?
そんな伝説もある。
が、普通は理性というものがある。
閉じ込められた男女、好みだったからしたみたいな……
種族保存の本能、それは言い訳に便利だった。
まあ、それは良いとして。
ソファーに降ろして貰った。
「水いるか?」
「うん」
その間に、痛み止めとかをバッグから出す。
「やっぱりどこか悪いのか?」
見られてしまった、軽率だった。
「うん、ちょっとね」
そう言って笑う。
上手く笑えたかは判らない。
彼の家のリビング、片隅にご両親の写真と、その前にお茶が供えられていた。
しっかりやっているんだ。
そう子供の頃から知っている坊さんで、随分叱られた。
なんか、俺の引きこもりを、相談もされたことがあるらしい。
「ねえ、冬野くっ。あの新道くん。今日一日は、恋人として愛して。お願い」
言った、言い切った。
すると彼は、判るよねぇ。
「そんなに悪いのか?」
聞かれて、つい体が反応をする。
「えっ何が? 元気だよ」
そう言いながら、私は涙を流していたらしい。
ため息を付くと、私の隣へ座り、タオルでガシガシと涙を拭ってくれる?
「無理をしなくて良い。恋人なんだろう」
「そう、そうね」
えへへと、笑ってみる。
困った顔の、新道くん。
「えぃ」
そう言って彼に抱きつく。
やっぱり彼は大きい。
背中も広かったし、男の人。
「ねえっ」
口をとがらせてキスをねだる。
すると、彼は受け入れてくれた。
同情でも何でも良い。
だけど、唇が触れたと思ったら、唇が舐められ、歯茎を舐められ舌が入ってくる。
私はその日初めて、口の中も粘膜なんだと知った。
自分の舌以外が入り込み、中でうねうねと舐める。
ゾクゾクが止まらない。
そう思ったら、胸まで触られていた。
「ふっ、ふぐっ」
ついジタバタしてしまう。
顔が離れる。
悪そうな笑顔。
「なんだ、嫌だったのか?」
「ちっ違うわよ、なれていないから驚いて。それより、家に籠もって居たって言ったのに、なんかすごく慣れているというか、上手じゃない……」
「そうか?」
そう言って彼はニヤニヤ。
「高校の時とか、誰か付き合っていたっけ?」
一瞬の油断。そう聞いた時の表情反応。
ほんの一瞬だけど、怖かった。
「誰とも付き合っちゃ居ないさ」
「ごめん」
「なにが?」
あせった私。つい言った言葉は、欲望の垂れ流しだった。
「お風呂行きたい」
少し驚いたようだ。
だけど彼は、動き始める。
「ちょっと待て」
そう言って離れて行ってしまった。
だけどまだ、心臓はバクバク。
夢じゃなくこの状況、私死ぬの?
本気でそう思ってしまう。
ふいに決まった、お医者さんからの外泊許可。
調子が良くて、お散歩。
そして、一〇年会わなかった彼と、よく行く公園で出会う。
なにか、人外の力が働いているとしか思えない。
人生の最後に、楽しい思い出を作れとか?
はぐ、そしてキス……
「いやあああぁ」
ついバタバタしていると、彼が帰ってくる。
「どうした? どこか痛いのか?」
「えっ? いえ……痛いとしたら、心臓が、夢じゃないよね?」
自分の口から出た、その素直な言葉に自信で驚いてしまう。
「おまえ、何時から俺の事を?」
十年会っていないんだ、接点があったのは高校の時、その時から俺の事を思っていたのか?
告白されていれば……
いや、高校の時の俺なら断って、あいつに告白を…… 玉砕覚悟でしたはずだ。
そして叫ばれ、同じことに?
