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第2章 世の平定 魔人領
第14話 復活の日と相談
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結局、体調が復活するのには、一月掛かってしまった。
今、露天風呂につかりながら、みちよにお願いをされている。
「だから。私もできるようなら、眷属にしてほしいの」
「俺としては、どうしても眷属というものに、躊躇をしてしまうんだが」
「でもあなたは、ハイヒューマンだし。寿命も随分違うと思うの。それにねフェンちゃんとあなたの繋がりが羨ましくて。すごく愛おしそうと言うか、大事そうにあなたを見ているのよね」
「なんだ? やきもちを焼いてくれるのか?」
「いじわるね」
そう言って、抱きついてくる。
「でも実際どうすればいいのか、分からんな。力を与え眷属化を許可すればいいのだが」
「あなたから、霊体の状態で、一部もらえばいいんでしょう?」
「そうだが、俺を食うのか?」
「ふふ、そうよ」
「わかった。おてやわらかに」
・ ・ ・
彼女の発案はうまくいき。力を与えることができたようだ。
〈これが念話なのね。あとは眷属の許可をお願いします〉
〈眷属化を、許可する〉
俺にとっては、いつものようにつながりを感じ、彼女は大きく目を見開いて、
「これが……。フェンちゃんの気持ちがわかるわ。でも今度は私が少し寝込むかも」
そう言って、みちよは、お湯の中に沈みかけた。俺は慌てて支えて、引き上げる。
「どうした、大丈夫か?」
「とっても幸せだけど、ダメ。ベッドに連れて行って」
「分かった」
お姫様抱っこをして彼女を抱え、脱衣所に向かう。
体をふいて、ベッドへ連れて行き寝かせる。
彼女は身じろぎもせず、眉間にしわを寄せている。
〈彼女も、眷属化をしたの?〉
〈ああ、だが少し辛そうだな〉
〈種族的にも、それに魂の階位も低い。少し無理をしたわね。これからしばらくは動けないかもしれない〉
〈そうなのか?〉
〈大丈夫。確かに私の体が内側から、作り替えられている感じはあるけど、厳しい物じゃなく優しい感じだから〉
〈そうか分かった。念話で良いから、何かあれば言ってくれ〉
〈うん〉
霊体になり彼とエッチをすると、いつも以上につながりを感じ、何か力が流れ込んでくるのが分かった。
体に戻り、眷属化の了承を受ける。彼とのつながりとさっき以上の力が流れ込んでくる。
その瞬間、体がバラバラになり、作り直されるような感覚がし始める。力は入らず感覚がなくなっていき、普通なら怖くてたまらなでしょうけど、眷属化による確かな彼とのつながりが体を包んでくれる。
恐怖より、幸せを感じる。
それから3日ほど、体の変化は続いた。
すっと、体が楽になり、体の隅々までわかるようになっていた。
うん、理解《わかる》意識すれば体だけではなく周りも。外であの人がフェンちゃんと子供のフェンリルを集めて遊んでいる。
私が寝込んでいたのに、楽しそうね。
少し焼き餅。
〈目が覚めたようだな。体調はどうだ?〉
そうね。私がわかると言うことは、彼にもわかると言う事ね。
〈なんだか、世界がキラキラしているわ〉
〈そうか〉
少しして、彼は家のなかに入って来た。
「ちょっと見ても良いか?」
「ええ、私も気になるもの」
万世 導世(ばんせ みちよ)
種族:ハイヒューマン 17歳
身体:162cm/52.6kg
階位:2
魔力量:3746
攻撃力 :733
防御力:500
力:366
耐久:366
器用さ:400
敏捷性:366
知性:600
称号:聖者、異世界からの召喚者、神の眷属
適正:全
状態:通常
「君の目論見通り。ハイヒューマン。あっ、女神の加護が消えている」
「それは、あなたの話からすると、良かったのじゃないかしら?」
「それに、なんだか神の眷属になっている。俺まだ見習いなんだけどな」
「それと、数値がおかしい。ハイヒューマンというのは、階位1で基本が500位だと思ったんだけど」
「数字を見ると、元々不得意だったものは低いみたいだし、個人の能力値が係数として掛かっているんじゃないかしら?」
「そうなのかもしれんが、階位も1つ下がっている」
「それは種族が変わったから、やり直しね」
「ふふっ。これでずっと。一緒に居られるわ」
「ああ。よろしく」
〈ちょっといい?〉
〈どうした? フェン〉
〈みちよから神気が漏れている。抑えないとまずくないか?〉
〈えっ神気? もしかしてあなたから、たまに感じていたプレッシャー? どうやって抑えるの?〉
〈そんなことも分からんのか? 意識して神気をつかみ抑えればいいこと〉
〈フェンちゃん。言葉がきつい〉
〈今までは、主の番だと接していたが。今は同じ眷属じゃ〉
〈いや。まだ番だから〉
〈ふん。私ももう少しで人化できる。そうすれば主は私の物〉
〈いや。俺にも、ガンガンに聞こえているけど。やめてくれる?〉
〈はっ。 主。いっ今のは聞かなかったことに〉
〈あなた、子供もいるじゃない〉
〈前は、てじかにオスが居なかったから。今は主一筋。問題はなかろう。子供たちもなついて居るし。眷属化してもらえば、お役に立てる〉
〈お前は、さっさと神気を抑えろ〉
