世界は万華鏡でできている

兎杜唯人

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同じようで違う立ち位置。 5

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荷物が増えた、とリューイはエレベーターに乗りながら思った。
結局都市に戻ってから大型の本屋に向かい本や図鑑を購入し、玩具や新しいドリル、人形を買った。
大きな紙袋を抱えながら、同じように紙袋や鞄をもって立つ姿を盗み見た。

「ウィル、ありがとー」
「気にするな。この後がお前は大変だろう」
「うん」

そろそろ着く。変な緊張があった。
扉が開く。ただいま、と声をかければすぐに大きな足音が聞こえてレックスとシルバが顔を出した。
二人はリューイを見れば瞳に涙を浮かばせ飛び付いてくる。
落としそうになった紙袋はウィリディスが受け取り先に奥のリビングへと向かう。
リューイは二人を抱き締めつつあとからやってきたクラルスをみて微笑んだ。

「リューちゃん、おかえりなさい!」
「リュー兄、寂しかった」
「ごめんな、みんな…いきなりいなくなって」

膝をついてクラルスを抱き上げほか二人も見つめた。順番に頭を撫でれば泣く声はさらに大きくなる。
少し眉を下げて心配をかけてしまったことを恥じる。
強く三人を抱き締めてあやした。

「本当にごめんな…こんなに心配させて泣かせるなんて最低だな」
「リューちゃんは悪くない!」
「りゅーちゃ…」

ぎゅう、と小さな手がリューイにしがみつく。
小さくしゃくりあげるクラルスを撫でリューイは息を深く吐き出した。
ごめん、とまたつぶやく。

「リュー兄、元気でた?大丈夫?」
「うん、もう元気だよ。みんなの声聞いてたら会いたくて仕方なかった。俺にとってみんなが元気のもとだったんだな」
「俺たちもリューちゃんが元気のもとなんだよ」
「そっか。うれしい」

強く三人を抱きしめてリューイは微笑んだ。顔を摺り寄せてくるのがたまらなく愛しい。
涙を拭いてやればようやく体が離れた。腕にクラルスを抱いたまま立ち上がる。

「…フィーディスは?」
「フィーちゃんならリューちゃんが戻ってくるって知って閉じこもっちゃったの。だから俺たち今日はピータさんと下にいたんだ」
「わかった。俺、会ってこないといけないからみんなはせんせーのところにいて?お土産あるから広げていいし」
「…喧嘩するの?」
「仲直りしてくるの」

不安そうに見つめてくる瞳に笑いかけた。

「あんまり心配しすぎるとみんなのお土産俺がもらっちゃうぞ」
「それはやだ!」

レックスがリューイからクラルスを受け取り三人でリビングへと向かって行く。
残ったリューイは深呼吸をすると上のフロアへと向かって行く。
上のリビングには見当たらない。ということは寝室だろうか。
少し緊張気味に寝室の前に立った。ノックをしようか、勝手に開けてしまおうか。
悩んだ末に声をかけず静かに開けることにした。
少し開けた隙間から寝室の中を覗いた。ベッドが盛り上がっているのが見える。フィーディスはどうやらこもっているらしい。

「…フィーディス」

ベッドに近づいて名前を呼べばこんもりとした毛布の中が動いた。
ベッドの端に腰かけて山に手を伸ばす。それに触れれば大きく中が動く。

「…ただいま、フィーディス。顔、見せて」
「いやだ…リュー、怒ってるでしょ」
「当たり前だろ、俺にあんなことしておいて。それでそこにこもってればいいと思ってるのか」

少し厳しく告げた。手を置いていた山が動きフィーディスが顔を覗かせる。
目があえば、その瞳が充血していることに気が付いた。泣いていたのだろうか、珍しい。

「…出ておいで、フィーディス。ちゃんとお土産買ってきたよ」
「…やだ」
「…出てこないならフィーディスが謝っても俺は許してやらないから。口もきいてやらない」

ふんとそっぽを向けばがばっと起き上がる音がして服をつかまれた。
顔をそちらに向ければまた泣きそうな顔をしているフィーディスがいた。
その顔を見たら怒っていた気持ちがどこかへと吹き飛んでしまった。どうしてフィーディスがあんなことをしたのかいまだにわからない。それでもフィーディスは彼なりに後悔したのかもしれない。
リューイはフィーディスに向き直った。