「ずっと…… 高校の時から……」
彼女は頬に手を当て、いやんいやんと言う感じで顔を振りながら告白。
小さな声になっていく。
「そうか、悪かったな。引きこもっちまった」
「ううん。今日それこそ、出会えたのが奇跡。きっと最後に……」
「おい、つまんない事言うな。生きているじゃねえか。いちゃつくんだろ」
「あーうん」
私はまた泣いていたようだ。
タオルでガシガシされる。
その後、アラームが鳴ると……
「溜まったな、さてと」
有無を言わさず脱がされた。
「ちょ待って、なになに、お風呂へ入ってから」
「だから脱がしているんだろうが、ちょっと待て」
そう言って笑う彼、だけど私の体を見たときの、彼の悲しそうな顔は本心が出たのだろう。
彼も全く躊躇無く、脱ぎ始める。
見慣れないものが、目の前に……
「掴むな、さてと抱っこするぞ」
そうして、お風呂場までお姫様抱っこで連れていかれた。
がっしりとした体、暖かい。
何かお尻の下で、すりすりしているけれど気にしない。
「さてと、洗ってやるから」
「いや洗うのは、自分で出来るから」
私はまだ彼の膝の上。
おろしてもらえず、ゆっくりとお湯がかけられる。
そうなのよ、入院時って毎日入浴できるわけじゃないのよね。
彼は何も言わず、鼻歌交じりに体を洗う。
ものすごく、恥ずかしい……
鼻血が出そう。
もう心臓が、すごく騒いでいて、彼に聞こえそう。
体位を変えて、彼に向かって抱っこ。
背中が洗われるのは良いけれど、耳をカプカプナメナメするのはやめて欲しい。
そして、お尻の方を洗っていたスポンジがなんで素手に変わっているのぉ?
「ねえちょっと?」
「だいじょうぶ。間違えないから、こっちも洗うのは洗おうか」
彼がそう言った瞬間、ニュルンと指が入ってきたぁ。
なんで迎え入れてるの、私の体ぁ。
「いや、だから、お尻に指を入れないで」
「洗うだろ」
「中まで洗わないわよ」
「そうなのか?」
「えっ」
「えっ?」
私は彼におぶられていた。
途中で歩けなくなって……
だけど、お尻に食い込む彼の手。
意識しないでおくのが辛かった。
そして、体って辛くても反応するのね…… いや辛いから反応するのか?
そういえば命に危険が迫ると、無性にしたくなるんだったっけ?
そんな伝説もある。
が、普通は理性というものがある。
閉じ込められた男女、好みだったからしたみたいな……
種族保存の本能、それは言い訳に便利だった。
まあ、それは良いとして。
ソファーに降ろして貰った。
「水いるか?」
「うん」
その間に、痛み止めとかをバッグから出す。
「やっぱりどこか悪いのか?」
見られてしまった、軽率だった。
「うん、ちょっとね」
そう言って笑う。
上手く笑えたかは判らない。
彼の家のリビング、片隅にご両親の写真と、その前にお茶が供えられていた。
しっかりやっているんだ。
そう子供の頃から知っている坊さんで、随分叱られた。
なんか、俺の引きこもりを、相談もされたことがあるらしい。
「ねえ、冬野くっ。あの新道くん。今日一日は、恋人として愛して。お願い」
言った、言い切った。
すると彼は、判るよねぇ。
「そんなに悪いのか?」
聞かれて、つい体が反応をする。
「えっ何が? 元気だよ」
そう言いながら、私は涙を流していたらしい。
ため息を付くと、私の隣へ座り、タオルでガシガシと涙を拭ってくれる?
「無理をしなくて良い。恋人なんだろう」
「そう、そうね」
えへへと、笑ってみる。
困った顔の、新道くん。
「えぃ」
そう言って彼に抱きつく。
やっぱり彼は大きい。
背中も広かったし、男の人。
「ねえっ」
口をとがらせてキスをねだる。
すると、彼は受け入れてくれた。
同情でも何でも良い。
だけど、唇が触れたと思ったら、唇が舐められ、歯茎を舐められ舌が入ってくる。
私はその日初めて、口の中も粘膜なんだと知った。
自分の舌以外が入り込み、中でうねうねと舐める。
ゾクゾクが止まらない。
そう思ったら、胸まで触られていた。
「ふっ、ふぐっ」
ついジタバタしてしまう。
顔が離れる。
悪そうな笑顔。
「なんだ、嫌だったのか?」
「ちっ違うわよ、なれていないから驚いて。それより、家に籠もって居たって言ったのに、なんかすごく慣れているというか、上手じゃない……」
「そうか?」
そう言って彼はニヤニヤ。
「高校の時とか、誰か付き合っていたっけ?」
一瞬の油断。そう聞いた時の表情反応。
ほんの一瞬だけど、怖かった。
「誰とも付き合っちゃ居ないさ」
「ごめん」
「なにが?」
あせった私。つい言った言葉は、欲望の垂れ流しだった。
「お風呂行きたい」
少し驚いたようだ。
だけど彼は、動き始める。
「ちょっと待て」
そう言って離れて行ってしまった。
だけどまだ、心臓はバクバク。
夢じゃなくこの状況、私死ぬの?
本気でそう思ってしまう。
ふいに決まった、お医者さんからの外泊許可。
調子が良くて、お散歩。
そして、一〇年会わなかった彼と、よく行く公園で出会う。
なにか、人外の力が働いているとしか思えない。
人生の最後に、楽しい思い出を作れとか?
はぐ、そしてキス……
「いやあああぁ」
ついバタバタしていると、彼が帰ってくる。
「どうした? どこか痛いのか?」
「えっ? いえ……痛いとしたら、心臓が、夢じゃないよね?」
自分の口から出た、その素直な言葉に自信で驚いてしまう。
「おまえ、何時から俺の事を?」
十年会っていないんだ、接点があったのは高校の時、その時から俺の事を思っていたのか?
告白されていれば……
いや、高校の時の俺なら断って、あいつに告白を…… 玉砕覚悟でしたはずだ。
そして叫ばれ、同じことに?
「ずっと…… 高校の時から……」
彼女は頬に手を当て、いやんいやんと言う感じで顔を振りながら告白。
小さな声になっていく。
「そうか、悪かったな。引きこもっちまった」
「ううん。今日それこそ、出会えたのが奇跡。きっと最後に……」
「おい、つまんない事言うな。生きているじゃねえか。いちゃつくんだろ」
「あーうん」
私はまた泣いていたようだ。
タオルでガシガシされる。
その後、アラームが鳴ると……
「溜まったな、さてと」
有無を言わさず脱がされた。
「ちょ待って、なになに、お風呂へ入ってから」
「だから脱がしているんだろうが、ちょっと待て」
そう言って笑う彼、だけど私の体を見たときの、彼の悲しそうな顔は本心が出たのだろう。
彼も全く躊躇無く、脱ぎ始める。
見慣れないものが、目の前に……
「掴むな、さてと抱っこするぞ」
そうして、お風呂場までお姫様抱っこで連れていかれた。
がっしりとした体、暖かい。
何かお尻の下で、すりすりしているけれど気にしない。
「さてと、洗ってやるから」
「いや洗うのは、自分で出来るから」
私はまだ彼の膝の上。
おろしてもらえず、ゆっくりとお湯がかけられる。
そうなのよ、入院時って毎日入浴できるわけじゃないのよね。
彼は何も言わず、鼻歌交じりに体を洗う。
ものすごく、恥ずかしい……
鼻血が出そう。
もう心臓が、すごく騒いでいて、彼に聞こえそう。
体位を変えて、彼に向かって抱っこ。
背中が洗われるのは良いけれど、耳をカプカプナメナメするのはやめて欲しい。
そして、お尻の方を洗っていたスポンジがなんで素手に変わっているのぉ?
「ねえちょっと?」
「だいじょうぶ。間違えないから、こっちも洗うのは洗おうか」
彼がそう言った瞬間、ニュルンと指が入ってきたぁ。
なんで迎え入れてるの、私の体ぁ。
「いや、だから、お尻に指を入れないで」
「洗うだろ」
「中まで洗わないわよ」
「そうなのか?」
「えっ」
「えっ?」
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