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第六話 最高ランククエスト その2「勇者一行、この物語で最も哀れな男と出会う」
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クエスト受注の日は偶然ながらも、タナカが最初にガルガレオスに侵入し、ムテ騎士団と初対面となった日である。
それからちょうど6日目の朝、ガルガレオスでの雑務に慣れ始めたタナカはパンツを作っていた。
パン作ってたわけでも、パンツ食ってたわけでもなく、パンツ作っていた。
「タナカ、パンツ食ってるか?」
デーツが裁縫室で作業するタナカを訪ねに来た。
「パンツ作ってまーす。ていうかなんでパンツ? しかもサイズ指定で三枚も」
「急げよ。ああ、でももうこんな時間か。
仕方がない。ここで一旦中止だ。正直、パンツはないならないでいいからな」
「ええ!?」
「いや必要っちゃ必要なんだが、優先事項的な問題でな。とにかく来い!」
「でも、残りの一枚は仮縫いの段階だし」
「いいから来い!」
デーツはタナカを正面玄関まで連れていく。
「何をそんな慌てて」
「客が来るのだが、すっかり忘れていた! 忙しかったのもあるが、うっかりしていた・・・・・ああもう年はとりたくないものだな!」
「ふふっ」
普段見せない慌てようにタナカは少し笑ったが、加齢を笑ったように思われたのか、軽く殴られる。
「いたっ! そんなに慌てるならバーベラにでも頼めば?」
「あいつも今準備中なんだ。とにかくこれ持って」
デーツからバケツを渡される。
「掃除?」
「いや、逆だ。こいつで汚すのだ」
見るとバケツの中は赤い塗料のようだった。
「言ってる意味がわからな」
「これを使って、この門を血だらけにしろってことだ。わかれ!」
「わかるか!」
「とにかく急げよ! でもいい感じに恐ろしげな雰囲気にもしとけよ!」
そう言い残して彼女は要塞内に戻った。
「更年期障害だなありゃ。ていうか客に血を見せるのか?」
とりあえず命令通り、門に血が飛び散ったように塗っていくタナカ。
すると、背後から4人組の人間が来るのを感じた。
「あれが客か?」
見たところ剣を携えた男が二人と、魔法の杖らしき物を持った男が一人、それから何も持たない女性が一人だった。
「ここがかの邪悪なムテ騎士団の住む要塞か!」
意気揚々と声を上げたのは勇者ザイモンである。その風貌はマントに剣に、あと何の意味があるのかはわからない中央に真珠の着いた額当てと、タナカの目から見ても、勇者であるということだけは伝わった。
「おい貴様門番か!」
ザイモン一行がタナカに近づいてくる。すると女性が悲鳴を上げた。
「きゃあ! この門、血だらけですわ!」
「おそらくここで戦闘があったようだ」
「しかも量からして、かなり残酷な戦いとおもれます」
一行は門を見て震え上がる。タナカはその姿にデーツの意図を読み取って、バケツを隠した。
「まさかこの惨状は貴様の仕業だな!」
「えー、うーん」
自分の仕業で違いないのだが、認めるわけにはいかないのではぐらかすタナカ。
しかし、ザイモンは急に剣を振るった。
「覚悟!」
「うわ! 危なっ!」
突然のことではあったが、かなり大振りな一振りであったため、タナカは余裕で避けられた。
「何すんだてめえ!」
「黙れ!我らは邪智暴虐なムテ騎士団を退治しに来た勇者ザイモンとその一行である!まずはお前を倒してこの先に進む!」
「はあ?」
ザイモンは次々と攻撃するも、タナカにとっては朝飯前に避けられる程度である。
「どうした逃げてばかりじゃ勝てないぞ!」
「いや、勝つとか負けるとか何言ってんの」
「待ってくださいザイモン様」
女性が勇者ザイモンを止めに入った。
「どいてろペリーヌ!」
「ですが、この方は本当にムテ騎士団の方なのでしょうか!」
そういえば確認してなかったなーなんて顔で手を止めるザイモン。
「貴様、ムテ騎士団の者か?」
「ええ、いや、俺はムテ騎士団ではないけど」
「じゃあ何者だ」
あまり自己紹介はしたくなかったが、ムテ騎士団の関係者と思われる方が自分の沽券に関わるので、その哀れないきさつを話すことにした。
「俺はタナカ。数日前に暗殺任務でこの要塞に入ったら返り討ちにあって、今ではこき使われてるんだ」
我ながら情けないと思うタナカであったが、ザイモン一行の心にはその哀れさが伝わったのか、みな涙ぐんでいた。
「君は捕虜だったのか。奴らはとても残忍な連中と聞く。そんなところ働かされるなんて、さぞ辛かったろう」
「うーん、まあ、想像以上には」
