9 / 36
9 断崖の君
しおりを挟む
……いっそ、死んでしまおうか。
ふと、思いついたのです。
ここで私が死ねば、王家とデュッセル家の体面に泥を塗れるのではないか、と。
これは、実行すればきっと上手くいくでしょう。
遺書でもつければ完璧ですね。
常にゴシップに飢えている宮廷の皆様に、最高の話題を提供できます。
今さら、サミュエル殿下とシルティアの婚姻を壊すことはできないでしょう。
けれど私の命を対価に、デュッセル家を失脚に追い込めるかもしれません。
行き詰まった現状、それは魅力的なアイディアに思えました。
「――思いつくのが、遅いのですけどね」
大きな扉を前にし、私は嘆息と共にそう零します。
実行するなら、屋敷を出る前が最善でした。今は無理です。もう無理です。
だって、この扉の向こうに殿下がいらっしゃられるのですから。
そうです、ここはラングリフ殿下のお屋敷なのです。
デュッセル家のものよりもさらに立派な、今後の私の居場所となるお屋敷です。
そして、侍女長に案内されて到着したのが、この扉の前なのでした。
「殿下、リリエッタ様をお連れいたしました」
私を案内してくれた四十代ほどの侍女長が、扉をノックしてそう告げます。
「入ってくれ」
扉の向こうから、落ち着きのある声が返されます。
侍女長が扉を開けて、深々と一礼しました。
「失礼いたします」
当然、私も深く頭を下げます。
「殿下、こちらがリリエッタ様となります」
「ラングリフ殿下、ご機嫌麗しゅうございます。本日よりこちらでお世話になることとなりました、リリエッタ・ミラ・デュッセルと申します」
ガシャン。
――という、足音が聞こえました。……ガシャン?
「そうか、わかった。顔をあげてくれ」
「は、はい……」
今の音は何だろうと思いながら、私は言われた通りに顔をあげます。
広い部屋の真ん中に、銀色に煌めく全身甲冑が立っていました。
「…………ぇ?」
私は、固まってしまいます。
屋内だというのに、腰に立派な剣を差した、壮麗な装飾が施された甲冑でした。
頭から指先、爪先まで完全武装をしています。
え、あれ、え? わ、私、来るところを間違てしまったのでしょうか?
「――殿下?」
と、侍女長が、頬をヒクリとさせて呟きます。え、殿下!?
「どうした、マリセア?」
「その格好は、一体何事ですか?」
「ん? リリエッタは今日が初めてだろう? だから緊張していると思ってな」
緊張はしています。当然です。でも、それがどうして全身、甲冑……?
「まずはインパクトのある登場で肩の力を抜けるようにしてやろうと思ったんだが、ダメだったか……? 俺としては、かなり会心の出来だと思っているんだが」
「最初の対面でその格好で出てこられたら、感じるのは死の恐怖だけですよ」
「何ッ!?」
ガチャガチャと音を立てて、全身甲冑の人が激しい狼狽を見せます。
会話を聞く限りこの方が『断崖の君』――、ラングリフ殿下、なのですよね?
「とにかく、せめて兜くらいは脱いでください。屋内でフルフェイスとか……」
「むぅ……」
侍女長――、マリセアさんの呆れ声に不満げに呻いて、殿下は兜を脱ぎました。
すると、現れたのは黒髪黒目の、雄々しく精悍な顔立ちをした男性でした。
背丈はサミュエル殿下と同じほどで、武装もあって物々しい雰囲気です。
ただ、甲冑を帯びたその姿に違和感はありません。
むしろその立ち姿は洗練されていて、英雄という言葉を形にしたかのよう。
サミュエル殿下は周りから『金色の獅子』と呼ばれています。
それに対して、ラングリフ殿下は『黒き大鷲』のような印象の方でした。
そんなラングリフ殿下ですが、一言、呟かれました。
「……これは、滑ったか?」
「ええ、これ以上なく」
「これ以上なくか。相変わらずマリセアは容赦がないな」
近くにある机に兜を置いて、殿下は表情を変えることなく肩を落とします。
その際も、纏われている甲冑がいちいちガチャリと金属音を立てているのです。
この方が『断崖の君』?
