38 / 57
第八話 今更の世界観説明 その5「脳みそぐちゃぁ」
しおりを挟む
さて、ここでほんの少しだけ話の時間を戻そう。
デーツがベッドのベバニーに話を聞かせている間、店の奥では店長のムーゴが、脂ぎった笑顔で店のお金を数えていた。
「いやー、今日も儲かった儲かった。俺に運が向いてきてるなー」
そうして大事そうに小型の宝箱をさする。
「ねえ」
すると彼の後ろから声がしたので、慌てて宝箱を体の全身で覆いながら振り向いた。声の主はバーベラだった。
「あ、お客様。何かご不満でもありましたか? すみませんねうちの子の教育が足りなくて」
「いやー? みんなとってもいい子だったよ。ちょっと僕の手が早すぎて、みんな今は夢心地のままおねんねちゃんさ」
「そ、そうですかー。あー、でも早く終わっても先に支払ったお金は返金できませんすみません」
「いいんだいいんだ。ただまだ隠してないかなーって」
「うちで働いてる子はアレで全員でございます」
「あ、そういうことじゃない」
バーベラはムーゴが隠している宝箱を覗こうとする。
「お客様。ちょっとそういうのはいやらしいですよ、これうちの売り上げ金なんですよ」
「売上金? 机にいっぱい並べてるのに、その小さな箱にいくら入ってるって言うんだ?」
「それはですねえーと」
しどろもどろになりながら、ムーゴは何か言い訳を考えようと目を泳がせていた。
しかし、そんな一瞬の間にバーベラは宝箱を奪っていた。
「いつの間に!?」
「さーて中身は何かなー?」
不敵な笑みを浮かべながら、彼女は人刺し指をバイブのように高速で動かし、錠前の穴にツッコむ。すると、穴はたちまち広がっていき、壊れてしまった。
箱を開くとそこにはたくさんの葉っぱが詰まった袋が入っていた。
「おやおやー? これはこれは、マダラ麻じゃないかー? ここグレン連合じゃ全面禁止されてるはずのー」
「その、お、お客様ー。あー、どうでしょう、あなたも試してみます? 多分この店で一番の快楽ですぞ」
「あ?」
思わずイラっとしたバーベラは、壁に向かって豪速球のように箱を叩きつけた。デーツがさっき聞いた音の正体はこれである。
「人間のクズ。いやそれ以下が口開くな」
「ひっ!」
「まあクズ以下でも、君はまだマシだったよ。僕が見た限りじゃ、店の女子に薬を使わせていなかった。それだけはまあ許そう」
バーベラはムーゴの頭を掴む。そしてぶるぶる震えている彼は、さらにいっそう身を震わせた。
「悔しいことにあるんだよね。薬で女の子を従わせたりするゲスの中のゲスの店がさ」
怒りのあまり彼女の手にはどんどん力が加わって、彼の頭を締め上げていく。
「さっきから見せてるけど、僕は高速で動けるんだ。
で、その力を使ってこうやって頭を掴んだまま手を激しく振動させると、脳みそがぐっちゃぐちゃになっちゃうんだー。そうしたらもう、頭の中もぐっちゃぐちゃのめっちゃめちゃ。
僕はこの手で、女の子を薬漬けにした連中を一人残らず、まともに口がきけないようにしてやったよ」
掴んでいる指に、徐々に振動が加わっていき、ムーゴは叫びそうになる。
「や、やめ・・・・・・」
「ぶるぶる揺れて、脳が頭蓋骨の中で飛び回って・・・・・・ぐちゃぁ!!」
「ぎゃあああああああ!!」
バーベラは振動する手を止めていたが、彼女の脅しの声に反応して泣き叫ぶムーゴ。
「ははは。さっきも言ったけど、君は女の子には使わなかった。だからそれに免じて勘弁してあげよう」
「は、はい! うちの従業員には一切使っておりません! これは他に売るために使ってます! だから見逃してください!」
「じゃあさ、このまま店から逃げるんだね。もちろん葉っぱも金も全部置いてね。そしたら命だけは助けてやろう」
「ありがとうございます! ありがとうございます!」
「さあ行け」
バーベラが手を放した瞬間に、ムーゴはゴキブリのような勢いで外へと出て行った。
「やれやれ。どいつもこいつも」