馴れ馴れしく、両肩に乗せてくるザイモンの手を振り払いながら適当な返事をするタナカ。相手がどういうことを想像してるかはわからないが、タナカ自身辛いのは確かだ。
「まあ大変!指から血がこんなに!」
ペリーヌと呼ばれていた女性がタナカの指を見て叫ぶ。もちろんこれは血ではなく塗料だ。
「わたくし、回復術師ですの。よろしければ、わたくしの力で治してさしあげましょう」
「いや、いいからいいから」
指を隠すタナカ。門の血が演出だとバレたらボコボコにされそうだと思い、必死に見られないとする。ちなみにボコボコにしてくるのはこの一行ではなく、デーツの方だ。
「ですが、労働の末にこんなに手が傷ついたのでしょう?」
「いやいや、今朝から大したことしてない。パンツ作ったりぐらいとか」
「パンツ食った!?」
「パンツ食った!?」
「パンツ食った!?」
「パンツ食ったー!?くっ!捕虜にパンツを食わせるなど、なんて残酷な仕打ちを!許さないぞムテ騎士団!」
なんか勝手に盛り上がるザイモン一行に、わざわざパンツ作ったと訂正するのも面倒くさいタナカ。
「俺のことはいいんだ。それよりおたくら、ムテ騎士団に戦い挑むのか?」
「ああ! 奴らの退治は冒険者ギルドの中でも、トップクラスのクエストだ。我々はそのクエストで来たわけだ」
「はあ、あいつら倒すのクエストで受け付けてるんだ」
とりあえずタナカは、自分の目の前のパーティがデーツの言うお客さんなのかを確認するために、門に着いているマァチの魔法道具“インターフォン”のボタンを押す。
「なあ、そのピンポーンって音はなんだ?」
「ちょっと静かにしてくれ。なあ、クエストでムテ騎士団を倒しに来たえーと・・・・・」
「ザイモンズパーティだ」
「そのザイモンズパーティってのが来てるんだが」
するとインターフォンの向こうのデーツが答えた。
【え? もう来たのか? まだ準備はあるがまあいいか。下側の方の門を開けるから待ってろ】
彼らがお客さんであることは間違いないようだが、今日討伐しに来るということを、なぜ倒される側が知っているのかタナカは気になった。
また細かいところではあるが、気になるといえば、先程の下側の方の門というデーツの言い方も気になっていた。
なぜなら門はここしかないのだから上も下もあるまい。
あるいは、下側の門と言ってくれれば、高いところから見て下にある門という解釈もできたはずなのに。
すると彼らが立っている場所の一帯が地響きをたて始め、なんと大きな穴が開いた。
「うわああああ!?」
下側の方の門とはこういうことである。
それからちょうど6日目の朝、ガルガレオスでの雑務に慣れ始めたタナカはパンツを作っていた。
パン作ってたわけでも、パンツ食ってたわけでもなく、パンツ作っていた。
「タナカ、パンツ食ってるか?」
デーツが裁縫室で作業するタナカを訪ねに来た。
「パンツ作ってまーす。ていうかなんでパンツ? しかもサイズ指定で三枚も」
「急げよ。ああ、でももうこんな時間か。
仕方がない。ここで一旦中止だ。正直、パンツはないならないでいいからな」
「ええ!?」
「いや必要っちゃ必要なんだが、優先事項的な問題でな。とにかく来い!」
「でも、残りの一枚は仮縫いの段階だし」
「いいから来い!」
デーツはタナカを正面玄関まで連れていく。
「何をそんな慌てて」
「客が来るのだが、すっかり忘れていた! 忙しかったのもあるが、うっかりしていた・・・・・ああもう年はとりたくないものだな!」
「ふふっ」
普段見せない慌てようにタナカは少し笑ったが、加齢を笑ったように思われたのか、軽く殴られる。
「いたっ! そんなに慌てるならバーベラにでも頼めば?」
「あいつも今準備中なんだ。とにかくこれ持って」
デーツからバケツを渡される。
「掃除?」
「いや、逆だ。こいつで汚すのだ」
見るとバケツの中は赤い塗料のようだった。
「言ってる意味がわからな」
「これを使って、この門を血だらけにしろってことだ。わかれ!」
「わかるか!」
「とにかく急げよ! でもいい感じに恐ろしげな雰囲気にもしとけよ!」
そう言い残して彼女は要塞内に戻った。
「更年期障害だなありゃ。ていうか客に血を見せるのか?」
とりあえず命令通り、門に血が飛び散ったように塗っていくタナカ。
すると、背後から4人組の人間が来るのを感じた。
「あれが客か?」
見たところ剣を携えた男が二人と、魔法の杖らしき物を持った男が一人、それから何も持たない女性が一人だった。
「ここがかの邪悪なムテ騎士団の住む要塞か!」
意気揚々と声を上げたのは勇者ザイモンである。その風貌はマントに剣に、あと何の意味があるのかはわからない中央に真珠の着いた額当てと、タナカの目から見ても、勇者であるということだけは伝わった。
「おい貴様門番か!」
ザイモン一行がタナカに近づいてくる。すると女性が悲鳴を上げた。
「きゃあ! この門、血だらけですわ!」
「おそらくここで戦闘があったようだ」
「しかも量からして、かなり残酷な戦いとおもれます」
一行は門を見て震え上がる。タナカはその姿にデーツの意図を読み取って、バケツを隠した。
「まさかこの惨状は貴様の仕業だな!」
「えー、うーん」
自分の仕業で違いないのだが、認めるわけにはいかないのではぐらかすタナカ。
しかし、ザイモンは急に剣を振るった。
「覚悟!」
「うわ! 危なっ!」
突然のことではあったが、かなり大振りな一振りであったため、タナカは余裕で避けられた。
「何すんだてめえ!」
「黙れ!我らは邪智暴虐なムテ騎士団を退治しに来た勇者ザイモンとその一行である!まずはお前を倒してこの先に進む!」
「はあ?」
ザイモンは次々と攻撃するも、タナカにとっては朝飯前に避けられる程度である。
「どうした逃げてばかりじゃ勝てないぞ!」
「いや、勝つとか負けるとか何言ってんの」
「待ってくださいザイモン様」
女性が勇者ザイモンを止めに入った。
「どいてろペリーヌ!」
「ですが、この方は本当にムテ騎士団の方なのでしょうか!」
そういえば確認してなかったなーなんて顔で手を止めるザイモン。
「貴様、ムテ騎士団の者か?」
「ええ、いや、俺はムテ騎士団ではないけど」
「じゃあ何者だ」
あまり自己紹介はしたくなかったが、ムテ騎士団の関係者と思われる方が自分の沽券に関わるので、その哀れないきさつを話すことにした。
「俺はタナカ。数日前に暗殺任務でこの要塞に入ったら返り討ちにあって、今ではこき使われてるんだ」
我ながら情けないと思うタナカであったが、ザイモン一行の心にはその哀れさが伝わったのか、みな涙ぐんでいた。
「君は捕虜だったのか。奴らはとても残忍な連中と聞く。そんなところ働かされるなんて、さぞ辛かったろう」
「うーん、まあ、想像以上には」
馴れ馴れしく、両肩に乗せてくるザイモンの手を振り払いながら適当な返事をするタナカ。相手がどういうことを想像してるかはわからないが、タナカ自身辛いのは確かだ。
「まあ大変!指から血がこんなに!」
ペリーヌと呼ばれていた女性がタナカの指を見て叫ぶ。もちろんこれは血ではなく塗料だ。
「わたくし、回復術師ですの。よろしければ、わたくしの力で治してさしあげましょう」
「いや、いいからいいから」
指を隠すタナカ。門の血が演出だとバレたらボコボコにされそうだと思い、必死に見られないとする。ちなみにボコボコにしてくるのはこの一行ではなく、デーツの方だ。
「ですが、労働の末にこんなに手が傷ついたのでしょう?」
「いやいや、今朝から大したことしてない。パンツ作ったりぐらいとか」
「パンツ食った!?」
「パンツ食った!?」
「パンツ食った!?」
「パンツ食ったー!?くっ!捕虜にパンツを食わせるなど、なんて残酷な仕打ちを!許さないぞムテ騎士団!」
なんか勝手に盛り上がるザイモン一行に、わざわざパンツ作ったと訂正するのも面倒くさいタナカ。
「俺のことはいいんだ。それよりおたくら、ムテ騎士団に戦い挑むのか?」
「ああ! 奴らの退治は冒険者ギルドの中でも、トップクラスのクエストだ。我々はそのクエストで来たわけだ」
「はあ、あいつら倒すのクエストで受け付けてるんだ」
とりあえずタナカは、自分の目の前のパーティがデーツの言うお客さんなのかを確認するために、門に着いているマァチの魔法道具“インターフォン”のボタンを押す。
「なあ、そのピンポーンって音はなんだ?」
「ちょっと静かにしてくれ。なあ、クエストでムテ騎士団を倒しに来たえーと・・・・・」
「ザイモンズパーティだ」
「そのザイモンズパーティってのが来てるんだが」
するとインターフォンの向こうのデーツが答えた。
【え? もう来たのか? まだ準備はあるがまあいいか。下側の方の門を開けるから待ってろ】
彼らがお客さんであることは間違いないようだが、今日討伐しに来るということを、なぜ倒される側が知っているのかタナカは気になった。
また細かいところではあるが、気になるといえば、先程の下側の方の門というデーツの言い方も気になっていた。
なぜなら門はここしかないのだから上も下もあるまい。
あるいは、下側の門と言ってくれれば、高いところから見て下にある門という解釈もできたはずなのに。
すると彼らが立っている場所の一帯が地響きをたて始め、なんと大きな穴が開いた。
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