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第七話 ちびっ子ナイトパーリィ その2「ボリリングやっほーい」
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30分後、鼻にクリームをつけたタナカはマッチョポーズの石像のところまで来た。
例のかくれんぼで、ローナが隠れていた場所だ。
その像の前に、10本の酒瓶が上から眺めて三角形になるように並べてあり、その側でマァチとアストリアが待っていた。
「来たかタナカ!!!」
「結局デザート食べたんだ」
「ん? ああ、暇だったからちょっとだけ」
タナカは鼻についたクリームを手で拭き取った。
「それで何をするんだ?」
「ボリリングだよー」
タナカの後ろからローナが念力でボールを弾ませながらやって来る。
「ボリリング?」
「うん。ボールを転がしてそこに並んだ瓶を倒すの」
「似たようなゲームならやったことある」
「そうか!! ちなみにこれは私がやりたかったゲームだ!!!!」
アストリアの声が廊下中に響き渡る。
「じゃあ、順番決めね。はい、くじ」
マァチがタナカに木の棒を4本差し出し、タナカはそのうち一本を取った。
「3て書いてあるってことは俺が3番か?」
「当たり前でしょ」
マァチはボソッと言いながら、ローナとアストリアにもくじを差し出す。
「ローナちゃん1番!」
「私は4番だ!!!」
「で、私2番」
順番が決まったところでゲーム開始。まずは1番手のローナ。
「2回投げたトータルが点数ね。ちなみに、1回で全部倒すと特別ボーナス点が貰えるの」
「そのルールも俺が知ってる奴と同じだな。
違うのはボールの硬さぐらいか」
「似たようなゲームって意外と世界に沢山あるからね。
さて、そろそろ投げるよー。うーん……ぶろんこー!」
「ぶろんこ?」
謎の掛け声と共にボールを投げるローナ。しかし、ボールはまっすぐ転がらずに端っこの2本を倒すだけだった。
「あー残念。でも次で巻き返すよ!ふぇんきん!」
「ふぇんきん?」
またしても謎の掛け声と共に投げるローナ。今度こそ真っ直ぐ転がったものの、倒せたのは5本。これでローナの合計は7点。
「むう、微妙ー。あとはみんなが失敗してくれることを祈ろう」
「じゃあ次は私ね」
マァチのボールは真っ直ぐ転がってぶつかり、瓶の後列の端2本だけを残した。
「かっー! これでローナちゃんの負け確定だー」
「右側のをうまく飛ばして、スペアに!」
だが、右側を狙い過ぎたのか、ボールは瓶の外側に転がってしまった。マァチの得点8点。
「ちっ」
「じゃあ俺の番だな」
タナカのボールは見事に命中し、一本だけを残して全て倒れた。
「よっしゃ! 残り一本」
タナカは一本の瓶に狙いを定めようと集中し始める。
だが、それをヨシとしないマァチとローナが後ろでぶつぶつと願望を唱え始めた。
「失敗しろ失敗しろ失敗しろ失敗しろ」
「失敗しろ失敗しろ失敗しろ失敗しろ」
「ああもううるせえな」
「こらー!!! 集中できないだろ!!! タナカがかわいそうだろ!!! 静かにしろ!!!」
タナカに優しくするアストリアだが、彼女の大声が一番邪魔になってることには気づいていない。
タナカはなんとかこの騒がしさの中で、瓶一本に目掛けて投げ、倒すことに成功した。タナカの得点10点。
「ヨシ最高得点! あとはアストリアが10本以下の点数を出してくれれば」
「アスティ頑張って!」
「ストライクを出せば、この邪智暴虐なタナカを打ち負かせるよ」
「お前たちの方がよっぽど邪智暴虐なんだが?」
アストリアは3人の言葉をちゃんと聞いていたのかは不明だが、雄叫びを上げてボールをブンブンと振り回し始めた。
「うおおおおおおおおおお!」
勢いはどんどん増していき、風圧で瓶が揺れ始める。
「うりゃああああああああああああ!!」
そしてその勢いのままボールを投げ・・・・・・ずに、頭から瓶の中の突っ込んだ。当然瓶は全て倒れる。
「よっしゃあああ! 勝ったああああああああ!」
「おめでとー」
「いい戦いだった」
「待て待て待て待て」
ここに待ったをかけるのは、この戦いで唯一失うものがあるタナカだ。
「ボールを投げるゲームだよな?」
「その通りだ!!!!」
「じゃあお前の頭はボールか?」
アストリアはボールを手の平で叩き、そして自分の頭も同じように叩いた。
「同じ音がする!!!つまり私の頭はボールだ!!!!」
「ボールの方が中身詰まってそうだが?!