武装していることもあり、見た目は確かに威圧感があります。
けれども、聞いていたお話とはイメージが違うような……。
他人に心を開くことのない、単身で断崖に立つ孤高なるお方、ですか……?
「――で、そちらが、例の」
ラングリフ殿下の黒い瞳が、今度は私に向けられます。
そのときにはもう、私の顔にはいつもの笑みが浮かんでいました。反射的に。
「リリエッタ・ミラ・デュッセルでございます」
殿下に対して、私は改めて御挨拶をしました。
サミュエル殿下にできなかったことを、ラングリフ殿下に行なったのです。
何を今さら、という想いが私の胸を深く衝きます。
この挨拶のやり方も、私を捨てたお父様から学んだことではありませんか。
今となっては、その記憶の全てが唾棄すべきもののはず。
なのに、私はこうして学んだことを学んだ通りに行なっています。愚かしくも。
本当に空っぽな自分。嫌気が差します。
今の私に残されているのは、『花の令嬢』としての笑顔の仮面だけで――、
「リリエッタ」
「はい、ラングリフ殿下。何でございましょうか?」
「もしや、何か不満などあったりするか? 俺は何かしてしまったかな?」
「……はい?」
急に、何を言われるのでしょうか。
私は意味が理解できず、殿下のお顔を見返しますが全く表情が読めません。
ラングリフ殿下はその端正なお顔をきつく引き締めておられます。
そこには、確かに威圧的なものが感じられました。
きっとこれも殿下が『断崖の君』と呼ばれる原因の一端だろうと思いました。
「いや、君のことは笑顔が美しい『花の令嬢』であると聞き及んでいたのだが」
「は、はい。ありがたき幸せに……」
「しかし、どうにも笑顔がぎこちないのでな。無理矢理作っている笑みのように思えてしまったのだ。だから、もしや俺がやらかしてしまったのか、とな……」
無理矢理、作っているような笑顔……?
「あの……」
「それでは、殿下。リリエッタ様をお連れ致しましたので、私はこれで」
「ああ、ご苦労だった。マリセア」
戸惑う私をよそに、殿下はマリセアさんを見送りました。
そして、広い部屋の中に、私と殿下だけが残される形となったのです。
「さて……」
「はい」
殿下が再びこちらへと視線を向けられます。
私は、変わらず笑顔を保ったまま、ラングリフ殿下の次の言葉を待ちます。
「あのな、リリエッタ」
「はい、殿下」
「俺は兄貴とは違って口が上手くない。政治やら、貴族の駆け引きやらにも疎い無骨なだけの男だ。だから礼を失していることは承知で言わせてもらうのだが」
「は、はい……」
殿下の鋭いまなざしが、私を射貫きます。
「そんなに笑いたくないなら、笑うのをやめたらどうなんだ?」
「…………」
私は、何も返すことができませんでした。
殿下のお言葉に、心の奥の最も深い部分を突き刺されてしまったからです。
ふと、思いついたのです。
ここで私が死ねば、王家とデュッセル家の体面に泥を塗れるのではないか、と。
これは、実行すればきっと上手くいくでしょう。
遺書でもつければ完璧ですね。
常にゴシップに飢えている宮廷の皆様に、最高の話題を提供できます。
今さら、サミュエル殿下とシルティアの婚姻を壊すことはできないでしょう。
けれど私の命を対価に、デュッセル家を失脚に追い込めるかもしれません。
行き詰まった現状、それは魅力的なアイディアに思えました。
「――思いつくのが、遅いのですけどね」
大きな扉を前にし、私は嘆息と共にそう零します。
実行するなら、屋敷を出る前が最善でした。今は無理です。もう無理です。
だって、この扉の向こうに殿下がいらっしゃられるのですから。
そうです、ここはラングリフ殿下のお屋敷なのです。
デュッセル家のものよりもさらに立派な、今後の私の居場所となるお屋敷です。
そして、侍女長に案内されて到着したのが、この扉の前なのでした。
「殿下、リリエッタ様をお連れいたしました」
私を案内してくれた四十代ほどの侍女長が、扉をノックしてそう告げます。
「入ってくれ」
扉の向こうから、落ち着きのある声が返されます。
侍女長が扉を開けて、深々と一礼しました。
「失礼いたします」
当然、私も深く頭を下げます。
「殿下、こちらがリリエッタ様となります」
「ラングリフ殿下、ご機嫌麗しゅうございます。本日よりこちらでお世話になることとなりました、リリエッタ・ミラ・デュッセルと申します」
ガシャン。
――という、足音が聞こえました。……ガシャン?
