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【13】MEBIUS初のラブソング
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「それにしてもさすがMEBIUSだわ! 学生バンド限定のライブでここまでお客さんを呼ぶなんて」
海音ちゃんが興奮した様子で話す。
このライブハウスはキャパ千人で当日券は完売。
客層はわたしたちと同い年くらいの子からお父さんお母さんたち世代の人までいて幅広い。
「どうしてMEBIUSのファンだってわかるの?」
今日はMEBIUSの他にも四組の出演者がいる。
パッと見ただけではMEBIUSのファンなのか他の出演者のファンなのか見当がつかない。
「これよ。これ」
海音ちゃんは自分の左手首を指差した。
そこには青色のシリコンバンドが着けられていて、MEBIUSと書かれている。
「このグッズはMEBIUSがライブハウスで販売してるオリジナルグッズよ。つまりこれを着けてる人たちはMEBIUSのファンってわけ。ファンクラブの会員は全員持ってるわ」
前に並ぶ人たちを見てみると海音ちゃんと同じシリコンバンドを着けているひとが大勢いた。
「咲茉は持ってないんでしょ?」
「うん」
グッズが販売されていることすら知らなかった。
「そうだと思ったわ。ほら、これ予備があるからあげる」
新品のシリコンバンドをわたしの手に握らせる海音ちゃん。
「いいの? 大切なものなんじゃ⋯⋯」
「実用以外に保存用と観賞用もあるし、クラス全員に配れるくらいは持ってるから平気よ。MEBIUSを応援するためには着けないと」
クラス全員に配れるってうちのクラスは三十人いるよ⋯⋯?
海音ちゃんがMEBIUSの強火ファンであることを改めて感じる瞬間だった。
他愛もない会話を続けていると、照明が落ちて、ステージにスポットライトが当たる。
会場のボルテージがMAXになったと同時に一組目のライブが始まった。
それから二組目、三組目、四組目と次々に登場していよいよMEBIUSの番がやってきた。
ステージに出てきただけで、歓声が上がる。
中には我妻くんたちの名前を呼ぶ声も聞こえた。
「俺たちと盛り上がる準備はできてますか?」
我妻くんの声がマイク越しに響いて、会場にいたお客さんたちがそれぞれステージに向けて叫ぶ。
「それじゃあ一曲目『空』聴いてください」
知ってる! 動画サイトにあった曲だ。
我妻くんの歌声は動画サイトや音楽室で何度も聴いてきたけれど、ライブハウスで聴く生の声は今まで以上の迫力で雷に打たれたような衝撃を受けた。
我妻くんの魂が叫んでる。
歌が大好きだって。
ドラムを叩く杉浦くんとベースを弾く二階堂先輩だって我妻くんに負けてない。
耳も、目も、心も、全部MEBIUSに持っていかれる。
二曲目は二階堂先輩が作詞した『夢を乗せて』。
三曲目はわたしが初めて聴いたMEBIUSの曲『響け!!!』。
四曲目に入る前に我妻くんが話を始めた。
「次に披露する楽曲はMEBIUS初となるラブソングです」
我妻くんの言葉に会場から黄色い声が上がる。
わたしは今まで盛り上がっていたお客さんたちに自分の書いた歌詞を受け入れてもらえるのか不安と緊張でいっぱいだった。
「最後の曲になります。聴いてください『はんぶんこ』」
他の三曲とは違うバラード調のイントロから曲が始まる。
『帰り道に君と寄ったコンビニ。せーので選んだアイス』
『何十種類もある中で同じものを選んだね』
『ふたりで笑って、はんぶんこしたアイス』
メロディーがつくだけで、こんなにも印象が変わるんだ。
我妻くんの包み込むような歌声が響いて、心に刺さる。
三曲目まで手を前後に揺らして乗っていたお客さんたちがこの曲では左右に手を振りMEBIUSの歌を聴いていた。
『これからもふたりでわけあっていこうよ』
楽器の音が止んで、会場内から拍手が沸き起こる。
