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夏
3.
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彼女が携帯を持ったという話を聞いて、電話番号やメールのアドレスやらを伝えられた。僕の方から連絡して来てねと言われている気がした。どちらかと言えば、察しが良い方だと思うけど、そうじゃなくても、それは感じる事が出来るだろう。僕は携帯を持っていない、それが幸運なのか、不幸なのか良く分からないけど、そんな僕に連絡して来いというのは割と酷な話だと思う。
でも、彼女の携帯なので、電話すれば出てくるのは彼女だろう。それだったら、意外とハードルは高くない気がした。でも、用事もないのにかけるのもどうなんだろうなと思う。声を聞けたら良いなと思う事が全くないわけじゃないけど、それだけだとハードルは高く感じそうだった。何か分かりやすい理由が無いだろうか。そう考えた時に、デートに誘うのはどうだろうかと思いついた。
これまで何だかんだで実現しなかった事だ。お互い夏期講習で忙しいけど、それでも夏休みだ。一日ぐらいどうにかなるのではと思う。夏休みを逃してしまったら、秋になったら、余計に受験勉強に励まなければならない。そうなると、無邪気にデートなんて考えられないだろう。そう思いつくと、良い思い付きのような気がした。何に誘うのが良いんだろう。
少し思っていたら、テレビで遊園地デートの特集をやっているのを見かけた。如何にもと言う感じだったけど、そのタイミングで、その遊園地のチケットを貰うという偶然が重なり、これは誘うべきなんだろうと思った。
問題は彼女の都合がつくかと言う事だ。僕は一日ぐらい大丈夫だと思っているけど、彼女の方はどうか分からない。休みがあっても、予習復習したいと考えるかもしれない。いずれにしろ、何か連絡すべき理由が出来たのは、何だかホッとする事だった。嬉しいというよりも、ホッとしていたという気持ちが、良かったのかどうか、後になって考えると、悩んでしまうところでもある。
でも、そこまでの事をその時には、考える事は無かったと思う。初めて彼女の携帯に電話した時の緊張を覚えている。彼女の携帯にかけているんだから、彼女が出るのは当然だと思いながら、別の人が出たらどうしよう、なんて言えばいいんだろうと思ったりする。思っている通りに彼女がすぐに出ても、ちゃんとデートに誘う事が出来るのだろうか。そして、彼女から良い返事を貰えるのだろうか。いろいろと考えてしまって、少し躊躇したところはあったけど、それでも勇気を出して僕は電話をした。
でも、彼女の携帯なので、電話すれば出てくるのは彼女だろう。それだったら、意外とハードルは高くない気がした。でも、用事もないのにかけるのもどうなんだろうなと思う。声を聞けたら良いなと思う事が全くないわけじゃないけど、それだけだとハードルは高く感じそうだった。何か分かりやすい理由が無いだろうか。そう考えた時に、デートに誘うのはどうだろうかと思いついた。
これまで何だかんだで実現しなかった事だ。お互い夏期講習で忙しいけど、それでも夏休みだ。一日ぐらいどうにかなるのではと思う。夏休みを逃してしまったら、秋になったら、余計に受験勉強に励まなければならない。そうなると、無邪気にデートなんて考えられないだろう。そう思いつくと、良い思い付きのような気がした。何に誘うのが良いんだろう。
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