泡沫の夢物語。-男と女の物語。短編集-

久遠 れんり

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再婚ガチャ

第2話 マザコン?

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 そんなある日、お兄様が熱を出した。

「雪菜、学校から帰ったら我意くんの様子を見てあげて」
 朝、本人は逃げる気満々で、そんな事を仰る、お母様。

「ええっ? 部屋へ入ったら、蹴られそうじゃない」
「そんな事…… しないと思うわよ」
 にへらと愛想笑い。

「その間はなに?」
 そう聞くと、あわてて鞄を掴み、お母さんは走り出す。

「行ってきまーす」
 逃げられてしまった。


 冷蔵庫とか台所を見ると、昼とかは、すぐに食べられる物が用意してる。
 うどんとか、こっちは出汁っぽいから、ご飯を入れればおじやができるけど、あのお兄様は作れるのかしら?
 まあ子供じゃないし、良いか。

 私は気にしつつ、学校へ行く。

 雪菜は気がつかなかったようだが、我意も母親との離婚後は、父親との二人暮らし。
 仕事で遅くなる父親のために料理をして、簡単な物なら和洋中何でも作れる。
 元々は、母親のあの光景を見て以降、あの女が作るものが気持ち悪くて、これではだめだと勉強を始めた。

 元々凝り性な彼は、実験的に料理を極めて、ものによっては店並みの味を出すことができる。
 そう彼は、基本的に研究者向けの性格で、気になるものはとことん没頭をして極める癖がある。
 それは何に対しても……


 夕方、帰ってくると洗い物が片付けられて、食洗機の中身が増えていた。
 それを見て、きちんと食べた事と、一応生きていることを理解をする。
 部屋着に着替えて、お風呂掃除とかを済ませる。

 お母さんが帰ってくるのは、いつも午後七時過ぎくらい。
 それまでに、できることは済ませる。

「雪菜です。我意さん入りますよ」
 まだ名前呼び。
 一応ノックはして、熱があるとのことなので、スポーツ飲料水とコップを用意して、部屋へと入る。
 初めて入ったけれど、なんだろう……

 使いやすさとか、実を取った作りの部屋。
 机とか本棚。
 きっちりと整理されて、面白みの無い部屋。

 同じ年頃の、男子の部屋にはいるのはドキドキする。
 ベッドを見ると、こんもりお山ができている。出歩かず、きちんと寝ているようだ。

 静かに入り、ローテーブルの上にトレイを置く。

 覗き込むと、かわいい寝顔。だけど、顔が赤い。 
 そっと、額に手を当てる。
 うーん熱いわね。
「うーん…… ママっ」
 お兄さんの寝言。ママだって……

 非接触式だけど、熱を測ってみる。

 三十八・五度……
 高いわね。こう言うときは、えーとそうそう、熱冷まし……
 冷蔵庫に、私用の座薬がある。
 雪菜はそっと、台所へと薬を取りに行く。

 家族といえど、処方薬を他人に使うと薬機法や医師法などに抵触するため、法律違反となるのだが、雪菜は知らなかった。
 市販薬なら大丈夫。
 痛み止めで、解熱鎮痛消炎できる。

 そんな事よりも、彼に座薬を入れる。
 その時は、熱を下げなきゃという考えで、薬を一錠、冷蔵庫から出して持って上がる。だけど途中で、ふと私はとんでもない事に気がつく。

 あーえっ? これって座薬だよね……

 座薬というのは言うのは、お尻から入れるもの。
 少し表面を暖めると溶けるので、お尻に入れ、少し押し込んだままにすると入っていく。

 そう考えて…… まあ布団の中で、手だけ突っ込めば。
 対応策を考えて、部屋へ戻り実践。

 彼は仰向けで、お行儀良く寝ている。
 脱がすなら、丁度かな。

 うーん。お尻が引っかかる。
 ズボンだけ脱がせば、兄の愛用はトランクス。
 隙間からできないか……
 考えて、体位を変える。横向けに転がす。
 寝ている人は、意外と重い。

 あーもう。毛布を捲る。
 お尻だけだから。
 そう思いパジャマと、パンツを下げる。

 覗き込む。自分とは形が違うが、穴は一つ。
 間違えることはない。

 ちょっと手で握って、薬の表面を温める。
 兄様の体は、私から見て向こう側に回転をさせている。そう、左側に倒している。
 右足をなんとか軽く持ち上げて、右膝を曲げて片足立ちの形にする。

 よしこれで、押し込んで……
 なんで、力を入れて押し出すのよ。
 ええい。

 力を入れると、こんどはズボッと…… 私の指が第一関節までめり込んでしまった……
 お兄様のお尻に指が……

 流石に痛かったのか、体が動き始める。

「病人にナニをしている? これだから女は…… 一緒に暮らしていて性欲に走ったのか?」
 おにいさまが目覚め、こちらをじっと見る。

 当然もう指は抜けている。

 ただね、仰向けに向き直るから、見慣れないものが目の前に……

「まあ良いだろう、家の中に居れば便利だ」
 そんな事を言って、いきなり手を引かれる。

「えっ、あっちょっと、まっ……」
 えー、いきなりのファーストキス。
 躊躇なく奪われました。

 パニックです。
 ベッドの上に上半身が引っ張り込まれ、キスは続く。
 体が回転をして、上にのしかかられ、なんか胸とか直に触られて、声は口を塞がれているから出せない。

 口の中って、他の人のでかき混ぜられるとぞくぞくするのね。
 胸と、股間の敏感なところには、膝かなあぁ……
 器用に、刺激が加えられる。

 ええと自分でするのと違って、驚きを超えると快感が来始め、あっという間にいってしまった。
 こいつ反応で分かったようで、さらに過激に攻められる。
 なんて器用なの。
 なんっ箇所もっ…… 同時に、刺激が……

 その日、私は家族となった。
 多分。
 あれは、その気はなかったが、逃げられなかった。

 私の感情よりも、体がね。
 すぐ溺れちゃって……
 人間快楽には弱いわ。
 一応怒りながら、部屋へ来た目的と、キスもその後も初めてだったのに、どうしてくれる。きっちり文句を言っておいた。

 でもまあ、表面的には今までと同じ。


「あら、少しは仲良くなった?」
 外から見ると、同じじゃないらしい…… 気を付けよう。
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