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16、手紙

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エリはとうとう両親とも亡くしてしまったのであった。
初七日が済むとエリは学園に戻った。正治は引き続き学生生活をエリに勧めたが、エリの気持ちは既にかたまっていた。荷物をまとめると皆に別れを告げ、故郷のみかん畑へ帰ることにした。

祖母の智子がみかん畑の手入れを始めようやく普通の生活に戻れそうとエリが安心しかけた頃、田倉果樹園に一通の手紙が届いた。学園から和歌山に転送されて来たのであった。エリは差出人を見ると急いで封を切り手紙を読んだ。読み進めるとエリの目から涙が次から次へと頬を伝って落ちていく。しばらくの間手紙を握りしめて泣いていたエリがやおら立ち上がった。
電話の所へ行きどこかへ電話を入れた後、手紙を握ったままエリは和歌山の家を後にした。
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