「「「ありがとうございました」」」
MEBIUSは最後にお客さんに向けて一礼してからステージを後にした。
海音ちゃんが興奮した様子で話す。
このライブハウスはキャパ千人で当日券は完売。
客層はわたしたちと同い年くらいの子からお父さんお母さんたち世代の人までいて幅広い。
「どうしてMEBIUSのファンだってわかるの?」
今日はMEBIUSの他にも四組の出演者がいる。
パッと見ただけではMEBIUSのファンなのか他の出演者のファンなのか見当がつかない。
「これよ。これ」
海音ちゃんは自分の左手首を指差した。
そこには青色のシリコンバンドが着けられていて、MEBIUSと書かれている。
「このグッズはMEBIUSがライブハウスで販売してるオリジナルグッズよ。つまりこれを着けてる人たちはMEBIUSのファンってわけ。ファンクラブの会員は全員持ってるわ」
前に並ぶ人たちを見てみると海音ちゃんと同じシリコンバンドを着けているひとが大勢いた。
「咲茉は持ってないんでしょ?」
「うん」
グッズが販売されていることすら知らなかった。
「そうだと思ったわ。ほら、これ予備があるからあげる」
新品のシリコンバンドをわたしの手に握らせる海音ちゃん。
「いいの? 大切なものなんじゃ⋯⋯」
「実用以外に保存用と観賞用もあるし、クラス全員に配れるくらいは持ってるから平気よ。MEBIUSを応援するためには着けないと」
クラス全員に配れるってうちのクラスは三十人いるよ⋯⋯?
海音ちゃんがMEBIUSの強火ファンであることを改めて感じる瞬間だった。
他愛もない会話を続けていると、照明が落ちて、ステージにスポットライトが当たる。
会場のボルテージがMAXになったと同時に一組目のライブが始まった。
それから二組目、三組目、四組目と次々に登場していよいよMEBIUSの番がやってきた。
ステージに出てきただけで、歓声が上がる。
中には我妻くんたちの名前を呼ぶ声も聞こえた。
「俺たちと盛り上がる準備はできてますか?」
我妻くんの声がマイク越しに響いて、会場にいたお客さんたちがそれぞれステージに向けて叫ぶ。
「それじゃあ一曲目『空』聴いてください」
知ってる! 動画サイトにあった曲だ。
我妻くんの歌声は動画サイトや音楽室で何度も聴いてきたけれど、ライブハウスで聴く生の声は今まで以上の迫力で雷に打たれたような衝撃を受けた。
我妻くんの魂が叫んでる。
歌が大好きだって。
ドラムを叩く杉浦くんとベースを弾く二階堂先輩だって我妻くんに負けてない。
耳も、目も、心も、全部MEBIUSに持っていかれる。
二曲目は二階堂先輩が作詞した『夢を乗せて』。
三曲目はわたしが初めて聴いたMEBIUSの曲『響け!!!』。
四曲目に入る前に我妻くんが話を始めた。
「次に披露する楽曲はMEBIUS初となるラブソングです」
我妻くんの言葉に会場から黄色い声が上がる。
わたしは今まで盛り上がっていたお客さんたちに自分の書いた歌詞を受け入れてもらえるのか不安と緊張でいっぱいだった。
「最後の曲になります。聴いてください『はんぶんこ』」
他の三曲とは違うバラード調のイントロから曲が始まる。
『帰り道に君と寄ったコンビニ。せーので選んだアイス』
『何十種類もある中で同じものを選んだね』
『ふたりで笑って、はんぶんこしたアイス』
メロディーがつくだけで、こんなにも印象が変わるんだ。
我妻くんの包み込むような歌声が響いて、心に刺さる。
三曲目まで手を前後に揺らして乗っていたお客さんたちがこの曲では左右に手を振りMEBIUSの歌を聴いていた。
『これからもふたりでわけあっていこうよ』
楽器の音が止んで、会場内から拍手が沸き起こる。
「「「ありがとうございました」」」
MEBIUSは最後にお客さんに向けて一礼してからステージを後にした。
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