「そうか、わかった。顔をあげてくれ」
「は、はい……」
今の音は何だろうと思いながら、私は言われた通りに顔をあげます。
広い部屋の真ん中に、銀色に煌めく全身甲冑が立っていました。
「…………ぇ?」
私は、固まってしまいます。
屋内だというのに、腰に立派な剣を差した、壮麗な装飾が施された甲冑でした。
頭から指先、爪先まで完全武装をしています。
え、あれ、え? わ、私、来るところを間違てしまったのでしょうか?
「――殿下?」
と、侍女長が、頬をヒクリとさせて呟きます。え、殿下!?
「どうした、マリセア?」
「その格好は、一体何事ですか?」
「ん? リリエッタは今日が初めてだろう? だから緊張していると思ってな」
緊張はしています。当然です。でも、それがどうして全身、甲冑……?
「まずはインパクトのある登場で肩の力を抜けるようにしてやろうと思ったんだが、ダメだったか……? 俺としては、かなり会心の出来だと思っているんだが」
「最初の対面でその格好で出てこられたら、感じるのは死の恐怖だけですよ」
「何ッ!?」
ガチャガチャと音を立てて、全身甲冑の人が激しい狼狽を見せます。
会話を聞く限りこの方が『断崖の君』――、ラングリフ殿下、なのですよね?
「とにかく、せめて兜くらいは脱いでください。屋内でフルフェイスとか……」
「むぅ……」
侍女長――、マリセアさんの呆れ声に不満げに呻いて、殿下は兜を脱ぎました。
すると、現れたのは黒髪黒目の、雄々しく精悍な顔立ちをした男性でした。
背丈はサミュエル殿下と同じほどで、武装もあって物々しい雰囲気です。
ただ、甲冑を帯びたその姿に違和感はありません。
むしろその立ち姿は洗練されていて、英雄という言葉を形にしたかのよう。
サミュエル殿下は周りから『金色の獅子』と呼ばれています。
それに対して、ラングリフ殿下は『黒き大鷲』のような印象の方でした。
そんなラングリフ殿下ですが、一言、呟かれました。
「……これは、滑ったか?」
「ええ、これ以上なく」
「これ以上なくか。相変わらずマリセアは容赦がないな」
近くにある机に兜を置いて、殿下は表情を変えることなく肩を落とします。
その際も、纏われている甲冑がいちいちガチャリと金属音を立てているのです。
この方が『断崖の君』?
武装していることもあり、見た目は確かに威圧感があります。
けれども、聞いていたお話とはイメージが違うような……。
他人に心を開くことのない、単身で断崖に立つ孤高なるお方、ですか……?
「――で、そちらが、例の」
ラングリフ殿下の黒い瞳が、今度は私に向けられます。
そのときにはもう、私の顔にはいつもの笑みが浮かんでいました。反射的に。
「リリエッタ・ミラ・デュッセルでございます」
殿下に対して、私は改めて御挨拶をしました。
サミュエル殿下にできなかったことを、ラングリフ殿下に行なったのです。
何を今さら、という想いが私の胸を深く衝きます。
この挨拶のやり方も、私を捨てたお父様から学んだことではありませんか。
今となっては、その記憶の全てが唾棄すべきもののはず。
なのに、私はこうして学んだことを学んだ通りに行なっています。愚かしくも。
本当に空っぽな自分。嫌気が差します。
今の私に残されているのは、『花の令嬢』としての笑顔の仮面だけで――、
「リリエッタ」
「はい、ラングリフ殿下。何でございましょうか?」
「もしや、何か不満などあったりするか? 俺は何かしてしまったかな?」
「……はい?」
急に、何を言われるのでしょうか。
私は意味が理解できず、殿下のお顔を見返しますが全く表情が読めません。
ラングリフ殿下はその端正なお顔をきつく引き締めておられます。
そこには、確かに威圧的なものが感じられました。
きっとこれも殿下が『断崖の君』と呼ばれる原因の一端だろうと思いました。
「いや、君のことは笑顔が美しい『花の令嬢』であると聞き及んでいたのだが」
「は、はい。ありがたき幸せに……」
「しかし、どうにも笑顔がぎこちないのでな。無理矢理作っている笑みのように思えてしまったのだ。だから、もしや俺がやらかしてしまったのか、とな……」
無理矢理、作っているような笑顔……?
「あの……」
「それでは、殿下。リリエッタ様をお連れ致しましたので、私はこれで」
「ああ、ご苦労だった。マリセア」
戸惑う私をよそに、殿下はマリセアさんを見送りました。
そして、広い部屋の中に、私と殿下だけが残される形となったのです。
「さて……」
「はい」
殿下が再びこちらへと視線を向けられます。
私は、変わらず笑顔を保ったまま、ラングリフ殿下の次の言葉を待ちます。
「あのな、リリエッタ」
「はい、殿下」
「俺は兄貴とは違って口が上手くない。政治やら、貴族の駆け引きやらにも疎い無骨なだけの男だ。だから礼を失していることは承知で言わせてもらうのだが」
「は、はい……」
殿下の鋭いまなざしが、私を射貫きます。
「そんなに笑いたくないなら、笑うのをやめたらどうなんだ?」
「…………」
私は、何も返すことができませんでした。
殿下のお言葉に、心の奥の最も深い部分を突き刺されてしまったからです。
2
あなたにおすすめの小説
私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません
藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は
愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。
夫が愛人を持つことも、
その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。
けれど――
跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。
その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。
私は悟ったのだ。
この家では、息子を守れないと。
元々、実家との間には
「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。
ならば話は簡単だ。
役目を終えた私は、離縁を選ぶ。
息子と共に、この家を去るだけ。
後悔しているようですが――
もう、私の知るところではありません。
【完結】他の人が好きな人を好きになる姉に愛する夫を奪われてしまいました。
山葵
恋愛
私の愛する旦那様。私は貴方と結婚して幸せでした。
姉は「協力するよ!」と言いながら友達や私の好きな人に近づき「彼、私の事を好きだって!私も話しているうちに好きになっちゃったかも♡」と言うのです。
そんな姉が離縁され実家に戻ってきました。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
姉のものを欲しがる性悪な妹に、墓穴を掘らせてみることにした
柚木ゆず
恋愛
僕の婚約者であるロゼの家族は、困った人ばかりだった。
異母妹のアメリはロゼの物を欲しがって平然と奪い取り、継母ベルは実子だけを甘やかす。父親であるトムはベルに夢中で、そのためアメリの味方ばかりする。
――そんな人達でも、家族ですので――。
それでもロゼは我慢していたのだけれど、その日、アメリ達は一線を越えてしまった。
「マエル様を欲しくなったの。お姉様の婚約者を頂戴」
「邪魔をすれば、ここにあるユリのアクセサリーを壊すわよ?」
アメリとベルは自分達の都合でこの婚約を解消させようとして、ロゼが拒否をしたら亡き母の形見を使って脅迫を始めたらしいのだ。
僕に迷惑をかけようとしたことと、形見を取り上げられたこと。それによってロゼはついに怒り、僕が我慢している理由もなくなった。
だからこれから、君達にこれまでのお礼をすることにしたんだ。アメリ、ベル、そしてトム。どうぞお楽しみに。
【完結】見えてますよ!
ユユ
恋愛
“何故”
私の婚約者が彼だと分かると、第一声はソレだった。
美少女でもなければ醜くもなく。
優秀でもなければ出来損ないでもなく。
高貴でも無ければ下位貴族でもない。
富豪でなければ貧乏でもない。
中の中。
自己主張も存在感もない私は貴族達の中では透明人間のようだった。
唯一認識されるのは婚約者と社交に出る時。
そしてあの言葉が聞こえてくる。
見目麗しく優秀な彼の横に並ぶ私を蔑む令嬢達。
私はずっと願っていた。彼に婚約を解消して欲しいと。
ある日いき過ぎた嫌がらせがきっかけで、見えるようになる。
★注意★
・閑話にはR18要素を含みます。
読まなくても大丈夫です。
・作り話です。
・合わない方はご退出願います。
・完結しています。
【完結】あなたのいない世界、うふふ。
やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。
しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。
とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。
===========
感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる