泡沫の夢物語。-男と女の物語。短編集-

久遠 れんり

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二つの家族

第3話 夫婦秘話

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「まあそれで、年数が積み重なればそうなる」
「すごいですね」
 悠がそう言うと、あやのが突っ込む。

「そうそう、早く知りあって、私がそのお金を握っていたら、今頃楽勝よ」
 それを聞いて苦笑い。

 そんな横で、自分にとって非現実な話で、淳子はぐるぐるしている。

「それって普通なんですか?」
 思わず聞いてしまう。

「そうじゃないの、どの話か知らないけれど。玄人さんの商売も成り立っているし、恋愛も、駄目なら別れるし、それがなく高校生レベルのままの恋愛観で、結婚できた淳子さんは幸せじゃないの? その価値観が、足を引っ張っているようだけど」

 言われてグサッとくる。
 確かに、高校の時に憧れた恋愛。
 ただ仲の良い夫婦。

 だけど現実は、生活がある。

 リアルで、年収数千万などごく一部。
 知り合いだと、部長さんクラス。

 教授でも確か五十歳位でやっととか言っていたし、准教授なら九百万とか? 

 淳子は、その生活の中で、夢見たものと現実は違うことに気がつき、二十歳を過ぎて、夢を語っていた同級生を、馬鹿じゃないと卑下した記憶がある。

 だけど、そこまで。
 奥手で、まともに恋愛をしなかった自分は、旦那に自分の常識を押しつけていた? 他人に相談するまで追い込んで。

 今では、されることは受け入れている。
 最初は、大きく足を開くことも、見られることも、嫌だった。
 ましてや、舐められるなんて。
 知らなかった世界。

 だけど、このわずかな人数の中で、自分だけが知らない。
 ためらいのある行為。
 普通なの?

「あやのさんは、その……」
 そう言いかけて、旦那さんの裕介さんをちらっと見る。
「うん? 何、旦那としたいの?」
 斜め上の答え。

「いえ、違います」
「その、別の人とした…… その、男の人の……」
「ああ。気にしないよ。今してるなら別だけど。今時初めての相手を探すなら、高校生でも難しいんじゃない」
 聞きたいことと、ちょっと違う。

「あっいえ。その、ものを口で。なんて」
 目線が下にいって、あやのも気がつく。

「あっ、そっち。気にしない。逆にしてほしいから咥えるし。体調も慣れれば分かる。タンパクとミネラル補給。それにホルモンバランスの為にも良いとか? むろん、いきなり他人のは無理。あくまでも旦那のだし」
 衝撃の事実。

 確かに幾度かは、旦那に求められた。
 でも、口にするものではない。
 確かに自分がされて分かる。あのヌメヌメとした感覚は、口じゃないとできない。でも、知っている知識では排泄器官。

 禁忌感が半端ない。

 確かに自分も位置的には尿道を舐められている。
 でも出っ張っているし。

 気がつけば、カップの中身がなくなっている。

 自分で、継ぎ足す。
 ぐいっと飲む。

 丁度焼けた、ハムやベーコンの塩気が美味しい。

 二つの夫婦による、赤裸々な話題の中自分だけがと考え始める。

「まあ、できないというのを、無理強いをする気は無いよ」
 そう言って、悠が気を使ったのか、頭をなでてくる。
 なんだか安心をする。

 だが、それを見ていた、あやのがぶち込んでくる。
「だけど、それだと、奥まで飲み込んだときの快感は、一生知らないままね。もったいない」
「そうなの?」
 それを聞いた、裕介さんまで、素で聞いてしまう。

「そうなのよ。もうちょっと欲しいのに、ちょっと足りないの」
 それを聞いて、裕介さんは落ち込む。
「それは短いと」
「うん」
 完全に撃沈。

 津田家でも、不穏な空気が流れる。

「あっアスパラも、いけますよ」
 もぎゅもぎゅと、悠が、アスパラとベーコンを口に放り込み、咀嚼する。

 つい、淳子はみんなの口を、目で追ってしまう。
「はい」
 フォークに刺された、アスパラが目の前に来る。
「いるんじゃないの?」
 悠が差し出すアスパラをぱっくりと頂く。

 塩気がいい。
 
 子育てをしていると、おむつ替えの時、おしっこを顔にかけられることも多々ある。時に男の子の場合は、向いている方向によりあちらこちらに。

 子供のは、あーあ、やったわね。で済ます。
 旦那も一緒? この破天荒な、あやのさんも、旦那のだからと言っていたし。

 そんな心の中で試そうか? などと少し心構えができた頃。
 破天荒な、あやのさんは爆弾を落とす。

「そうね。裕介のなら、かわいいから練習に良いかもよ。淳子さん試す?」
「お前、いい加減酔っているだろ。それの俺のはそんなに粗品じゃない。多分普通だ」
 焦った、裕介だが暴露される。

「違うわよ。先生も生殖には問題ありませんが、とは言っていたけれど、こんなのよこんなの」
 見せたフォークの先には、焼こうとしたフランクフルトソーセージ。
 十三センチほどで直径二・五センチ程度の一般的な物。

 物だとすれば一周り小さい。
 有意差があるが、長さで十三センチメートルから十五センチメートル位。
 直径で、三センチメートルから、四センチメートルだったはずだ。
 人種により違うが、日本人ならそんな感じだったはず。

 スキレットの上に、ぽいっと投げられる。
 つい、悠は言ってしまう。
「それは流石に、一廻り小さいでしょう」
 横で、淳子も頷く。

 それを見て、裕介は愕然とする。
「えっ、ホントに?」
 自らばらしてしまう。
 場に、変な空気が流れる。

 確かどこかが出していた、生殖に関するリポートが、十二センチメートルが境界だった気がする。
 できないではなく、できにくいだったが。

「ほらあ。粗品よ粗品」
「じゃあ、高校の時に言われたのは、本当だったのか?」
 そこからトラウマが、語られた。
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