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4番バッターの夢
7.
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結局、午前中の講義に充は出席しなかった。僕と三ヶ嶋君は充が来たら詳しい事情聴取を行う事で合意したのだが、肝心の本人が来なくては何も出来なかった。少し前まではどうとっちめてやろうかなんて、盛り上がっていたのだが、それもちょっと落ち着いていた。
そうなると、今度は何となく男二人で学食で食事をしているのが寂しいような気もしてきた。別に普段とそんなに変わりある事ではないのに、突然にそんな風に感じるのは何なんだろうと思ってしまった。
一応、断っておくけど、僕は沢島さんに気がある訳ではない。それはとりあえずは間違いない事で、そういう点で、充と沢島さんが話していた事に嫉妬していたとか、そういう気持ちは無かった。ただ、分かりやすい感情として、何となく羨ましいなと言う思いを抱いていたのかもしれないと思ったりする。そういうのを冷静に分析している自分と言うのもちょっと嫌だったりする。
ちょっと冷静になってしまった僕と三ヶ嶋君は特に会話も無く淡々と食事をする。そういうのも別に珍しい事ではないのだけど、何となく微妙な感じになってしまった。
午後の最初の時間は講義が入っていなかったので、課題を進めるつもりだったけど、そんな雰囲気のまま、何となく時間は過ぎて僕はなかなか課題に集中する事が出来なかった。三ヶ嶋君は熱心にやっているようだったけど、時折、充が早く来ないかと気にしているようだった。
結局、空いた時間に少しでも課題を進めるという僕の考えは失敗に終わってしまう。別に誰かのせいという事ではないはずなのに、僕は充のせいという事で自分自身に納得させる事にした。もう、今日は大学を休むつもりなのかと思うと、また更にモヤモヤした気分になっていた。
特別に何かをしたわけでもないのに、勝手に疲れてどんよりしていた僕だったが、それでも午後の残りの講義には出ないといけないとわずかばかりの気力を振り絞る事にした。講義が終わった、その残り少ない気力で少しでも課題を進めると心に決めた。
来ない充の事は気にしてもしょうがない。そんな風に割り切ろうとした。でも、そんな風に考え始めると、当然のようにそれが邪魔される。満面の笑みをたたえて、充が登場したのだった。
別に何をされた訳でもないのに、その顔を見ただけで、ちょっとイライラしてしまった。石でもぶつけてやろうかと少しだけ本気で思ったけど、近くに石が転がっていなかったので、実現するには至らなかった。
そうなると、今度は何となく男二人で学食で食事をしているのが寂しいような気もしてきた。別に普段とそんなに変わりある事ではないのに、突然にそんな風に感じるのは何なんだろうと思ってしまった。
一応、断っておくけど、僕は沢島さんに気がある訳ではない。それはとりあえずは間違いない事で、そういう点で、充と沢島さんが話していた事に嫉妬していたとか、そういう気持ちは無かった。ただ、分かりやすい感情として、何となく羨ましいなと言う思いを抱いていたのかもしれないと思ったりする。そういうのを冷静に分析している自分と言うのもちょっと嫌だったりする。
ちょっと冷静になってしまった僕と三ヶ嶋君は特に会話も無く淡々と食事をする。そういうのも別に珍しい事ではないのだけど、何となく微妙な感じになってしまった。
午後の最初の時間は講義が入っていなかったので、課題を進めるつもりだったけど、そんな雰囲気のまま、何となく時間は過ぎて僕はなかなか課題に集中する事が出来なかった。三ヶ嶋君は熱心にやっているようだったけど、時折、充が早く来ないかと気にしているようだった。
結局、空いた時間に少しでも課題を進めるという僕の考えは失敗に終わってしまう。別に誰かのせいという事ではないはずなのに、僕は充のせいという事で自分自身に納得させる事にした。もう、今日は大学を休むつもりなのかと思うと、また更にモヤモヤした気分になっていた。
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