〈やるわよ。ねえあなたぁ。やり方教えてぇ〉
そう言って、みちよが俺にもたれかかてくる。
「グルル」〈小娘が〉
今、露天風呂につかりながら、みちよにお願いをされている。
「だから。私もできるようなら、眷属にしてほしいの」
「俺としては、どうしても眷属というものに、躊躇をしてしまうんだが」
「でもあなたは、ハイヒューマンだし。寿命も随分違うと思うの。それにねフェンちゃんとあなたの繋がりが羨ましくて。すごく愛おしそうと言うか、大事そうにあなたを見ているのよね」
「なんだ? やきもちを焼いてくれるのか?」
「いじわるね」
そう言って、抱きついてくる。
「でも実際どうすればいいのか、分からんな。力を与え眷属化を許可すればいいのだが」
「あなたから、霊体の状態で、一部もらえばいいんでしょう?」
「そうだが、俺を食うのか?」
「ふふ、そうよ」
「わかった。おてやわらかに」
・ ・ ・
彼女の発案はうまくいき。力を与えることができたようだ。
〈これが念話なのね。あとは眷属の許可をお願いします〉
〈眷属化を、許可する〉
俺にとっては、いつものようにつながりを感じ、彼女は大きく目を見開いて、
「これが……。フェンちゃんの気持ちがわかるわ。でも今度は私が少し寝込むかも」
そう言って、みちよは、お湯の中に沈みかけた。俺は慌てて支えて、引き上げる。
「どうした、大丈夫か?」
「とっても幸せだけど、ダメ。ベッドに連れて行って」
「分かった」
お姫様抱っこをして彼女を抱え、脱衣所に向かう。
体をふいて、ベッドへ連れて行き寝かせる。
彼女は身じろぎもせず、眉間にしわを寄せている。
〈彼女も、眷属化をしたの?〉
〈ああ、だが少し辛そうだな〉
〈種族的にも、それに魂の階位も低い。少し無理をしたわね。これからしばらくは動けないかもしれない〉
〈そうなのか?〉
〈大丈夫。確かに私の体が内側から、作り替えられている感じはあるけど、厳しい物じゃなく優しい感じだから〉
〈そうか分かった。念話で良いから、何かあれば言ってくれ〉
〈うん〉
霊体になり彼とエッチをすると、いつも以上につながりを感じ、何か力が流れ込んでくるのが分かった。
体に戻り、眷属化の了承を受ける。彼とのつながりとさっき以上の力が流れ込んでくる。
その瞬間、体がバラバラになり、作り直されるような感覚がし始める。力は入らず感覚がなくなっていき、普通なら怖くてたまらなでしょうけど、眷属化による確かな彼とのつながりが体を包んでくれる。
恐怖より、幸せを感じる。
それから3日ほど、体の変化は続いた。
すっと、体が楽になり、体の隅々までわかるようになっていた。
うん、理解《わかる》意識すれば体だけではなく周りも。外であの人がフェンちゃんと子供のフェンリルを集めて遊んでいる。
私が寝込んでいたのに、楽しそうね。
少し焼き餅。
〈目が覚めたようだな。体調はどうだ?〉
そうね。私がわかると言うことは、彼にもわかると言う事ね。
〈なんだか、世界がキラキラしているわ〉
〈そうか〉
少しして、彼は家のなかに入って来た。
「ちょっと見ても良いか?」
「ええ、私も気になるもの」
万世 導世(ばんせ みちよ)
種族:ハイヒューマン 17歳
身体:162cm/52.6kg
階位:2
魔力量:3746
攻撃力 :733
防御力:500
力:366
耐久:366
器用さ:400
敏捷性:366
知性:600
称号:聖者、異世界からの召喚者、神の眷属
適正:全
状態:通常
「君の目論見通り。ハイヒューマン。あっ、女神の加護が消えている」
「それは、あなたの話からすると、良かったのじゃないかしら?」
「それに、なんだか神の眷属になっている。俺まだ見習いなんだけどな」
「それと、数値がおかしい。ハイヒューマンというのは、階位1で基本が500位だと思ったんだけど」
「数字を見ると、元々不得意だったものは低いみたいだし、個人の能力値が係数として掛かっているんじゃないかしら?」
「そうなのかもしれんが、階位も1つ下がっている」
「それは種族が変わったから、やり直しね」
「ふふっ。これでずっと。一緒に居られるわ」
「ああ。よろしく」
〈ちょっといい?〉
〈どうした? フェン〉
〈みちよから神気が漏れている。抑えないとまずくないか?〉
〈えっ神気? もしかしてあなたから、たまに感じていたプレッシャー? どうやって抑えるの?〉
〈そんなことも分からんのか? 意識して神気をつかみ抑えればいいこと〉
〈フェンちゃん。言葉がきつい〉
〈今までは、主の番だと接していたが。今は同じ眷属じゃ〉
〈いや。まだ番だから〉
〈ふん。私ももう少しで人化できる。そうすれば主は私の物〉
〈いや。俺にも、ガンガンに聞こえているけど。やめてくれる?〉
〈はっ。 主。いっ今のは聞かなかったことに〉
〈あなた、子供もいるじゃない〉
〈前は、てじかにオスが居なかったから。今は主一筋。問題はなかろう。子供たちもなついて居るし。眷属化してもらえば、お役に立てる〉
〈お前は、さっさと神気を抑えろ〉
〈やるわよ。ねえあなたぁ。やり方教えてぇ〉
そう言って、みちよが俺にもたれかかてくる。
「グルル」〈小娘が〉
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