泡沫の夢物語。-男と女の物語。短編集-

久遠 れんり

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年始によくある、最悪な出会い

第3話 どいつもこいつも

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「宮下さん初めまして。全員一つ下で二年生です」
 沙弥香の友人から、自己紹介が始まった。

友枝ともえだ真理まりです。女の子は皆、高校の時から友達です」
人見ひとみ芳子よしこ二十歳でーす」
参澤みさわ愛里あいり同じく二年生です」

「おれは、二又ふたまた 健司けんじ
「俺は、八木やぎ です。あー広夢ひろむです」
 ものすごく、うざそうに自己紹介された。


「二又君は、まだ芳子と付き合っていて、八木君は、愛里の彼氏だよ。はい自己紹介」
 友枝さんが説明だが…… まだってなんだ?

 俺にマイクが来た。
「えーひょんな事で、竹澤さんと知りあいました。会うのはこれで二回目です」
 なぜか、女子の視線が集まる。

 おれが立ち上がると、丁度目の高さが股間になるからか……
 こいつら、どんだけ飢えているんだ? 彼氏が目の前にいるだろう。

 座ると横にいた沙弥香が文句を言う。
「沙弥香って呼んでください」
「うー。判ったよ」
 そうして歌い始めたのだが、皆上手いな。

 ビブラートは普通、がなるし、フォールにしゃくり、グインまで……
 アベレージが九五点前後。

 おれは、八二点。ものすごい場違いなんですが……

 そうして、手数は少なく適当に流していると、男どもの目が、沙弥香を追いかける。

 そして女の子二人が、二又君を見ている。
「なあ、二又君は真理ちゃんと付き合っていたのか?」
「ええ? 聞いてないよ」
 沙弥香は知らないようだが、なんとなく距離感とか怪しい。
 友人でも体に触れると反応をするものだが、二又君だと触られるのが普通のような……

 そうこの時には、俺もまだ知らなかった関係。

 そうして、第一回カラオケ交流会は終了をした。

 その後、あいつの友人三人から、頻繁にメッセージがくる。
 それも写真付きで……
 どうやら、情報が共有されて、エッチ写真を付けるとレスが早いと嘘? が拡散されたようだ。

「こいつら彼氏持ちだろ。良いのか?」
 ちょっと遅れると、段々と写メが過激になってくる。
 こっちはおもしろいから良いけれど、一学年違うだけで最近はこれが普通なのかと思ってしまう。

 さて、女子が女子なら男どもも猿だった。

「驚いたなぁ」
「ああ。沙弥香だろ。あんなにかわいいとは思わなかったぜ」
「いつもボロい服で髪の毛もボサボサ。ホームレスかよっていう感じで、愛里の連れだって言うんで、来てもしゃあねえって言う感じだったけどな」
「シャア姉って何だ? なんか流行か?」
「しゃあねえだ。仕方がないだよ。変なところに食いつくなよ」
 彼等はガンダムをたしなむようだ。
 良い趣味だ。
 性格は糞だが……

「で、どうすんだ?」
「一人だと警戒されるかもなぁ。一緒にやるか」
「じゃあじゃんけんだ。負けた方はおさえておけ。写真でも撮ればずっと使えるだろ」
 こんな奴らで、彼女となっている女の子も強引にやったらなつかれた。
 まあ女の子達は、彼はきっと私が好きだから仕方が無いわね。
 魅力のある私が罪なの。
 などと勝手に盛り上がっていたようだが。

 二股をかけられた真理も、お遊びなどでは無く、私がかわいいからなどと、心の中ではそう思い、親友の彼を盗っちゃいそう。私って罪な女などと考えていた。

 皆、自分が魅力的だと思っている様だ。

 まさに根拠の無い自信。

 さて、そんな彼等。
 授業終わりに今日は用事があるなどと言って、彼女達に連絡。
 沙弥香へ、皆で今日は軽く飲むよとメッセージを送る。

 俺の元へも沙弥香からメッセージ。
「聞いてないぞ」
「えっほんと?」
「嘘だと思うなら思うが良い。信じられない相手となど、お前も付き合えるわけもないだろう。さよならだ」
「いえ。思ってないから。ごめんなさい。時間がないから、とりあえず行って見る。皆にもメッセージを送って聞いてみる」

 それで行くと野郎が二人。
「皆が来られなくなったから、とりあえず飲もうや。ドタキャンはキャンセル料百パーセントなんだよ」
 そう言われて、ポスンと座る。
 人数変更は、席のみ予約の場合は、変更可だと言われて……

 世間知らずは色々と尾を引き、二人からスマホをいじる暇も無いほど、話しかけられて飲まされる。
 そう、間をとるとか、断るのが出来ない。

 気がつけばいつも以上に飲まされた。

 そう、こいつらどさくさ紛れに、チューハイの中へ持参をしたドライジンを混ぜやがった。
 こいつは、一気に回る。

「ほら、沙弥香ちゃん帰るよ」
「うん……」
 彼等は、沙弥香を抱えながら、にやりと笑う。


 俺は俺で、帰り着いたメッセージが来ないことに気がついた。
 最近は毎日、帰り着くとメッセージを送ってきていたのが、まだ来ていない。
「もう九時だぞ?」
 普通に考えると、七時から開始なら、やっと飲み放題が終わるような時間。
 だが俺は、一連のやり取りで気にはなっていた。

 どうせ毎日エロ画像を送ってくる彼女達友人を、ひとまとめにしてチームを作りそれに対して、メッセージを送る。

「沙弥香から夕方に飲み会だと聞いたが、俺は聞いていない。まだやっているのか?」
「えっなんですかそれ? 健司は用事があるから会えないって」
「私も、広夢ちゃんから用事があるって」
「心当たりの場所は無いか? あいつら沙弥香を連れ込んだんじゃ」
 少しメッセージが止まる。

「広夢のアパートは狭いから、二又君のマンションかも」
「どこだ、場所を送れ」
「はい」
 こうして、俺は嫌な予感がして、走る。
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