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穂とめぐみと和音 はっぴいと?
第5話 事情と都合
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「あっ。撮ったわね。すっぴんなのに」
「じゃあ。今度バッチリ化粧で、更新しよう」
俺がそう言うと、むむむと悩んだあげく。
「むう。まあ良いわ」
そう返してくれた。
困ったな。話していて違和感がない。
「あらまあ。違和感がないわね。困ったわね深瀬君。ハイよ。ナポリタン食べてみて」
「ありがとうございます」
「深瀬君は、双子の兄弟とか居ない?」
お母さんが変なことを聞いてきた。
「居ませんね」
「残念ね」
「何の話?」
「うん? もちろん彼の話。和音。彼のこと好きでしょ」
平然と、お母さんが聞く。
「なっ。あーうん。他の人を知らないけれど。一緒に居て気楽というか。うん楽。すっぴんでも気にしなさそうだし」
そう言うとお母さんの眉間にしわが寄る。
「どこのばばあよ。まだ女にもなっていない奴が。女を捨てるんじゃないよ。あっいや、逆だ。まだおこちゃまなのか?」
「母さんひどい。娘に向かって言う言葉。それ」
そう言うと、お母さんはにやっと笑う。
「経験は大事。相手がお姉ちゃんだというのが、ちょっとね。激愛と巡恋歌とどっちかしら?」
そう言って、笑いながら離れていく。
「お母さんが、長渕さん好きなんだ」
「あーうん。お父さんの名前が、剛でさ。それが切っ掛けとか言っていたし。妹は純て言うの」
「もしかして子を、つける予定だった?」
「多分ね。私は、お母さんが付けて、和音になったんだと思うわ」
そう言ったまま、彼女は悩む。
「よし。決めた。深瀬君。付き合おう」
「えっ?」
「お姉ちゃんとは、まだ会ったばかり。私の方が歴史が長い」
「いや、それはそうだけど。ずっと和音のことが気になっていて、今朝だってそれで……」
じっと見てくる。彼女。
「それで何?」
どんどん近寄ってくるし、唇ケチャップで赤いし。
「君と間違えて、めぐみに声をかけた」
そう言うと固まる。
すると、涙が一筋落ちる。
「もっと早くに、声をかければよかった。気になっていたのに。大体深瀬君も軽過ぎよ。今日会ってなんで好きになっているの?」
「あーいや。さあ? 君という下地があって、話すと話しやすいし。そりゃ好きになるさ」
「なら、私でも良いじゃない」
そう言ってふくれっ面。
「それは、そうだけど。実際話をしやすいし。好きだし。でも、一歩進んだのはお姉さんの方だし」
「一歩進んだ? どこまでしたの?」
「いや買い物がてらの、デートだけどさ。むっ。ぷはっ」
「これで、私が勝った」
そう言って。チャップ味のキスをされた。
向こうから、おもしろそうに、お母さんと、妹の純ちゃんが見ているけど。
ああ、言い辛い。
「ごめん。キスはした」
「なんて、手の早い。じゃあ」
そこまで言いかけて、状態が分かったというか、思い出したようだ。
バッと後ろを見て、こちらに向き直る。
こそこそと聞いてくる。
「深瀬君。いや穂って、一人暮らし?」
「あーうん。そうだけど」
「同棲しよ。一緒に住もう。4畳半? 抱き合って眠って、ラーメンを二人ですすろう」
「それって、昭和の初め。たしか、かぐや姫とかの話だよね。『神田川』あれって三畳じゃなかったっけ?」
「何畳でも良いじゃない、料理できるし。エッチ付き。歌も歌える。どう?」
「どうって言うより、落ち着いて。かなりテンションが上がっているし。エッチ好きなの?」
「したことないから分からない。多分ちゃんと出来ると思うけど」
「あーまあ。うん。落ち着こう。しかしまいったなあ」
「何を他人事みたいに。大体私が好きだったんなら」
そこまで言って照れたようだ。
「好きなら、浮気せずに私にアタックしてきなさいよ。ちょっとおんなじような顔で優しかったからって。キスまでして。出会った日に。浮気者」
ブチブチと文句を言い出した。
「浮気者って、付き合っていなかったし、普段ちょっと挨拶と少し会話する位じゃない」
「そういえば、私、穂に生活費貰ってご飯食べた。扶養されている」
「投げ銭だよね。確かにあげたけど」
「むー。こうなったら、お姉ちゃんに会って、諦めて貰おう。大体地球上に同じ遺伝子が二人がおかしい。消えて貰っても良いはず」
「いや怖いし。向こうがお姉ちゃんなら、消えるのは自分じゃない?」
「いや、出た順番では計れない。あー。あー。あのね。きっと、私の方が穂のことを好きなはず」
最後の方は、真っ赤になって小声になり聞こえづらかったが、なんとなく分かった。
「あーまあ。ありがとう」
あれかな、対抗心で舞い上がっている感じかな。今日だけで、一生分の運を使い果たして、明日死ぬんじゃないだろうな。
「でもごめん。なんでそこまで、そんなに接点がなかったし、今までそんなリアクションはなかったよね」
すると彼女は、一気に水を飲み干し、語り始める。
「あのね。実は、一目惚れに近いというか、一目惚れで。でもさ、ずっといじめられていたからさ、臆病なのよ。怖いし。でも、声かけても嫌がらないし、よく目が合うし。生活費貰って、扶養して貰ったし。あの千円は額に入れてある」
「ほんとに?」
「嘘。でも感謝したの。あれが入ってから、ポツポツ千円が入るようになって」
「まあ、他の人が千円を入れていると、次の人も入れやすいよね」
「あっそうか、そうだよね。かしこい」
そう言うと、ため息を付く。
「あー。今朝まで両思い。なんか、曲が出来そう。うー、告白前に振られるなんて。やだよう」
そう言って駄々っ子のように机を揺らす。
「良し決めた」
そう宣言して、彼女が立ち上がる。
「じゃあ。今度バッチリ化粧で、更新しよう」
俺がそう言うと、むむむと悩んだあげく。
「むう。まあ良いわ」
そう返してくれた。
困ったな。話していて違和感がない。
「あらまあ。違和感がないわね。困ったわね深瀬君。ハイよ。ナポリタン食べてみて」
「ありがとうございます」
「深瀬君は、双子の兄弟とか居ない?」
お母さんが変なことを聞いてきた。
「居ませんね」
「残念ね」
「何の話?」
「うん? もちろん彼の話。和音。彼のこと好きでしょ」
平然と、お母さんが聞く。
「なっ。あーうん。他の人を知らないけれど。一緒に居て気楽というか。うん楽。すっぴんでも気にしなさそうだし」
そう言うとお母さんの眉間にしわが寄る。
「どこのばばあよ。まだ女にもなっていない奴が。女を捨てるんじゃないよ。あっいや、逆だ。まだおこちゃまなのか?」
「母さんひどい。娘に向かって言う言葉。それ」
そう言うと、お母さんはにやっと笑う。
「経験は大事。相手がお姉ちゃんだというのが、ちょっとね。激愛と巡恋歌とどっちかしら?」
そう言って、笑いながら離れていく。
「お母さんが、長渕さん好きなんだ」
「あーうん。お父さんの名前が、剛でさ。それが切っ掛けとか言っていたし。妹は純て言うの」
「もしかして子を、つける予定だった?」
「多分ね。私は、お母さんが付けて、和音になったんだと思うわ」
そう言ったまま、彼女は悩む。
「よし。決めた。深瀬君。付き合おう」
「えっ?」
「お姉ちゃんとは、まだ会ったばかり。私の方が歴史が長い」
「いや、それはそうだけど。ずっと和音のことが気になっていて、今朝だってそれで……」
じっと見てくる。彼女。
「それで何?」
どんどん近寄ってくるし、唇ケチャップで赤いし。
「君と間違えて、めぐみに声をかけた」
そう言うと固まる。