「フィーディス、俺に言うことがあるだろう?」
「ごめんなさい…」
「どうしてあんなことした?俺は…」
「リューにとって俺は家族だけど…俺にとってリューは違うんだ…大事で、大好きで、だれよりも幸せになってほしい、大切な…」

フィーディスは言葉を切った。
リューイはそっとその先を促す。

「リューが、大好きだよ…家族の好きじゃない。将来を、考えるぐらいの"好き"なんだ」

リューイの目が大きくなった。予想だにしていないことだ。
リューイは何か言わねばと言葉を探す。そうこうしているうちにフィーディスのほうから腕が伸びてきてリューイは抱きしめられた。

「リューが、俺をそういう相手としてみてくれてないのはわかってるんだ。でも、俺の気持ちは止められないし無くせない。だから、リューにちゃんと恋の相手としてみてもらえるように頑張るよ…今度抱くとしたら、リューに気持ちよくなってもらえるように頑張るから」

耳元でささやかれた言葉に二の句が継げない。フィーディスは抱きしめていた腕を放せば泣きそうになりながら笑っていた。

「だから、リュー…あの先生だけじゃなくて、俺もちゃんと見てね」
「なに言って…」

フィーディスとリューイの唇が重なった。突き放すことができず触れるだけの口づけのあと間近でフィーディスの瞳を見つめた。
体の奥で警鐘が鳴る。ズクン、と腹部で何かがうごめくような気がした。

「今は何もしない。でも、隙あれば俺はもう我慢しないことに決めた。ねぇ、リュー…あの先生より、俺のほうがリューを大事にできるよ」
「俺は別に…」
「嘘ばっかり。こんなに濃い匂いさせて、何もなかったわけじゃないでしょ」

リューイの耳元を嗅ぐ。リューイにはわからないのだろうか。
あのαの匂いが強く香っている。まるで俺のものだと言わんばかりに強いそれは周囲のαへのけん制でもあるのだろう。
触れられたくないのだろうか。彼もリューイを好いているのだろうか。

「…リュー…抱きたい。リューが嫌がるから我慢するけど、すごく抱きたい…」
「フィーディス…やだってば」
「リューには嫌われたくない。だから堪える」

フィーディスは体を離した。
リューイの髪を優しく撫で眉を下げて見つめる。
リューイにわかってもらうにはまだ時間がかかりそうである。

「リュー、俺へのお土産なに」
「…買ってあるけど渡してやんない」

そっぽをむいたリューイはベッドを降りてさっさと下のフロアに向かってしまう。
取り残されたフィーディスは先ほどまであった腕の温もりに想いを馳せた。
今はこれでいい。無理矢理自分を刻み付けて傷つけたいわけではないのだ。フィーディスはリューイを追って下のフロアに向かった。
レックスやシルバはたくさんの本や玩具に興奮ぎみである。楽しそうにはしゃいで互いに本を選んでいた。
クラルスは座った姿の白い犬のぬいぐるみと向き合って動かない。青い目の犬は垂れた耳が愛らしい。
ウィリディスはピータとともに冷蔵庫に食材を詰めていた。

「クラルス、犬いやだった?」
「りゅーちゃ…いぬ」
「うん、犬。クラルス、犬が出てくる本をずっと読んでるからこれがいいかなって。寂しくないだろ?」

クラルスはぬいぐるみに手を伸ばす。ふわ、と毛が触れれば目を丸くして手を引っ込めてしまう。
リューイがぬいぐるみを手にすれば軽く左右に振ってみた。はじめて見るそれにクラルスの目は釘付けである。

「だっこしてごらん。クラルスに抱っこされたらこいつも喜ぶよ」

ゆっくりとクラルスの手が伸びる。ぬいぐるみに触れれば今度は腕に抱いてやはりまじまじと見ている。
しばらくすればクラルスは胸元に犬のぬいぐるみを寄せて抱き締めた。その顔は緩んでいる。

「いぬ、ふわふわ?」
「うん、ふわふわ。名前あげたほうがいいかなぁ」

リューイが悩んでいればクラルスは、わん、と鳴き真似をした。
嬉しそうにぬいぐるみを抱き締めている。気に入ってくれたようである。
その様子を見つめればこちらも顔が緩む。クラルスとぬいぐるみは最強コンビではないだろうか。

