8 / 38
春
7.
しおりを挟む
五月になり、ゴールデンウィークが過ぎても、私たちの関係はそんなには変わらなかった。図書室で一緒に勉強して一緒に帰る。そんな関係だ。ただ、何となくクラスでは噂になり始めていた。それはそうだろう。毎日、一緒に図書室で勉強して、一緒に帰っているんだから。彼が彼の友達に私の事をどう言っているのか気になった。付き合っている彼女と言ってくれたら嬉しい気もするけど、それはそれで恥ずかしい気がする。私の方はどうだろう。はっきり言うんだろうか。それは恥ずかしくてできない気がした。
でも、そこまで悩む必要はなかった。私が言う前に、仲の良い子がそれとなく、周囲に伝えてしまったのだ。余計なお節介だよと思うところも少しあったけど、わざわざアピールするのも変だし、そう考えると、ありがたかったのかなとも思った。
彼女は告白以降も、私の事を気にしてくれていて、いろいろと話を聞いてくれる。特別に相談しないといけない事なんてなかったんだけど、彼の事を相談できる相手がいるというのは、それだけで安心出来る事でもあった。前から仲は良かったけど、彼の事があってから、余計に仲が良くなった気がした。
一度、気になって、どうしてそんなに気にしてくれるのと聞いてしまった。彼女は少し考えた後、私にも責任あるかなと思ってと言った。けしかけてしまったと思っているという事だろうか。その後に、単純に人の恋愛話は無責任に言えるから、楽しいんだよとも言っていて、きっとどちらも本音なんだろうなと思った。
どちらかと言えば、保護者のような視線で私たちを見守ってくれているような気もしていた。だから、どうなっているのかは気にしていたし、たまにもっと積極的に付き合うべきだなんてことを言っていたりもした。でも、そんな事を言った後に、言い過ぎたと思うのか、すぐに反省したりもする。そういうところも本当に保護者だなと思ってしまった。
五月も半ばを過ぎると、中間テスト目前となる。受験生である事もあって、最初の定期テストで失敗したくないという気持ちが強くなってくる。幸いにして、そこまで付き合う事に夢中で無かった私たちはそのままテスト勉強に集中していく。
その時期は私たちの間でもテストの話題が多くなった。勉強その物は教える事は無かったけど、帰り道にお互いに問題を出し合ったりもしていた。だんだんとお互いの得意な所、苦手な所が分かっていくのも面白かった。そして、中間テストを迎える。
でも、そこまで悩む必要はなかった。私が言う前に、仲の良い子がそれとなく、周囲に伝えてしまったのだ。余計なお節介だよと思うところも少しあったけど、わざわざアピールするのも変だし、そう考えると、ありがたかったのかなとも思った。
彼女は告白以降も、私の事を気にしてくれていて、いろいろと話を聞いてくれる。特別に相談しないといけない事なんてなかったんだけど、彼の事を相談できる相手がいるというのは、それだけで安心出来る事でもあった。前から仲は良かったけど、彼の事があってから、余計に仲が良くなった気がした。
一度、気になって、どうしてそんなに気にしてくれるのと聞いてしまった。彼女は少し考えた後、私にも責任あるかなと思ってと言った。けしかけてしまったと思っているという事だろうか。その後に、単純に人の恋愛話は無責任に言えるから、楽しいんだよとも言っていて、きっとどちらも本音なんだろうなと思った。
どちらかと言えば、保護者のような視線で私たちを見守ってくれているような気もしていた。だから、どうなっているのかは気にしていたし、たまにもっと積極的に付き合うべきだなんてことを言っていたりもした。でも、そんな事を言った後に、言い過ぎたと思うのか、すぐに反省したりもする。そういうところも本当に保護者だなと思ってしまった。
五月も半ばを過ぎると、中間テスト目前となる。受験生である事もあって、最初の定期テストで失敗したくないという気持ちが強くなってくる。幸いにして、そこまで付き合う事に夢中で無かった私たちはそのままテスト勉強に集中していく。
その時期は私たちの間でもテストの話題が多くなった。勉強その物は教える事は無かったけど、帰り道にお互いに問題を出し合ったりもしていた。だんだんとお互いの得意な所、苦手な所が分かっていくのも面白かった。そして、中間テストを迎える。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる