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誰かが言った、苦しみマスだと……
第3話 お願い
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「いま、小沢君何してるの?」
そう聞かれて、男たるもの、素直に会社が潰れて絶望中とは答えにくい。
だから……
「ストレス発散で、バッティング」
そう答える。なぜか持っているバットを、ずいっと前に。
するとまあ、見事に呆れた顔をされた。
「いや、そりゃそうでしょうとも。仕事よ仕事」
「あー。気になる? そうなのかぁ……」
つい数日前に失いましたが何か?
此方としては、そう答えたいが言えないのが男の子。
だが、濁したのが悪かったのか……
彼女は、斜め上に突っ込んでくる。
「えっ、まさか本職?」
「本職ってなんだよ?」
「いえ。言葉に出しちゃいけない職業。某団体職員とか」
「N○Kか?」
そう言うと、うーんと考え込まれる。
「似たようなものだけど…… もうちょっと暴力系?」
そう言って、こてんと首をかしげられる。
なんかかわいいぞこいつ。
歳幾つだよ?
ああ、オレと一緒だから三十二だな。
「組員と違う。そんな顔に見えるか?」
そう聞くと、思いっきりうんと頷かれた。
「やめてくれよ。俺自身は見慣れていて怖いとは思わん。プリティでキュートだろ?」
そう言ったら断言された。
「それはない」
「ひでぇ…… 実はな……」
「うん」
「かくかくしかじかだ……」
そう言うと彼女は一瞬だけ固まり……
「かくかくしかじかで、分かるかい!!」
思いっきり突っ込まれた。
平日の午前中で良かった。
人が居たら、間違いなく恥ずかしい場面だ。
事案だよ。
「仕方が無い。そこまで言うなら…… 今は無職だよ。数日前に会社が潰れた」
「えっ、本当なの? どこ?」
「スゴイ・モーター開発株式会社」
「あっ見た。ニュースでやってた。すごく大っきい所じゃない。電飾がどうこうって……」
彼女は知っていた。
まあ、テレビでも言っていたしなあ。
だけど。
「ああ…… 冬だしな。クリスマスが近いし…… 粉飾な」
「えっ? あっ、あれ? そう…… 最近はそうとも言うのね」
彼女は、本気で電飾決済だと思っていたようだ。
まあ小さいものを、賑やかにして見せていたのだから、同じ様なものか?
その後、彼女からバッティングでダメ出しを喰らって、一階にある喫茶店へと連れ込まれた。
バッティングはゴルフと同じ感じで、リードだけで打つ感じなんだとか。
右利きだと左手で振って、右手を調整に使うものだと断言された。
「手の甲で打つ感じなの、右手は添えるだけ」
ヒットポイントを調整すれば、思ったところに打ち分けられるらしい?
俺のように、がっしり握って振り回すと、体を壊すと言われた。
よくわからんが、そういうものだと言われた。
「旦那と離婚したんだけど、お金がなくなるとたかりに来るんだよねぇ。養育費も全然入れないし……」
「離婚したのか? そんで?」
俺は昼飯に頼んだカレーをかき込む。
彼女は、お子様ライスを食わせながら、自分は昔ながらのオムライスをかき込む。
「旦那が顔見せたときに、ガツンと言ってくれない?」
ガツンと? 他人が首を突っ込むと、まずそうなんだけど。
「何時来るか分からないんだろ?」
「家に泊まって良いから。暇でしょ」
そう言ってにっこり。
「にっこりじゃないだろ。流石にまずくないか?」
色んな意味でまずい気がする。
「良いわよ。もうバツイチだし」
そう言いながら、彼女はドキドキしていた。
実は初恋の相手。
こんな形で出会って、気持ちが再燃してきた。
「仕事が何とかなるまででも良いし」
一緒に寝泊まり。
男の人だし、我慢が出来なくなれば……
朱祢にもお父さんが欲しいし…… でも他人の子どもとかいやかなぁ。
そんなことを考えていた。
「じゃあ、おれの家に泊まったらどうだ。そのアパートには俺が泊まって」
「えー。それは駄目でしょ。絶対下着とか見そうだし……」
「おまえなあ…… 良いだろその位」
「やっぱり…… お願いだから。多分、数日で来るわよ」
「そうなのか?」
でまあ、よくわからんがその話を受けた。
暇だったんだよ……
絶望的に……
「お邪魔」
「うん。入って。狭くてゴメン」
見事にドラマとかに使われるような、ザッ・アパートだった。
「へぇ。こんな所があるんだなぁ」
入り口すぐに、台所と向こうはトイレか?
ガラス障子というのだろうか、昭和チックな趣。
それで、寝室兼居間を区切っているようだ。
ベッドではなく、布団だろうなぁ。
まあとりあえず、泊まれとは言われたが、朝から晩までいて、夜は家に帰るつもりだった。
流石にね。
「買い物はここで良いのか?」
「うん。ありがとう。やっぱり手が二つだと買い物が楽」
子どもを連れて買い物は、面倒だろうなぁ。
下に降ろせば走っていくし、カートにはおとなしく座っていないし。
大変だ。
だけど結婚をしていれば、こんな感じなのだろうか?
なんとなくしみじみしていると、朱祢ちゃんに手を掴まれる。
しゃがみ込んで目線を合わせる。
その位の常識はある。
「どうしたんだ?」
「おじちゃん。しっこ」
「しっこぉ? おい、おしっこだってよ」
「えー連れて行ってあげて。もうちゃんと出来るから」
「トイレは?」
「そこのドア」
やはりそうだったのか。
つれていくと、きちんと脱いで踏み台を上がる。
なんだかなぁ……
「ぺーぱ」
「うん? ああ」
カラカラと引っ張りだして、少し折りたたんで渡す。
おっと、女の子は前からで拭けるのか?
降りて、きちんとレバーを引っ張る。
「きちんと出来たな」
そんな声をかけながら、服は直す。
ぎゅっとズボンを引っ張るだけだから、上着も出っぱなしだ。
「きちんとズボンの中に入れて、はい手を洗え」
見ているときちんとできていた。
「ちゃんと出来るじゃないか」
「そうだけど、見ていないとたまに失敗するのよ」
「そうなのか?」
ちらっと、こっちを見たと思ったら、とんでもない事を聞いてきやがった。
「どう、ちゃんと女の子だったでしょ?」
「見てない」
「嘘つき……」
そう聞かれて、男たるもの、素直に会社が潰れて絶望中とは答えにくい。
だから……
「ストレス発散で、バッティング」
そう答える。なぜか持っているバットを、ずいっと前に。
するとまあ、見事に呆れた顔をされた。
「いや、そりゃそうでしょうとも。仕事よ仕事」
「あー。気になる? そうなのかぁ……」
つい数日前に失いましたが何か?
此方としては、そう答えたいが言えないのが男の子。
だが、濁したのが悪かったのか……
彼女は、斜め上に突っ込んでくる。
「えっ、まさか本職?」
「本職ってなんだよ?」
「いえ。言葉に出しちゃいけない職業。某団体職員とか」
「N○Kか?」
そう言うと、うーんと考え込まれる。
「似たようなものだけど…… もうちょっと暴力系?」
そう言って、こてんと首をかしげられる。
なんかかわいいぞこいつ。
歳幾つだよ?
ああ、オレと一緒だから三十二だな。
「組員と違う。そんな顔に見えるか?」
そう聞くと、思いっきりうんと頷かれた。
「やめてくれよ。俺自身は見慣れていて怖いとは思わん。プリティでキュートだろ?」
そう言ったら断言された。
「それはない」
「ひでぇ…… 実はな……」
「うん」
「かくかくしかじかだ……」
そう言うと彼女は一瞬だけ固まり……
「かくかくしかじかで、分かるかい!!」
思いっきり突っ込まれた。
平日の午前中で良かった。
人が居たら、間違いなく恥ずかしい場面だ。
事案だよ。
「仕方が無い。そこまで言うなら…… 今は無職だよ。数日前に会社が潰れた」
「えっ、本当なの? どこ?」
「スゴイ・モーター開発株式会社」
「あっ見た。ニュースでやってた。すごく大っきい所じゃない。電飾がどうこうって……」
彼女は知っていた。
まあ、テレビでも言っていたしなあ。
だけど。
「ああ…… 冬だしな。クリスマスが近いし…… 粉飾な」
「えっ? あっ、あれ? そう…… 最近はそうとも言うのね」
彼女は、本気で電飾決済だと思っていたようだ。
まあ小さいものを、賑やかにして見せていたのだから、同じ様なものか?
