上 下
1 / 1

めっちゃ読みづらいです、読んでください。なんだこれ。ってなりながら読んでください。なんだこれ、ってなりながら書いてます。

しおりを挟む
高校3年5月

いいの?
うん
しちゃった

いいの?
見てないことにする
うん

これからどこに行こうか
世界で二人きりになれたらいいのに
この電車に乗って、どこかまで行こう


これは2人の話。2人の話は2人の話だから誰かに話したってなんの意味もない、2人の話。
彼の好きな人は、ごく普通の女の子。名前は山田花子(仮)。アニメが好き、カメラに興味がある、音楽が好き、歌が上手い、ギターが弾ける、顔が可愛い、絵が上手い、はやりが嫌い、身長が低くて体型は普通。
あたしの方が可愛いし、頭がいいし、運動もできる、ダンスも、協調性も、スタイルも。学校であの子に負けることなんてほとんどない。それでも彼の好きな人は、山田花子(仮)なんだ。
あたしの好きな人は、数学の先生。名前は五十嵐龍之介(仮)。頭が良くて、バスケがうまい、生徒思いで、生徒からの人気は高い、それからとっても優しいし、放課後はずっと話を聞いてくれる、一緒にいてくれる。あたしは、先生が好き。


高校3年6月

「昨日、花子と遊ぼうと思ったら断られた。」
「君は嫌われてるから」
「本当にそうだったらどうしよう」
「冗談だよ。大丈夫、そんなことないよ」

彼は、またクリープハイプを歌うんだ。毎回、カラオケカラオケカラオケ。あたしのこの気持ちは絶対シングルカットさせないよ。それでもあたしは今を愛してる。それから彼は社会の窓の中でいくんです。それが、最高か最低かなんてあたしには分からない。

高校3年11月

「好きだと思う。あたしは、君が」
「そっか、ありがとう」
「山田花子(仮)のことが好きなのは分かっているから返事を求めたりはしない。好きよ。」
「ありがとう」


高校3年8月

そう言えばあたしには人生で一番好きな人がいたのだった。まだ小さな小学生や中学生の頃の少女は、きっと彼と結婚するとおもっていた。それくらいの好きがあたしの中にもあったんだ。少しLINEしてみようかなんとなく付き合うけど。
『お久しぶり、元気ですか?あたしは元気です』
『びっくりした。元気だよ』

4年前 3月

「好き、です。付き合ってください」
二人で映画を観た帰り、あたしはその人の家の前で告白した。
「ありがとう」

高校3年8月

『またどこか遊びに行こうよ』
『いいね。』

高校3年9月

「なんで、何でそんなことするの?あたしのこと好きなのかなって思っちゃうよ。また、勘違いしちゃうよ」
「勘違いしていいよ、勘違いじゃないよ。」
今日が人生で一番幸せな日だ。
きっとあたしの人生これ以上しあわせなことなんて、起こらないだろうな。それでもあたしは今日のことを思い出に一生、生きていけるだろうな。
「とても好き」
「俺も」

それから金曜日の夜は、この人と3時間くらい外で話した。学校のことや、バイトのこと、音楽のことや映画のことまではなした。あったかいな。あついけど、あったかいな。

高校卒業後 6月

『今日何食べたい?』
『君の手作りならなんでも』
『わかった』

彼の帰りを待つ時間、すごく幸せな時間だと感じる。寂しいけれど、大事な時間。彼のために料理をし、洗濯をして、掃除をする。とっても幸せな時間。今は、9時22分か。あと30分くらいで帰ってくるから、ご飯作ろう。今日はオムライスです。彼が帰ってきて一緒にいただきますをする。たわいもない話、テレビをつけて、ガキ使でもみよう。決して裕福じゃない彼は、バイトで遅くまで帰ってこない。それでもあたしはこんな日々が幸せだと思う。

「ただいま」
「まってた」
たわいもない、会話が広がる。こんな幸せなときに考えるのは、ここがあたしの最高地点。これ以上、上がることはないのだから、今の幸せを噛み締めて、さがってゆけばいい。ずっとこの思い出を支えに生きていけばいい。こんなふうにひねくれていて、幸せを真っ直ぐに受け止められない自分がとても嫌い。幸せを幸せとしてうけとめられない。これはもう昔からの癖。いつか誰かが、どこかの誰かが、どこかのヒーローが、あたしを助けてくれるんじゃないかって期待してる、期待して、待ってる。

「明日は休み、どこへ行きたい?」
「そうね、せっかく大阪にいるのだから、どこか観光地とかに」
「じゃあ、太陽の塔を見に行こう」

高校3年7月
 
「好きなんでしょ」
「好きだよ」
「じゃあなんで」
「君のことも好きだから」
「残酷」
「残酷だね」
「君とはもうキスしない」
「どうして」
「どうしても」
「君から始めたことなのに、残酷」
「残酷だね」


3年10月

「俺、今日眠れない、かも」
「なにそれ、可愛いね。」
「うるさい」
夜の公園。彼とキスをした。夢、だと思う。こんなこと、あるはずがない。あるはずが、あっていいはずが、ない。あたしなんかがこの人と。キス、だなんて。生涯あたしはこの日を、夢だと思い続ける、ような気になった。
「どうして、付き合わないの」
そう聞くと彼は、俺にはそんな器がないから。付き合って別れたりするのが怖いし、色んなことを知られて嫌われるのが怖いから。と言った。そんなところさえ、大切にされていると、幸せな気分になった。

3年11月

「もう、会うのは控えよう」
「何があったか分からないけど、助けられることがあるなら連絡して」
「ありがとう、たぶん無理。」


卒業後4月

「君のことを他の人に、紹介するよ」
「変わった、告白の仕方だね」
「伝わるか、心配だった」
「伝わるよ、長い時間、過ごしたからね」
「うん、ありがとう」
「始まるよ、映画。」

卒業後9月

「君のことなんか、好きじゃない」
「どうして」
「どうしても」
「いつから」
「いつからでもいいでしょ。今、好きじゃない」
「大事だよ、いつから君は嘘を付いてたの」
「いつからも」
「へぇ。」

卒業後8月

『次はいつ会える』
『運が良ければ、8月中かな』
『あたし、研修があるんだ』
『そういえば、昨日バイトの面接受かった』
『よかったね。』

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...