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第三章 未来のために
第54話 統一と、皇帝の即位
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「ファースティナ王国も、結局食い物を配るだけで終わったな」
大陸の中央部、山脈の麓に新たな城を建てる。
実質、三カ国は簡単に陥落をして統治下に入った。
問題は、国民性。
国の成り立ちで、力を持った者達が既得権益を握り、好き勝手をしてきた。
そのため、賄賂など小ずるい物の考えが蔓延中で、国民までがそれを普通だと考えている。
自分さえ良ければ、何をしても良いと……
「子どもを集め、道徳教育。親などからつまらんことを吹き込まれるから、悪さをする奴は徹底的に取り締まれ、国民全体がズルいことをするのは、損だと思うまでな」
町中到る処に間者を忍ばせて、密告をさせる。
罰金は、利益額に応じて十倍を徴収。
それを繰り返すことで、馬鹿馬鹿しいと思わせる。
「それじゃあ、真面目に働いた方が得じゃないか」
居酒屋や、むふふなお店にも、広告塔になる者を忍ばせた。
まあ悪事で稼げば、そう言うところでぽろっと漏らす。
すると密告。
罰金を払って愚痴れば、真面目に…… と話をして諭す。
仕事を与え、国民の所得が上がればズルい者が馬鹿を見る。
賄賂を持ってくれば、取引停止を徹底させる。
その間に、法整備と組織の組み立て。
知識不足のマルタとゲルデが困らないように……
ただまあ、二人共が毎日感謝をして泣いてくれる。
貧乏農村の娘と、町のスラム出身。
クラスの女の子達は、お気楽に暮らしているが、三十歳を越えだした頃から泣き始める。
俺と八重が年を取らないからだ。
いや二十歳くらいまではきちんと年を取った。
でも、その後はもう良いかと止めた。
おかげで、ぼつぼつと帰ると言い始めた。
俺としては、子どもが二十歳まではと思ったが、許してもらえない様だ。
「まあ俺達はいつでも来られるから、十五歳で良いか」
「そうねえ、ちょくちょく来ましょ」
八重とそんなことを話していると、皆がごねる。
「なら私たちも子どもを……」
そう言って詰め寄って来る。
「だからそれをしても、お前達はこっちに来られないから」
「なに? 悠人君こっちの神より力が無いのぉ……」
皆が考えついたようだ。
人のプライドをくすぐって、理を変えさせようと……
にまにま顔が並び、さらに……
「できないのぉ、最強の死に神でしょうぉ」
「…………」
「仕方が無いわね、悠人には無理でも私ができるわ」
八重が折れた。
「それに、向こうで地上にいるわけにはいかないからね。私がこっちで見ておくから。皆安心をして」
「理を曲げていいのか?」
「元々理を曲げたのは、こちらの神よ。知ったこっちゃないわ。たとえ罰を受けて消滅をしてもね。その場合私がこの世界を見るわ」
八重はそう言ってふんぞり返る。
「じゃあ、陣を創るか」
じじい神が創ったより完璧な物を創る。
向こうから来た者は、この世界にいる間、年を取らない。
帰ると向こうでは時が進んでいない。
検疫と浄化。
「できるじゃない」
「そりゃできるさ、上の方が怒ったら、お前がなんとかしろよ」
「あーうん。相手に寄るけれど」
なんか中途半端な返事。
子どもを創り、誕生させる。
その子達が五歳の時、レギン達が成人。
皇帝とさせて、グレートエンパイアを発足。
まあ偉大なる帝国と、少し若さがほとばしった名前だが、それで行く。
多少魔導具を充実させて、生活と衛生を進めた。
「それじゃあ後は、お前達と八重に任せた」
そう言って、帰ろうとして、ふと気が付く。
「俺が切るから、すぐに死体は隠せ」
そう言うと、八重は理解をした様だ。
瞬速で皆の魂を切る。
俺は狭間の空間へ転移。
八重は皆の死体を隠す。
これで見送りが成功。
俺達は、高校生に戻った。
俺を除く、皆の魂が狭間の空間にやって来ると、結界が溶ける。
学校の教室。
元の昼休み。
弁当の食いかけや、はしゃいでいる奴、様々。
戻ってきたが、教室はシーンとしている。
委員長達は俺を見つけて走ってくる。
にらみ合いをする奴ら、周りを確認をして泣き出す奴ら、色々だ。
各自死んだ瞬間に、戻ってきた感じだしな。
混乱をするだろ。
幾人かは、教室から飛び出し、本当に戻ってきたのかを確認をする。
まあ混乱は、先生がきても続く。
ひたすら、ざわざわざわと……
「どうした、お前達。まあいい昨日の続きからだな。山田からだな読め」
「えっ昨日? 読め? えっえっ?」
「どうした、昨日のことだぞ」
「今日何日でしょうか?」
与野が先生に聞く。
皆がそんな感じで、先生もおかしいと思い始める。
「ちょっと、みんな待っていろ」
先生は職員室へ帰り、午前中の様子を他の先生に聞きに行った様だ。
ドヤドヤと幾人か先生がやって来る。
「昼に何があった?」
「異世界に連れて行かれていました。殺されたんです盗賊に、マルタも……」
安心しろ、松井。マルタは立派なお母さんとなっている。
俺が思ったことが聞こえたわけではないだろうが、沙織達がこっちを見てにまにましやがる。
「昼に寝ていたのか?」
「「「「「違います。皆一緒に行っていました」」」」」
でまあ、その日は騒ぎになり、なんだろうスクールカウンセラーさんから連絡が行き、医者が走ってくる。集団ストレスがどうとか?
精神的な鑑定と、記憶の齟齬がどうとか?