デーツがベッドのベバニーに話を聞かせている間、店の奥では店長のムーゴが、脂ぎった笑顔で店のお金を数えていた。
「いやー、今日も儲かった儲かった。俺に運が向いてきてるなー」
そうして大事そうに小型の宝箱をさする。
「ねえ」
すると彼の後ろから声がしたので、慌てて宝箱を体の全身で覆いながら振り向いた。声の主はバーベラだった。
「あ、お客様。何かご不満でもありましたか? すみませんねうちの子の教育が足りなくて」
「いやー? みんなとってもいい子だったよ。ちょっと僕の手が早すぎて、みんな今は夢心地のままおねんねちゃんさ」
「そ、そうですかー。あー、でも早く終わっても先に支払ったお金は返金できませんすみません」
「いいんだいいんだ。ただまだ隠してないかなーって」
「うちで働いてる子はアレで全員でございます」
「あ、そういうことじゃない」
バーベラはムーゴが隠している宝箱を覗こうとする。
「お客様。ちょっとそういうのはいやらしいですよ、これうちの売り上げ金なんですよ」
「売上金? 机にいっぱい並べてるのに、その小さな箱にいくら入ってるって言うんだ?」
「それはですねえーと」
しどろもどろになりながら、ムーゴは何か言い訳を考えようと目を泳がせていた。
しかし、そんな一瞬の間にバーベラは宝箱を奪っていた。
「いつの間に!?」
「さーて中身は何かなー?」
不敵な笑みを浮かべながら、彼女は人刺し指をバイブのように高速で動かし、錠前の穴にツッコむ。すると、穴はたちまち広がっていき、壊れてしまった。
箱を開くとそこにはたくさんの葉っぱが詰まった袋が入っていた。
「おやおやー? これはこれは、マダラ麻じゃないかー? ここグレン連合じゃ全面禁止されてるはずのー」
「その、お、お客様ー。あー、どうでしょう、あなたも試してみます? 多分この店で一番の快楽ですぞ」
「あ?」
思わずイラっとしたバーベラは、壁に向かって豪速球のように箱を叩きつけた。デーツがさっき聞いた音の正体はこれである。
「人間のクズ。いやそれ以下が口開くな」
「ひっ!」
「まあクズ以下でも、君はまだマシだったよ。僕が見た限りじゃ、店の女子に薬を使わせていなかった。それだけはまあ許そう」
バーベラはムーゴの頭を掴む。そしてぶるぶる震えている彼は、さらにいっそう身を震わせた。
「悔しいことにあるんだよね。薬で女の子を従わせたりするゲスの中のゲスの店がさ」
怒りのあまり彼女の手にはどんどん力が加わって、彼の頭を締め上げていく。
「さっきから見せてるけど、僕は高速で動けるんだ。
で、その力を使ってこうやって頭を掴んだまま手を激しく振動させると、脳みそがぐっちゃぐちゃになっちゃうんだー。そうしたらもう、頭の中もぐっちゃぐちゃのめっちゃめちゃ。
僕はこの手で、女の子を薬漬けにした連中を一人残らず、まともに口がきけないようにしてやったよ」
掴んでいる指に、徐々に振動が加わっていき、ムーゴは叫びそうになる。
「や、やめ・・・・・・」
「ぶるぶる揺れて、脳が頭蓋骨の中で飛び回って・・・・・・ぐちゃぁ!!」
「ぎゃあああああああ!!」
バーベラは振動する手を止めていたが、彼女の脅しの声に反応して泣き叫ぶムーゴ。
「ははは。さっきも言ったけど、君は女の子には使わなかった。だからそれに免じて勘弁してあげよう」
「は、はい! うちの従業員には一切使っておりません! これは他に売るために使ってます! だから見逃してください!」
「じゃあさ、このまま店から逃げるんだね。もちろん葉っぱも金も全部置いてね。そしたら命だけは助けてやろう」
「ありがとうございます! ありがとうございます!」
「さあ行け」
バーベラが手を放した瞬間に、ムーゴはゴキブリのような勢いで外へと出て行った。
「やれやれ。どいつもこいつも」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる