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第六話 最高ランククエスト その8「勇者よ立ち上がれ」
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そこに先ほど受付の女性が入ってきた扉から、デーツが怒りの形相で入ってくる。
「お前らさっきからぴーぴーうるせえ! 小鳥の集会か!」
「あ、団長。ごめん今から3Pするからもう少し待ってくれるかい?」
「もう待ちくたびれた。いつまで経っても誰も来やしない。ここで全員相手する」
剣を抜くデーツ。
「全員と言っても、彼女は今は手が離せないし、残りの内2人は発狂してるし、一人だけかな戦えるのは」
バーベラが二人の女性を抱き寄せながらトマズを指す。
「え?ぼ、僕だけ!? ザイモン! ゲントン! 頼むから起きてよ!
なあ!勇者と戦士なんだろ! これ以上失うものなんてないんだし! 男を見せて立ち上がれよ!」
トマズのその言葉に二人は目を覚ます。
「そうだよな。もう失うものはない」
「だったら、あとはもう自分の全てを賭けるだけだな!」
「うん! 一緒に行こう! そして僕たちが雑魚じゃないことを証明するんだ!」
3人はそれぞれの武器を重ね合わせて鼓舞する。この瞬間、ザイモンズパーティ(一名欠員)の結束は固いものとなった。
叫び声を上げデーツの方へと向かっていく勇者たち。その勇ましい姿はまさしく勇ましき者に相応しい。
そして武器を振り上げた瞬間‥‥‥秒で負けた。
「なんだこの雑魚ども」
数分後、すべての身ぐるみをはがされた3名は土下座してデーツの前にひれ伏していた。
「うーん、嫌っていたのはわかるが、もう少し成長させてから送ってくれぬか?」
「すみませんデーツさんつい」
「まあまあ、彼らの場合この段階で現実を教えておかないと、他でもっと痛い目に合ってたかもしれないしね?」
バーベラは受付の女性を庇う様に、デーツの肩に手を置く。
「あの、すみませんが私たちの荷物は返してきた抱けるのでしょうか」
トマズが震え声で訴える。デーツの背後には、ザイモンズパーティの服や武器や荷物、そして有り金全部が積まれていた。
「あ、ダメですよ。クエストの契約書には、身ぐるみ全部はがされて何もかも失っても文句はいいませんって書いてますから」
受付の女性が、持ってきていた契約書を見せる。
「ええ!?聞いてない!」
「ちゃんと説明はしましたよ。ザ、ザコタロー?さん。ちゃんとあなたのサインもあるわけですし。あ、名前ザイモンっていうんでしたね」
契約書のサインの部分を見せつける受付の女性。そして、その名前の持ち主はゲントンとトマズからにらまれる。
「お前らパーティにはいろいろ弱点がありすぎて評価しづらい。とりあえず言えることは、人の話は聞きましょうってことだな。
これからもまあ、チーム一丸となって頑張れよ。亀裂が凄そうだけど。
あとこれはお土産だ受け取れ」
デーツは三枚の布を取り出した。
「あ、それ俺が食った、じゃなくって。作ったパンツ」
「モロダシで帰すのは我の良心が許さんからこれを穿くとよい」
「あったのか? 良心」
モロダシに関して定評のあるタナカは疑問に思う。
「とにかく、負けた者にはもれなくこの"敗北さーパンツ"が与えられるのだ。ありがたく受け取れ」
渋々パンツを穿く3名。そのうち仮縫いのパンツがザイモンの元に。
「あの、俺のだけ未完成品ぽいんですが」
「が、我慢しろ! リーダーだろ!」
タナカは自分の不手際を隠滅するように、仮縫いパンツを押し付けた。
こうしてパンツ一丁の三人の男とちゃんと服を着た女性が城を後にした。
「流石に女性の身ぐるみははがさないか」
「女性を裸にさせるわけがないだろう」
「さっきまでさせてたろ!」
見送りに来たタナカは、一緒に来ていたバーベラの歪んだ倫理に眉をひそめた。しかも彼女は、いまだに下着姿の受付の女性をお姫様抱っこした状態だ。
一方、トマズは意気消沈で帰るザイモンとゲントンを見て、自分はまだ財産しか失ってないだけマシだと思うことにした。
幸いプロポーズの時に渡す予定だった指輪は、自分のメガネのつるに通していたので、奪われずに済んだ。
「あ、そうそう。これを渡すのを忘れていた」
バーベラがペリーヌを呼び止める。
「なんでしょうか、バーベラ様」
「この特性の指輪をプレゼントするよ。僕の"特別なお友達"の証さ」
バーベラは受付の女性を下ろして、ペリーヌの左手の薬指に花の意匠のついた指輪をはめる。
「まあ素敵! 嬉しいですわ!」
ペリーヌは指を見ながら歓喜した。その隣で、受付の女性も自分も"特別なお友達"の同士だと言わんばかりに指輪を見せた。
だが、トマズにはその指輪に見覚えがあった。それは彼の幼馴染がつけていたくすんだ指輪と同じ物であった。
「ぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
パーティは全滅した。
次回へつづく。
「お前らさっきからぴーぴーうるせえ! 小鳥の集会か!」
「あ、団長。ごめん今から3Pするからもう少し待ってくれるかい?」
「もう待ちくたびれた。いつまで経っても誰も来やしない。ここで全員相手する」
剣を抜くデーツ。
「全員と言っても、彼女は今は手が離せないし、残りの内2人は発狂してるし、一人だけかな戦えるのは」
バーベラが二人の女性を抱き寄せながらトマズを指す。
「え?ぼ、僕だけ!? ザイモン! ゲントン! 頼むから起きてよ!
なあ!勇者と戦士なんだろ! これ以上失うものなんてないんだし! 男を見せて立ち上がれよ!」
トマズのその言葉に二人は目を覚ます。
「そうだよな。もう失うものはない」
「だったら、あとはもう自分の全てを賭けるだけだな!」
「うん! 一緒に行こう! そして僕たちが雑魚じゃないことを証明するんだ!」
3人はそれぞれの武器を重ね合わせて鼓舞する。この瞬間、ザイモンズパーティ(一名欠員)の結束は固いものとなった。
叫び声を上げデーツの方へと向かっていく勇者たち。その勇ましい姿はまさしく勇ましき者に相応しい。
そして武器を振り上げた瞬間‥‥‥秒で負けた。
「なんだこの雑魚ども」
数分後、すべての身ぐるみをはがされた3名は土下座してデーツの前にひれ伏していた。
「うーん、嫌っていたのはわかるが、もう少し成長させてから送ってくれぬか?」
「すみませんデーツさんつい」
「まあまあ、彼らの場合この段階で現実を教えておかないと、他でもっと痛い目に合ってたかもしれないしね?」
バーベラは受付の女性を庇う様に、デーツの肩に手を置く。
「あの、すみませんが私たちの荷物は返してきた抱けるのでしょうか」
トマズが震え声で訴える。デーツの背後には、ザイモンズパーティの服や武器や荷物、そして有り金全部が積まれていた。
「あ、ダメですよ。クエストの契約書には、身ぐるみ全部はがされて何もかも失っても文句はいいませんって書いてますから」
受付の女性が、持ってきていた契約書を見せる。
「ええ!?聞いてない!」
「ちゃんと説明はしましたよ。ザ、ザコタロー?さん。ちゃんとあなたのサインもあるわけですし。あ、名前ザイモンっていうんでしたね」
契約書のサインの部分を見せつける受付の女性。そして、その名前の持ち主はゲントンとトマズからにらまれる。
「お前らパーティにはいろいろ弱点がありすぎて評価しづらい。とりあえず言えることは、人の話は聞きましょうってことだな。
これからもまあ、チーム一丸となって頑張れよ。亀裂が凄そうだけど。
あとこれはお土産だ受け取れ」
デーツは三枚の布を取り出した。
「あ、それ俺が食った、じゃなくって。作ったパンツ」
「モロダシで帰すのは我の良心が許さんからこれを穿くとよい」
「あったのか? 良心」
モロダシに関して定評のあるタナカは疑問に思う。
「とにかく、負けた者にはもれなくこの"敗北さーパンツ"が与えられるのだ。ありがたく受け取れ」
渋々パンツを穿く3名。そのうち仮縫いのパンツがザイモンの元に。
「あの、俺のだけ未完成品ぽいんですが」
「が、我慢しろ! リーダーだろ!」
タナカは自分の不手際を隠滅するように、仮縫いパンツを押し付けた。
こうしてパンツ一丁の三人の男とちゃんと服を着た女性が城を後にした。
「流石に女性の身ぐるみははがさないか」
「女性を裸にさせるわけがないだろう」
「さっきまでさせてたろ!」
見送りに来たタナカは、一緒に来ていたバーベラの歪んだ倫理に眉をひそめた。しかも彼女は、いまだに下着姿の受付の女性をお姫様抱っこした状態だ。
一方、トマズは意気消沈で帰るザイモンとゲントンを見て、自分はまだ財産しか失ってないだけマシだと思うことにした。
幸いプロポーズの時に渡す予定だった指輪は、自分のメガネのつるに通していたので、奪われずに済んだ。
「あ、そうそう。これを渡すのを忘れていた」
バーベラがペリーヌを呼び止める。
「なんでしょうか、バーベラ様」
「この特性の指輪をプレゼントするよ。僕の"特別なお友達"の証さ」
バーベラは受付の女性を下ろして、ペリーヌの左手の薬指に花の意匠のついた指輪をはめる。
「まあ素敵! 嬉しいですわ!」
ペリーヌは指を見ながら歓喜した。その隣で、受付の女性も自分も"特別なお友達"の同士だと言わんばかりに指輪を見せた。
だが、トマズにはその指輪に見覚えがあった。それは彼の幼馴染がつけていたくすんだ指輪と同じ物であった。
「ぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
パーティは全滅した。
次回へつづく。
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