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セレスティア王立学園編
11.突然の申し入れと王子の怒り
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――現在、目の前にて公爵令嬢と聖女が他人には見せられない表情でお互いを睨みつけています。
ここで若い私であればワタワタと慌てふためく場面なのでしょうが、中身は爺さんと言ってもいい程の精神年齢を持つ私。この程度では動じません。
しかし困りました。
テルルをハルに紹介してテルルには彼女の後ろ盾となってもらおうと思いましたが、二人がどこで出会ったかは気になる所ですが、こうも仲が悪いのであれば後ろ盾の件は上手く行かないみたいです。
……さて、どうしたもでしょうか。
「アレク!なんでこんな性悪聖女を連れて来たのよ」
「誰が性悪よ!この悪役令嬢!」
再び白熱し始めたので流石に間に割って入る。
「まぁまぁ二人とも落ち着いて。二人がどういった経緯で知り合ったのかは分かりませんが、テルル」
「なによ」
「このハルさんを貴方の庇護下に置いてもらえませんか?」
「……」
黙るテルル。そして私の後ろではハルが何か独り言を呟いています。
「私が公爵令嬢の庇護下なんかに入ったらストーリークラッシャーもいいところじゃない。ただ私をイジメる簡単なお仕事でしょうに……あっ」
独り言が聞こえていましたが、聞こえない振りをするのも大人の嗜み。
しかし最後の感嘆詞は何かを思いついたのでしょうか。
「あ、あのね!」
飛び出す聖女。
「テルマイル公爵令嬢様!こ、これまでの無礼大変失礼いたしました!」
深々と頭を下げるハル。
「きゅ、急にど、どうしたの?」
突然の謝罪に腰が引けるテルル。
「お互い不可侵でと言う話でしたが、撤回させて下さい!」
「……撤回していったいどうするおつもり?」
「私を」
「貴女を?」
「どうか私をイジメて下さい!」
「「……は?」」
何を言っているのか理解が追い付かず私とテルルは首をかしげ、彼女の説明が終わるまで頭から「?」マークが点滅していたのは言うまでもない。
――――
――
丁度その頃、中庭を歩く白い制服の3人。
中央に王子アンドレ。
その王子を守る護衛の様に付き従うのは、左に大柄で黒髪短髪ツンツンヘアー軍務大臣の子息ザクスと右に眼鏡を掛けた茶髪ミドルストレートヘアー宰相の子息デリファンである。
デリファンが眼鏡をクッと持ち上げ王子の後ろから声を掛ける。
「王子、保健室にテルマイル様をお一人にしてよろしかったのですか?」
「よろしいもなにも、あの部屋に淑女独りに男が3人も居ては彼女も気が休まらないであろう」
「なるほど。王子の優しいお心遣いに気付かず謝罪致します」
「気にせずともよい」
「はっ」
「そうだぜデリファン、それよりも気になるのはあの眼鏡の野郎の方だろ。な、王子」
「……その通りだ、ザクス。奴の事を調べろ」
「調べろって言われても学園だぞ?聞き込みくらいしか出来ないぞ?」
「私の所の者を使ってもかまわん」
「ぉお!暗部使ってもいいってか!」
「かまわん」
「うひょーそりゃ楽しみだ」
喜び飛び上がるザクスとは裏腹に、王子アンドレは入学式の事を思い出し眉間に皺を寄せ歯ぎしりする。
「(あの者、私の愛するテルマイルにテ、テルル等と気安く……許さんぞ!)」
ここで若い私であればワタワタと慌てふためく場面なのでしょうが、中身は爺さんと言ってもいい程の精神年齢を持つ私。この程度では動じません。
しかし困りました。
テルルをハルに紹介してテルルには彼女の後ろ盾となってもらおうと思いましたが、二人がどこで出会ったかは気になる所ですが、こうも仲が悪いのであれば後ろ盾の件は上手く行かないみたいです。
……さて、どうしたもでしょうか。
「アレク!なんでこんな性悪聖女を連れて来たのよ」
「誰が性悪よ!この悪役令嬢!」
再び白熱し始めたので流石に間に割って入る。
「まぁまぁ二人とも落ち着いて。二人がどういった経緯で知り合ったのかは分かりませんが、テルル」
「なによ」
「このハルさんを貴方の庇護下に置いてもらえませんか?」
「……」
黙るテルル。そして私の後ろではハルが何か独り言を呟いています。
「私が公爵令嬢の庇護下なんかに入ったらストーリークラッシャーもいいところじゃない。ただ私をイジメる簡単なお仕事でしょうに……あっ」
独り言が聞こえていましたが、聞こえない振りをするのも大人の嗜み。
しかし最後の感嘆詞は何かを思いついたのでしょうか。
「あ、あのね!」
飛び出す聖女。
「テルマイル公爵令嬢様!こ、これまでの無礼大変失礼いたしました!」
深々と頭を下げるハル。
「きゅ、急にど、どうしたの?」
突然の謝罪に腰が引けるテルル。
「お互い不可侵でと言う話でしたが、撤回させて下さい!」
「……撤回していったいどうするおつもり?」
「私を」
「貴女を?」
「どうか私をイジメて下さい!」
「「……は?」」
何を言っているのか理解が追い付かず私とテルルは首をかしげ、彼女の説明が終わるまで頭から「?」マークが点滅していたのは言うまでもない。
――――
――
丁度その頃、中庭を歩く白い制服の3人。
中央に王子アンドレ。
その王子を守る護衛の様に付き従うのは、左に大柄で黒髪短髪ツンツンヘアー軍務大臣の子息ザクスと右に眼鏡を掛けた茶髪ミドルストレートヘアー宰相の子息デリファンである。
デリファンが眼鏡をクッと持ち上げ王子の後ろから声を掛ける。
「王子、保健室にテルマイル様をお一人にしてよろしかったのですか?」
「よろしいもなにも、あの部屋に淑女独りに男が3人も居ては彼女も気が休まらないであろう」
「なるほど。王子の優しいお心遣いに気付かず謝罪致します」
「気にせずともよい」
「はっ」
「そうだぜデリファン、それよりも気になるのはあの眼鏡の野郎の方だろ。な、王子」
「……その通りだ、ザクス。奴の事を調べろ」
「調べろって言われても学園だぞ?聞き込みくらいしか出来ないぞ?」
「私の所の者を使ってもかまわん」
「ぉお!暗部使ってもいいってか!」
「かまわん」
「うひょーそりゃ楽しみだ」
喜び飛び上がるザクスとは裏腹に、王子アンドレは入学式の事を思い出し眉間に皺を寄せ歯ぎしりする。
「(あの者、私の愛するテルマイルにテ、テルル等と気安く……許さんぞ!)」
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