すると、涙が一筋落ちる。
「もっと早くに、声をかければよかった。気になっていたのに。大体深瀬君も軽過ぎよ。今日会ってなんで好きになっているの?」
「あーいや。さあ? 君という下地があって、話すと話しやすいし。そりゃ好きになるさ」
「なら、私でも良いじゃない」
そう言ってふくれっ面。
「それは、そうだけど。実際話をしやすいし。好きだし。でも、一歩進んだのはお姉さんの方だし」
「一歩進んだ? どこまでしたの?」
「いや買い物がてらの、デートだけどさ。むっ。ぷはっ」
「これで、私が勝った」
そう言って。チャップ味のキスをされた。
向こうから、おもしろそうに、お母さんと、妹の純ちゃんが見ているけど。
ああ、言い辛い。
「ごめん。キスはした」
「なんて、手の早い。じゃあ」
そこまで言いかけて、状態が分かったというか、思い出したようだ。
バッと後ろを見て、こちらに向き直る。
こそこそと聞いてくる。
「深瀬君。いや穂って、一人暮らし?」
「あーうん。そうだけど」
「同棲しよ。一緒に住もう。4畳半? 抱き合って眠って、ラーメンを二人ですすろう」
「それって、昭和の初め。たしか、かぐや姫とかの話だよね。『神田川』あれって三畳じゃなかったっけ?」
「何畳でも良いじゃない、料理できるし。エッチ付き。歌も歌える。どう?」
「どうって言うより、落ち着いて。かなりテンションが上がっているし。エッチ好きなの?」
「したことないから分からない。多分ちゃんと出来ると思うけど」
「あーまあ。うん。落ち着こう。しかしまいったなあ」
「何を他人事みたいに。大体私が好きだったんなら」
そこまで言って照れたようだ。
「好きなら、浮気せずに私にアタックしてきなさいよ。ちょっとおんなじような顔で優しかったからって。キスまでして。出会った日に。浮気者」
ブチブチと文句を言い出した。
「浮気者って、付き合っていなかったし、普段ちょっと挨拶と少し会話する位じゃない」
「そういえば、私、穂に生活費貰ってご飯食べた。扶養されている」
「投げ銭だよね。確かにあげたけど」
「むー。こうなったら、お姉ちゃんに会って、諦めて貰おう。大体地球上に同じ遺伝子が二人がおかしい。消えて貰っても良いはず」
「いや怖いし。向こうがお姉ちゃんなら、消えるのは自分じゃない?」
「いや、出た順番では計れない。あー。あー。あのね。きっと、私の方が穂のことを好きなはず」
最後の方は、真っ赤になって小声になり聞こえづらかったが、なんとなく分かった。
「あーまあ。ありがとう」
あれかな、対抗心で舞い上がっている感じかな。今日だけで、一生分の運を使い果たして、明日死ぬんじゃないだろうな。
「でもごめん。なんでそこまで、そんなに接点がなかったし、今までそんなリアクションはなかったよね」
すると彼女は、一気に水を飲み干し、語り始める。
「あのね。実は、一目惚れに近いというか、一目惚れで。でもさ、ずっといじめられていたからさ、臆病なのよ。怖いし。でも、声かけても嫌がらないし、よく目が合うし。生活費貰って、扶養して貰ったし。あの千円は額に入れてある」
「ほんとに?」
「嘘。でも感謝したの。あれが入ってから、ポツポツ千円が入るようになって」
「まあ、他の人が千円を入れていると、次の人も入れやすいよね」
「あっそうか、そうだよね。かしこい」
そう言うと、ため息を付く。
「あー。今朝まで両思い。なんか、曲が出来そう。うー、告白前に振られるなんて。やだよう」
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「良し決めた」
そう宣言して、彼女が立ち上がる。
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