「りゅーちゃ、いぬ、かわい」

たどたどしいながらもクラルスは言葉を発する。
明らかに本を読み出した影響だろうか。リューイは手を握りしめた。このまま本を読み、少しずつ知識を蓄えれば同じ年頃の子供と差はなくなるだろう。

「レックス、シルバ、おいで。フィーディスも」

本をめくっていたレックス、ドリルを眺めていたシルバ、遠巻きに四人を見つめていたフィーディスは呼ばれればリューイのそばにくる。
リューイは緊張していた。膝にクラルスを座らせ頭を撫でながら口を開く。

「…ウィル…せんせーが、俺たちに新しい家族を見つけてくれるんだって」
「新しい家族?」
「うん。新しいお父さんとお母さん。クラルスはわかんないかもしれないけど、シルバとレックスはわかる?」

シルバとレックスは顔を見合わせた。わからないわけではない。
お母さんは自分達を生んだ人だ。お父さんは生みはしないけれど関わりのある人のはず。
だが、二人に親の記憶はない。気づけばひとりぼっちだった。

「…俺たちを、家族に迎えてくれる人たちを見つけてくれる。その人たちとみんなが仲良くなれそうなら一緒に暮らすんだ」
「リュー兄とみんなと一緒に?」
「…少なくとも俺は別。四人一気ってのもないかもね。でも会えなくなる訳じゃない」

レックスとシルバの顔が固くなる。
クラルスはリューイと二人の顔を交互に見つめた。

「このままでもいい、と思ってた。でも、楽しそうに本を読む姿を見てこのままじゃだめだと思った。みんな、まだどんどん学んでいける」
「やだ」
「レックス…」
「みんな一緒じゃなきゃやだ!リュー兄だけ別はやだ!」
「俺もいやだ…一緒がいい」

シルバとレックスにみるみる涙がたまる。
困ったようにリューイはウィリディスをみた。だが、ウィリディスは首をふり、なにもいわなかった。
リューイは泣き出した二人の涙を拭いつつクラルスごと抱き締める。
彼らが悪い訳ではないし、自分も同じようにそばにいたいのだ。

「寂しいもんな…でもどこにいても、何をしていても、クラルス、レックス、シルバ、フィーディス…みんな、俺の大事な家族だ」
「りゅーちゃ?」
「だけど、新しい家族のところにいったら、もっといろんなことができる。今よりももっとたくさんの本を読めるし新しいことをたくさん知れる。いろんなものに触れて、たくさん愛情もらえる。そんな幸せなことはほかにないぞ?」
「また一人になっちゃうの?いやだ」
「ならない。次は絶対に。俺がせんせーに頼む。みんなが一人立ちできるときまで、絶対にひとりぼっちにさせない家族にしてくれって」

ウィリディスはピータとともに話を聞いていた。
彼らを見ているとリューイがどれだけ心を傾けてきたのかがわかる。
彼と同じかそれ以上に子供たちを愛してくれる家族を見つけねばなるまい。
ハードルが上がってしまったなとウィリディスは思った。

「大丈夫、どこにいたって俺はみんなの家族だ。大好きなことも変わらないから」
「ほんと…?」
「俺が嘘ついたことある?」
「ない」
「だろ?それに今すぐってわけじゃない。せんせーがしっかり選んでくれるからまだ少し時間はあるよ。その間に俺たちでたくさん思い出作ろうな」

いい子たちですね、とピータがつぶやいた。それにうなずきを返す。

「何をどうしたらあんないい子供たちが育つのでしょう…」
「俺も不思議でならない。だが、あの子たちへの想いを無駄にするわけにはいかないからな…養子先を探すのは骨が折れそうだ」
「そうはいっても旦那様、あの子たちが愛しいようですね」
「そう見えるか」
「えぇ」

ピータは笑顔でうなずいた。少し照れ臭くなる。
こほん、と咳払いをすればキッチンを出た。リューイに抱き着いていたレックスが先に顔をあげてこちらに近寄ってきた。
足を止めれば抱き着かれた。突然のことに頭が真っ白になった。続いてシルバも抱き着いてきた。
一体何が起きたのだろうか。救いを求めるようにリューイへと視線をやればリューイが腕に抱いているクラルスもこちらに向けて腕を伸ばしているではないか。
リューイは楽し気に笑うと近寄ってきてウィリディスの腕にクラルスを抱かせた。

