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第三章 王国貴族時代
第45話 状況は悪化し混乱へ。
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「先触れもなく、申し訳ありません。また、お目見えいただきまして、ありがとうございます」
ハビエル君達は、昼も夜も無く街道を走り、何とか辺境伯の元へとたどり着いた。
そして、迎え入れた辺境伯、ゼウスト=ヴェネジクト侯爵は、話を聞いて驚く。
「それは、真の話でしょうか?」
「本当です。奴は、父の首を持ち屋敷に現れました。そして驚く私たちを陵辱し、偽りの書面まで書かせたのです。汚されてしまったこの体で申し訳ありませんが、辺境伯にささげます。今うちにはこれ以上差し出せる物が無くて。お願いです、助けてください」
ゼウストの目には、目の前で、泣きながら訴える長女シオドーラと、王都へ行ってしまったクリスの姿が重なる。
「分かった。何か手立てを考える。向こうが王への書状を持っているのをすぐに何とかして、届かないようにしないといけない。それと関係者全部が王からの許可を得ている以上、大義が偽りだという証拠を掴まなくては、こっちが謀反となってしまう。シオドーラ嬢とハビエル殿は少しゆっくりと逗留をするがいい。許可しよう」
家宰テオドゥロ=ベレスに促されて、部屋へ案内されていく一同を見送り、ゼウストはため息をつく。どうしたものかと。
すべてが、王の許可を持つ。ならばそれを妨げるは王に対する謀反。
だが、それが悪用されているのなら正義は何処に。
いや、判ってはいる。
問題は出来るかという事。
「困ったものだ……」
そんな大騒ぎをしていた屋敷に、色々な作業が終わり。丁度王都へ帰る途中にレオン達が立ち寄る。
当然ながら、ゼウストの目が光り、レオン達は巻き込まれることになるが、ナウマン子爵達の軍がその存在を目撃。
後に、少し面倒なことになる。
「分かりました。ハビエル殿をサポートして、クラーコラ=マースカント伯爵を討伐しましょう。こそっとですが」
そうして、レオン達は闇に紛れ、クラーコラ=マースカント伯爵を討伐し、あっさりと書状を回収したのは良いが、クラーコラはトゥーン領への侵攻前に王へと言い訳の書状を送っていた。
そもそも紛争中であり、殲滅されればやった犯人はすぐに特定される。
だが、そこで疑問になるのは、その武力について。
ハビエル君が口を割らなくても、おかしなものはおかしい。
自身があくどく、完全な防御を行っていたクラーコラ=マースカント伯爵。二重三重の警戒網を、あっさりと抜き。伯爵が討伐された。
それが、一晩の出来事であった。
書状が戻り、自身の手で父の敵を討って安心をしていたハビエル君だが、王からの調査が入り、調査官が派遣される。
だがその頃には、レオン達は街道を押し通り、王都へと帰還を果たしていた。
街道を封鎖していたナウマン子爵とリザンドロ伯爵の連合軍は、王国兵団の証明と、部隊の持つ異様な雰囲気に思わず道を空けたようだ。
そう、皆疲れてギラギラした目。
全身から殺気を放ち、触れれば殺される。
そんなものを感じたようだ。
そんな状態だが、数ヶ月後対峙することになる。
辺境伯ゼウストは調査を進め、一連の流れの中で商人の影を発見。そのしっぽを掴む。
「帝国。戦略特務課ギュンター=フランツェン特務中尉と言う者が絵図を描いているようです。今現在は、西の方へ移動しておるようで、こちらに居たのは、兵曹長や軍曹級の者達のようです」
「王へ緊急で書状を出せ。帝国による謀略が王国内で進行中だと」
あわてて、幾方面から書状を出した辺境伯だが、不運が続き使者が盗賊にであったり、鳥は大型のモンスターに食われたり様々で、第一段目では届かなかった様だ。
そして、盗賊にであったはずの、使者が持っていた書状が、なぜかナウマン子爵の手に渡る。
「あやつが、帝国のものでも関係ない。すでに事は動き出している。辺境伯からの使者を見張り、ことごとく捕らえよ」
ナウマン子爵から、命令が発せられる。
元々、今は戦時のため、街道は封鎖されている。
ナルディーノ=モランド大将が、連合軍が持つ書状を言い訳に撤退をして、誰も居なくなった、マースカント領を占領。
トゥーン領からは、当然泣きが入る。
「シオドーラ様。こんな遠くまで」
王都にある、レオンの屋敷にシオドーラがやって来た。
むろん、シオドーラは懇願をしたが、ゼウストは扱いに困る。
そしてレオン達が討伐に走った際、自領に帰されていた。
「汚された我が身。やはり、価値などないのか」
そんな事を、シオドーラは言ったようだが、「娘と同じ年頃のそなた。きっと転機は来る。お体を粗末にせず、その時を待ちなさい」
とか何とか、うやむやのうちに送り出した。
そして再び自領の危機。何とかしなければと、話しやすかったレオンの元へと、男装をして、幾人かの共だけで駆けてきたようだ。
多少、レオンが平民出だからとシオドーラは考えたようで、その辺りは貴族のお嬢さん。それが態度に見られて、多少ミヒャルがむっとする。
「お願いいたします。我が領、調査官が入り色々と大変なのです」
その話は聞いていた。
「あの領に、そんな力があるのはおかしい」
そんな話が出ていた。
だが幾らレオンでも、むやみに動くことは出来ない。
辺境伯からの使者が届いていれば、調査と調停に動くことが出来たのだが。
レオン達は、行動が出来ずに困っていた。
だが、トゥーン領へ連合軍が雪崩れ込む。
これにより、状況に変化が起こる。
ハビエル君達は、昼も夜も無く街道を走り、何とか辺境伯の元へとたどり着いた。
そして、迎え入れた辺境伯、ゼウスト=ヴェネジクト侯爵は、話を聞いて驚く。
「それは、真の話でしょうか?」
「本当です。奴は、父の首を持ち屋敷に現れました。そして驚く私たちを陵辱し、偽りの書面まで書かせたのです。汚されてしまったこの体で申し訳ありませんが、辺境伯にささげます。今うちにはこれ以上差し出せる物が無くて。お願いです、助けてください」
ゼウストの目には、目の前で、泣きながら訴える長女シオドーラと、王都へ行ってしまったクリスの姿が重なる。
「分かった。何か手立てを考える。向こうが王への書状を持っているのをすぐに何とかして、届かないようにしないといけない。それと関係者全部が王からの許可を得ている以上、大義が偽りだという証拠を掴まなくては、こっちが謀反となってしまう。シオドーラ嬢とハビエル殿は少しゆっくりと逗留をするがいい。許可しよう」
家宰テオドゥロ=ベレスに促されて、部屋へ案内されていく一同を見送り、ゼウストはため息をつく。どうしたものかと。
すべてが、王の許可を持つ。ならばそれを妨げるは王に対する謀反。
だが、それが悪用されているのなら正義は何処に。
いや、判ってはいる。
問題は出来るかという事。
「困ったものだ……」
そんな大騒ぎをしていた屋敷に、色々な作業が終わり。丁度王都へ帰る途中にレオン達が立ち寄る。
当然ながら、ゼウストの目が光り、レオン達は巻き込まれることになるが、ナウマン子爵達の軍がその存在を目撃。
後に、少し面倒なことになる。
「分かりました。ハビエル殿をサポートして、クラーコラ=マースカント伯爵を討伐しましょう。こそっとですが」
そうして、レオン達は闇に紛れ、クラーコラ=マースカント伯爵を討伐し、あっさりと書状を回収したのは良いが、クラーコラはトゥーン領への侵攻前に王へと言い訳の書状を送っていた。
そもそも紛争中であり、殲滅されればやった犯人はすぐに特定される。
だが、そこで疑問になるのは、その武力について。
ハビエル君が口を割らなくても、おかしなものはおかしい。
自身があくどく、完全な防御を行っていたクラーコラ=マースカント伯爵。二重三重の警戒網を、あっさりと抜き。伯爵が討伐された。
それが、一晩の出来事であった。
書状が戻り、自身の手で父の敵を討って安心をしていたハビエル君だが、王からの調査が入り、調査官が派遣される。
だがその頃には、レオン達は街道を押し通り、王都へと帰還を果たしていた。
街道を封鎖していたナウマン子爵とリザンドロ伯爵の連合軍は、王国兵団の証明と、部隊の持つ異様な雰囲気に思わず道を空けたようだ。
そう、皆疲れてギラギラした目。
全身から殺気を放ち、触れれば殺される。
そんなものを感じたようだ。
そんな状態だが、数ヶ月後対峙することになる。
辺境伯ゼウストは調査を進め、一連の流れの中で商人の影を発見。そのしっぽを掴む。
「帝国。戦略特務課ギュンター=フランツェン特務中尉と言う者が絵図を描いているようです。今現在は、西の方へ移動しておるようで、こちらに居たのは、兵曹長や軍曹級の者達のようです」
「王へ緊急で書状を出せ。帝国による謀略が王国内で進行中だと」
あわてて、幾方面から書状を出した辺境伯だが、不運が続き使者が盗賊にであったり、鳥は大型のモンスターに食われたり様々で、第一段目では届かなかった様だ。
そして、盗賊にであったはずの、使者が持っていた書状が、なぜかナウマン子爵の手に渡る。
「あやつが、帝国のものでも関係ない。すでに事は動き出している。辺境伯からの使者を見張り、ことごとく捕らえよ」
ナウマン子爵から、命令が発せられる。
元々、今は戦時のため、街道は封鎖されている。
ナルディーノ=モランド大将が、連合軍が持つ書状を言い訳に撤退をして、誰も居なくなった、マースカント領を占領。
トゥーン領からは、当然泣きが入る。
「シオドーラ様。こんな遠くまで」
王都にある、レオンの屋敷にシオドーラがやって来た。
むろん、シオドーラは懇願をしたが、ゼウストは扱いに困る。
そしてレオン達が討伐に走った際、自領に帰されていた。
「汚された我が身。やはり、価値などないのか」
そんな事を、シオドーラは言ったようだが、「娘と同じ年頃のそなた。きっと転機は来る。お体を粗末にせず、その時を待ちなさい」
とか何とか、うやむやのうちに送り出した。
そして再び自領の危機。何とかしなければと、話しやすかったレオンの元へと、男装をして、幾人かの共だけで駆けてきたようだ。
多少、レオンが平民出だからとシオドーラは考えたようで、その辺りは貴族のお嬢さん。それが態度に見られて、多少ミヒャルがむっとする。
「お願いいたします。我が領、調査官が入り色々と大変なのです」
その話は聞いていた。
「あの領に、そんな力があるのはおかしい」
そんな話が出ていた。
だが幾らレオンでも、むやみに動くことは出来ない。
辺境伯からの使者が届いていれば、調査と調停に動くことが出来たのだが。
レオン達は、行動が出来ずに困っていた。
だが、トゥーン領へ連合軍が雪崩れ込む。
これにより、状況に変化が起こる。
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