その後、彼女からバッティングでダメ出しを喰らって、一階にある喫茶店へと連れ込まれた。
バッティングはゴルフと同じ感じで、リードだけで打つ感じなんだとか。
右利きだと左手で振って、右手を調整に使うものだと断言された。
「手の甲で打つ感じなの、右手は添えるだけ」
ヒットポイントを調整すれば、思ったところに打ち分けられるらしい?
俺のように、がっしり握って振り回すと、体を壊すと言われた。
よくわからんが、そういうものだと言われた。
「旦那と離婚したんだけど、お金がなくなるとたかりに来るんだよねぇ。養育費も全然入れないし……」
「離婚したのか? そんで?」
俺は昼飯に頼んだカレーをかき込む。
彼女は、お子様ライスを食わせながら、自分は昔ながらのオムライスをかき込む。
「旦那が顔見せたときに、ガツンと言ってくれない?」
ガツンと? 他人が首を突っ込むと、まずそうなんだけど。
「何時来るか分からないんだろ?」
「家に泊まって良いから。暇でしょ」
そう言ってにっこり。
「にっこりじゃないだろ。流石にまずくないか?」
色んな意味でまずい気がする。
「良いわよ。もうバツイチだし」
そう言いながら、彼女はドキドキしていた。
実は初恋の相手。
こんな形で出会って、気持ちが再燃してきた。
「仕事が何とかなるまででも良いし」
一緒に寝泊まり。
男の人だし、我慢が出来なくなれば……
朱祢にもお父さんが欲しいし…… でも他人の子どもとかいやかなぁ。
そんなことを考えていた。
「じゃあ、おれの家に泊まったらどうだ。そのアパートには俺が泊まって」
「えー。それは駄目でしょ。絶対下着とか見そうだし……」
「おまえなあ…… 良いだろその位」
「やっぱり…… お願いだから。多分、数日で来るわよ」
「そうなのか?」
でまあ、よくわからんがその話を受けた。
暇だったんだよ……
絶望的に……
「お邪魔」
「うん。入って。狭くてゴメン」
見事にドラマとかに使われるような、ザッ・アパートだった。
「へぇ。こんな所があるんだなぁ」
入り口すぐに、台所と向こうはトイレか?
ガラス障子というのだろうか、昭和チックな趣。
それで、寝室兼居間を区切っているようだ。
ベッドではなく、布団だろうなぁ。
まあとりあえず、泊まれとは言われたが、朝から晩までいて、夜は家に帰るつもりだった。
流石にね。
「買い物はここで良いのか?」
「うん。ありがとう。やっぱり手が二つだと買い物が楽」
子どもを連れて買い物は、面倒だろうなぁ。
下に降ろせば走っていくし、カートにはおとなしく座っていないし。
大変だ。
だけど結婚をしていれば、こんな感じなのだろうか?
なんとなくしみじみしていると、朱祢ちゃんに手を掴まれる。
しゃがみ込んで目線を合わせる。
その位の常識はある。
「どうしたんだ?」
「おじちゃん。しっこ」
「しっこぉ? おい、おしっこだってよ」
「えー連れて行ってあげて。もうちゃんと出来るから」
「トイレは?」
「そこのドア」
やはりそうだったのか。
つれていくと、きちんと脱いで踏み台を上がる。
なんだかなぁ……
「ぺーぱ」
「うん? ああ」
カラカラと引っ張りだして、少し折りたたんで渡す。
おっと、女の子は前からで拭けるのか?
降りて、きちんとレバーを引っ張る。
「きちんと出来たな」
そんな声をかけながら、服は直す。
ぎゅっとズボンを引っ張るだけだから、上着も出っぱなしだ。
「きちんとズボンの中に入れて、はい手を洗え」
見ているときちんとできていた。
「ちゃんと出来るじゃないか」
「そうだけど、見ていないとたまに失敗するのよ」
「そうなのか?」
ちらっと、こっちを見たと思ったら、とんでもない事を聞いてきやがった。
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