「せんせ、お似合いだよ」
「…どうしたんだ、お前たちは」
「ありがとう、先生…本もお土産もいっぱいありがとう」
「すっごくうれしい。ありがとう」
「せーせ、いぬありあとー」

少し目を丸くして三人を見た。
三人とも笑顔を向けてくる。こういうときどうしたらいいのかわからない。再びリューイへ視線をやるものの彼はフィーディスと絵本を広げている。こちらの様子にはまったくもって気づかないふりをしている。
少し悩んだ末に彼らを順番に撫でた。これであっているのかはわからない。しかし嬉しそうに笑われてしまえばこれであっていたのだと安心もした。

「お勉強がんばるね」
「あぁ」
「いっぱい本読むね」
「あぁ」

一つ一つの言葉に返答すれば満足したのか体は離れていく。
シルバにクラルスの体を預けた。

「夜はピータが作ってくれるそうだから手伝うように」
「はーい」

元気な返事を返されればリューイはどうしたかと顔を上げた。
フィーディスと肩を並べているのに変わりはない。胸がもやもやとする。
声をかけようかと思ったものの口を閉ざして自室へと向かう。数日ぶりに入る自室の換気を行ってベッドに倒れこんだ。
先ほどリューイに寄り添っていたフィーディスの横顔が思い出される。リューイを見つめるあの瞳には隠し切れない想いがうつっていた。

「…それがいい…あいつにリューイがこたえてやれば、それで全部丸く収まる…」

自分が思い悩む必要などないのだ。
ウィリディスは考えないようにした。明日からはまた普通に研究室に向かう。その間リューイはほかの子供とともにここで本を読んで勉強するのだろう。
ベッドから起き上がり端末を取り出してアカテスに連絡を入れた。数回のコールのあとアカテスが出る。
養子の件について話をした。

『ふむ…なるべく早いほうがいいんだね。お前からもらった候補の一家についての情報はある程度集まっているからそう難しいことではないよ。それとなくいろいろと探りもいれている。どの家も自分の子供ではないからと言ってむげにすることはないだろう。うちの養子になってから、だしね…』
「…ただ、リューイとの別れの時間も欲しいことは確かなんだ。すぐにでは、あまりにも心の準備ができない」
『優しいね、息子くんは』

そんな言葉を言われてしまうがそうではないと否定した。
ただ、リューイのためなのだ。断じて子供たちのためではない。彼らと別れて誰かの番になるリューイがその後を健やかに過ごせるようにたくさんの思い出を与えてやりたいのだ。
そんな気持ちを知ってか知らずか、アカテスは笑いながら告げた。

『そうだね、ならば二か月後に顔合わせでもしようか。どんな人たちなのかは資料を送っておこう。お兄ちゃんのデータベースにもきちんとしたのがあったからね』
「すまない…」
『頼ってくれてうれしいよ。お前の研究が多くの命を救うかもしれないものだけど、私たちは手伝えないからね。こういう時にでも存分に親の力を使うといい』

アカテスとの通話を終えた。
賑やかな笑い声が聞こえる。ウィリディス自身いつのまにか彼らのいる空間が当たり前になっていた。
散らかった玩具も絵本も見慣れていた。

「ウィル、ごはんだよ」

戸をノックし、リューイが顔を出す。
近づきこちらを見つめる目と視線をあわせた。

「…しばらくは研究が忙しい…だから」

顔を寄せ一度だけキスをした。
リューイは目を丸くしてこちらを見つめる。
驚きに染まる顔は続けて赤くなる。満足だった。
リューイの頭を撫でリビングへと向かう。お土産にしたチーズを早速使ったらしい。野菜とともに切り分けたパンが並ぶ。

「先生、今日はチーズフォンデュだよ」
「たくさん食べようね」

喜びを体全部で表す子供達をみて、一足遅れてきたリューイを振り向く。
少し不満そうな顔をする様に笑った。
リューイがいると心が穏やかになる。リューイがいなくなったら、と考えると心が冷える。
ウィリディスは子供達のおしゃべりに耳を傾けて考えないようにした。
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