だけど、クラスのみんなで記憶の一致が有り、何かが起こったのは確かだと騒ぎになる。
そして、見事に学力が落ちていた……
大人になってから、思い出したように高校のテストを受けてみろよ解けないから。
大陸の中央部、山脈の麓に新たな城を建てる。
実質、三カ国は簡単に陥落をして統治下に入った。
問題は、国民性。
国の成り立ちで、力を持った者達が既得権益を握り、好き勝手をしてきた。
そのため、賄賂など小ずるい物の考えが蔓延中で、国民までがそれを普通だと考えている。
自分さえ良ければ、何をしても良いと……
「子どもを集め、道徳教育。親などからつまらんことを吹き込まれるから、悪さをする奴は徹底的に取り締まれ、国民全体がズルいことをするのは、損だと思うまでな」
町中到る処に間者を忍ばせて、密告をさせる。
罰金は、利益額に応じて十倍を徴収。
それを繰り返すことで、馬鹿馬鹿しいと思わせる。
「それじゃあ、真面目に働いた方が得じゃないか」
居酒屋や、むふふなお店にも、広告塔になる者を忍ばせた。
まあ悪事で稼げば、そう言うところでぽろっと漏らす。
すると密告。
罰金を払って愚痴れば、真面目に…… と話をして諭す。
仕事を与え、国民の所得が上がればズルい者が馬鹿を見る。
賄賂を持ってくれば、取引停止を徹底させる。
その間に、法整備と組織の組み立て。
知識不足のマルタとゲルデが困らないように……
ただまあ、二人共が毎日感謝をして泣いてくれる。
貧乏農村の娘と、町のスラム出身。
クラスの女の子達は、お気楽に暮らしているが、三十歳を越えだした頃から泣き始める。
俺と八重が年を取らないからだ。
いや二十歳くらいまではきちんと年を取った。
でも、その後はもう良いかと止めた。
おかげで、ぼつぼつと帰ると言い始めた。
俺としては、子どもが二十歳まではと思ったが、許してもらえない様だ。
「まあ俺達はいつでも来られるから、十五歳で良いか」
「そうねえ、ちょくちょく来ましょ」
八重とそんなことを話していると、皆がごねる。
「なら私たちも子どもを……」
そう言って詰め寄って来る。
「だからそれをしても、お前達はこっちに来られないから」
「なに? 悠人君こっちの神より力が無いのぉ……」
皆が考えついたようだ。
人のプライドをくすぐって、理を変えさせようと……
にまにま顔が並び、さらに……
「できないのぉ、最強の死に神でしょうぉ」
「…………」
「仕方が無いわね、悠人には無理でも私ができるわ」
八重が折れた。
「それに、向こうで地上にいるわけにはいかないからね。私がこっちで見ておくから。皆安心をして」
「理を曲げていいのか?」
「元々理を曲げたのは、こちらの神よ。知ったこっちゃないわ。たとえ罰を受けて消滅をしてもね。その場合私がこの世界を見るわ」
八重はそう言ってふんぞり返る。
「じゃあ、陣を創るか」
じじい神が創ったより完璧な物を創る。
向こうから来た者は、この世界にいる間、年を取らない。
帰ると向こうでは時が進んでいない。
検疫と浄化。
「できるじゃない」
「そりゃできるさ、上の方が怒ったら、お前がなんとかしろよ」
「あーうん。相手に寄るけれど」
なんか中途半端な返事。
子どもを創り、誕生させる。
その子達が五歳の時、レギン達が成人。
皇帝とさせて、グレートエンパイアを発足。
まあ偉大なる帝国と、少し若さがほとばしった名前だが、それで行く。
多少魔導具を充実させて、生活と衛生を進めた。
「それじゃあ後は、お前達と八重に任せた」
そう言って、帰ろうとして、ふと気が付く。
「俺が切るから、すぐに死体は隠せ」
そう言うと、八重は理解をした様だ。
瞬速で皆の魂を切る。
俺は狭間の空間へ転移。
八重は皆の死体を隠す。
これで見送りが成功。
俺達は、高校生に戻った。
俺を除く、皆の魂が狭間の空間にやって来ると、結界が溶ける。
学校の教室。
元の昼休み。
弁当の食いかけや、はしゃいでいる奴、様々。
戻ってきたが、教室はシーンとしている。
委員長達は俺を見つけて走ってくる。
にらみ合いをする奴ら、周りを確認をして泣き出す奴ら、色々だ。
各自死んだ瞬間に、戻ってきた感じだしな。
混乱をするだろ。
幾人かは、教室から飛び出し、本当に戻ってきたのかを確認をする。
まあ混乱は、先生がきても続く。
ひたすら、ざわざわざわと……
「どうした、お前達。まあいい昨日の続きからだな。山田からだな読め」
「えっ昨日? 読め? えっえっ?」
「どうした、昨日のことだぞ」
「今日何日でしょうか?」
与野が先生に聞く。
皆がそんな感じで、先生もおかしいと思い始める。
「ちょっと、みんな待っていろ」
先生は職員室へ帰り、午前中の様子を他の先生に聞きに行った様だ。
ドヤドヤと幾人か先生がやって来る。
「昼に何があった?」
「異世界に連れて行かれていました。殺されたんです盗賊に、マルタも……」
安心しろ、松井。マルタは立派なお母さんとなっている。
俺が思ったことが聞こえたわけではないだろうが、沙織達がこっちを見てにまにましやがる。
「昼に寝ていたのか?」
「「「「「違います。皆一緒に行っていました」」」」」
でまあ、その日は騒ぎになり、なんだろうスクールカウンセラーさんから連絡が行き、医者が走ってくる。集団ストレスがどうとか?
精神的な鑑定と、記憶の齟齬がどうとか?
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