僕は今夜、黒歴史を作ってやろうと思う。

アジャバ

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「あ」

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僕は今から、黒歴史を作ろうと思います。
それを、一人でも多くの書き手さんに聞いて欲しい。

社会人になって、一人前には仕事ができるようになって、そろそろ結婚を考える年になって、それなりの幸せが見えたと同時に、『これでいいんか』って疑問が浮かびました。
 
ほら、そりゃあ、不幸ではないわ。むしろ、恵まれなぎら生きてきた方だと思うけど、だから満足な人生ってわけでもない。残念ながら、まだ『何者か』になれちまう年齢で、まだ『退屈な循環が一番幸せなんだから』なんて渋柿のような台詞で悦に至れるほど可能性は絶たれちゃいない。

とは言え『いつまで夢見てんだよ』って声が突き刺さる年でもある。表向き、夢見る少年は死んでいなくてはならない年齢になった。でも、心の奥底で生き延びててもいいじゃねえか。

…と、そんな恥晒しな独り言も無名だから許される。誰も見てねえだろうから許される。でも、それでいいんか。大勢の前で笑われて大恥かく方が、一人部屋でぶつぶつ言ってるよりも健全じゃねえか。震えてこねえか。

僕は、今書いている物語『オーバー・ドーズ・ファンタジア!』の中でだけは子供のままであろうと思う。胸を張って子供心の真ん中を闊歩しようと思う。世界を変えるにはあまりに無力だから、自分で一つの世界を書いてしまえばいいんだって。

年と共に肥大化して抱え切れなくなった焦りと不安。夢を叶えた友達といつまでも『それなり』な自分…。色々な思いを文章に載せて書き綴ってる同士たち、名前も顔も知らねえけど、僕はちゃんと読んでます。小説の先にいる書き手たちの思いを感じて泣いちゃったりしてます。わかる、わかるぞって思ってます。

辛いよなあ、誰も読んでねえんだぜ。一生懸命にプロット立てて、台詞を考えて、時間かけて文字を並べても、結局、誰も読んでくれねえんだぜ。でも、作り主の自分だけは自分の物語を否定しない。自分だけでも愛してやろうって思う。

ひとまず僕は『オーバー・ドーズ・ファンタジア!』に夢の全部を載せてみます。こんな物語が書きてぇんだって。こんな物語を読んで欲しいんだって。

こんな長く書くつもりはなかった。結局、何が言いたかったかというと「書き手のみんな、頑張ろうぜ」ってこと。「笑われていこうぜ」ってこと。そんな感じです。

これがとりあえず始まりの「あ」。
この独り言が終わりの「ん」を迎えたときに、僕が『何者か』になれていることを願って。

2021.1.15
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