petit lapin

noraneko

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ララとコレット

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「きみは本当にかわいいね」

「やめてよ。この垂れ下がった耳なんてきらいさ」

「じゃあ、ぼくなんて、この鼻もこの丸いお腹だってきらいさ」

「俺はちいさいけど、きみは大きいじゃないか」

「大きくなったらね。ぼくたちは食べられちゃうんだ。だから、小さくて可愛らしくて動きの早いきみがうらやましいよ……でも、ぼくは人の役に立つから楽しみなんだ」

「え、食べられちゃうの? 」

「そうさ。ぼくたちは人間のために食べられる運命なのさ」

「ごめんね。俺……何もしらなくて……」

「いいのさ。きみと友達になれたんだから」

うさぎのララと豚のコレットはとても仲良くなった。

ララが偶然コレットの済む小屋に迷い込んできたのだ。

ララはつかれて休もうと小屋に入ると、
大きな豚に踏まれそうになったとこをコレットが助けた。

ララはコレットに感謝し、外の話をした。
コレットは外に出たことがなく、ララの話を楽しそうに聞いた。

コレットの寝ている藁のベッドに一緒に眠り、
翌朝ララはコレットに別れを告げると、
はぐれてしまった家族を探しに旅立った。

ララは家族と再会し、コレットの話をした。

そして、それから毎日ララはコレットの家に遊びに行った。

コレットは嬉しそうにララを迎えて、ララはコレットに話をするのを好んだ。

お互い見た目は違うけれど、とても仲良くなっていった。

ララはコレットを助けたいと思ったけれど、
コレットはぼくはこのままで良いと言っていた。

「コレット、俺はきみがいなくなったらさみしいよ」

「ララ、ぼくたちは友達だろ? 友情は死んでからもずっと続くんだよ。だから、さみしく思わないで」

ララは大きくて優しくて強いコレットに憧れた。

「コレット、ずっと友達だよ。きみがいなくても俺はきみに話しかけるよ。そしたら、聞いてくれるかい? 」

コレットはララの面白い話が楽しみだった。

「きみの話をぼくはいつも楽しみにしてるんだ。毎日こうして来てくれてぼくは幸せだよ」

そうして、しばらく毎日ララとコレットは 楽しい日々を過ごした。

ある日、ララはきれいな花を見つけコレットに持って行った。
ときどき、ララはコレットに花を持って行った。

そして、その日もララはコレットが喜ぶだろうと思い届けると、そこにコレットの姿はみあたらなかった。

コレットのベッドにも、いつもいる場所にもいない。

近くの男の子にララは話しかけた。

「コレットはどこにいったの? 」

「コレットはもうここにはいないよ。
きみが来るのを待ってたんだ。
コレットがきみに渡したいものがあるんだって。ベッドの下をみてごらん」

ララはわかっていた。
もうコレットは天国に行ってしまったんだ。

ララはコレットのベッドに向かう。
いつも寝ている藁の下を見ると、ララが今まで運んだ花が敷いてあった。

コレットの重みで届けた花たちは押し花になっていた。

ララはそれを見つめ、コレットと話した記憶が蘇る。

そうだ。友情はずっと続くのだ。
ララはコレットのベッドに横になり、コレットに心の中で話しかけた。


「コレットきれいな花を見つけたんだ。だから、きみに持ってきたよ……」

ララはコレットの笑顔を思い出していた。
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感想 3

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みんなの感想(3件)

ReCall
2016.11.28 ReCall
ネタバレ含む
2016.11.28 noraneko

ReCallさん

お読み頂き、ありがとうございます。
なるほど!!貴重はご意見ありがとうございます!!
そうですよね。ハッピーエンドにすればよかったですね。
次回は活かせるように頑張ります!!

解除
2016.11.27 ユーザー名の登録がありません

退会済ユーザのコメントです

2016.11.27 noraneko

melongumaさん

ありがとうございますm(__)m
捻りのない最後だったので次はハッピーに終わりたいと思います。
お読み頂いてありがとうございました!!

解除
2016.11.26 ユーザー名の登録がありません

退会済ユーザのコメントです

2016.11.26 noraneko

夢野天瀬さん

こんにちは!!
コメント、そして教えて頂きありがとうございます。
ベット→ベッドに訂正致しました。
コレットの幸せを考えたりもしたのですが、最後捻りがないままですね。
他作品では詰めていきたいと思います!
ありがとうございました。

解除

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