とにかく今のはなし。反則負け! 俺の勝ち! いいな!」
その言葉に対して3人は不満の現れとして、頬を膨らませた。
「逆にこんな勝ち方でいいのかお前ら」
「いい」
「仕方ないよマァチ。残りで2勝すればいいんだから、ね?」
マァチだけはまだ頬を膨らませている。
「じゃあ次はローナちゃんがやりたいゲームね。みんなローナちゃんの部屋に集合!」
例のかくれんぼで、ローナが隠れていた場所だ。
その像の前に、10本の酒瓶が上から眺めて三角形になるように並べてあり、その側でマァチとアストリアが待っていた。
「来たかタナカ!!!」
「結局デザート食べたんだ」
「ん? ああ、暇だったからちょっとだけ」
タナカは鼻についたクリームを手で拭き取った。
「それで何をするんだ?」
「ボリリングだよー」
タナカの後ろからローナが念力でボールを弾ませながらやって来る。
「ボリリング?」
「うん。ボールを転がしてそこに並んだ瓶を倒すの」
「似たようなゲームならやったことある」
「そうか!! ちなみにこれは私がやりたかったゲームだ!!!!」
アストリアの声が廊下中に響き渡る。
「じゃあ、順番決めね。はい、くじ」
マァチがタナカに木の棒を4本差し出し、タナカはそのうち一本を取った。
「3て書いてあるってことは俺が3番か?」
「当たり前でしょ」
マァチはボソッと言いながら、ローナとアストリアにもくじを差し出す。
「ローナちゃん1番!」
「私は4番だ!!!」
「で、私2番」
順番が決まったところでゲーム開始。まずは1番手のローナ。
「2回投げたトータルが点数ね。ちなみに、1回で全部倒すと特別ボーナス点が貰えるの」
「そのルールも俺が知ってる奴と同じだな。
違うのはボールの硬さぐらいか」
「似たようなゲームって意外と世界に沢山あるからね。
さて、そろそろ投げるよー。うーん……ぶろんこー!」
「ぶろんこ?」
謎の掛け声と共にボールを投げるローナ。しかし、ボールはまっすぐ転がらずに端っこの2本を倒すだけだった。
「あー残念。でも次で巻き返すよ!ふぇんきん!」
「ふぇんきん?」
またしても謎の掛け声と共に投げるローナ。今度こそ真っ直ぐ転がったものの、倒せたのは5本。これでローナの合計は7点。
「むう、微妙ー。あとはみんなが失敗してくれることを祈ろう」
「じゃあ次は私ね」
マァチのボールは真っ直ぐ転がってぶつかり、瓶の後列の端2本だけを残した。
「かっー! これでローナちゃんの負け確定だー」
「右側のをうまく飛ばして、スペアに!」
だが、右側を狙い過ぎたのか、ボールは瓶の外側に転がってしまった。マァチの得点8点。
「ちっ」
「じゃあ俺の番だな」
タナカのボールは見事に命中し、一本だけを残して全て倒れた。
「よっしゃ! 残り一本」
タナカは一本の瓶に狙いを定めようと集中し始める。
だが、それをヨシとしないマァチとローナが後ろでぶつぶつと願望を唱え始めた。
「失敗しろ失敗しろ失敗しろ失敗しろ」
「失敗しろ失敗しろ失敗しろ失敗しろ」
「ああもううるせえな」
「こらー!!! 集中できないだろ!!! タナカがかわいそうだろ!!! 静かにしろ!!!」
タナカに優しくするアストリアだが、彼女の大声が一番邪魔になってることには気づいていない。
タナカはなんとかこの騒がしさの中で、瓶一本に目掛けて投げ、倒すことに成功した。タナカの得点10点。
「ヨシ最高得点! あとはアストリアが10本以下の点数を出してくれれば」
「アスティ頑張って!」
「ストライクを出せば、この邪智暴虐なタナカを打ち負かせるよ」
「お前たちの方がよっぽど邪智暴虐なんだが?」
アストリアは3人の言葉をちゃんと聞いていたのかは不明だが、雄叫びを上げてボールをブンブンと振り回し始めた。
「うおおおおおおおおおお!」
勢いはどんどん増していき、風圧で瓶が揺れ始める。
「うりゃああああああああああああ!!」
そしてその勢いのままボールを投げ・・・・・・ずに、頭から瓶の中の突っ込んだ。当然瓶は全て倒れる。
「よっしゃあああ! 勝ったああああああああ!」
「おめでとー」
「いい戦いだった」
「待て待て待て待て」
ここに待ったをかけるのは、この戦いで唯一失うものがあるタナカだ。
「ボールを投げるゲームだよな?」
「その通りだ!!!!」
「じゃあお前の頭はボールか?」
アストリアはボールを手の平で叩き、そして自分の頭も同じように叩いた。
「同じ音がする!!!つまり私の頭はボールだ!!!!」
「ボールの方が中身詰まってそうだが?!
とにかく今のはなし。反則負け! 俺の勝ち! いいな!」
その言葉に対して3人は不満の現れとして、頬を膨らませた。
「逆にこんな勝ち方でいいのかお前ら」
「いい」
「仕方ないよマァチ。残りで2勝すればいいんだから、ね?」
マァチだけはまだ頬を膨らませている。
「じゃあ次はローナちゃんがやりたいゲームね。みんなローナちゃんの部屋に集合!」
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