夢ノコリ

hachijam

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旅行の前の日の夢

7.

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少し早めに家を出るか悩んだけど、結局はいつもの時間に家を出る事にした。まだ、夢の事が気になっていて、課題を提出するまでは油断できないと考えていたけど、そこまで神経質になる事は無いと思う部分もある。電車が遅れて遅刻と言う可能性も考えられたけど、それで課題の提出が出来ないという事も無いだろうと思っていた。おそらく講義の終わりに集めるので、そこまでに間に合えばいいし、そこも間に合わなければ、今日中に教授の研究室まで届ければ大丈夫なはずだ。そこまで考えて、気にしているのは課題の事だけではないんだろうなと少し思う。

気にしている事が全くないわけでは無かった。それが何なのかはすぐに分かった。充の事だった。充の話が全然聞けていない状態だった。課題の事があったというのもその理由のひとつではあったけど、それでも、ここまで話を聞けていない事にはモヤモヤしていた。避けられているのかと思うのは、考え過ぎだろうか。そう考えるのは嫌だなと思い、課題の事もあったので、とりあえず、そこまでは我慢する事にしていた。それで課題に目処が立った今、気になり始めたというのは辻褄が合う気がした。そう考えてしまうと、そうとしか思えなかった。今日こそはどういうことなのかちゃんと説明してもらおうと変な風に張り切っていた。

電車が遅れる事なく、いつもと同じように駅に着き、特にトラブルも無く大学までたどり着く。いつもの電車に乗れば、遅刻を心配する事は普段は無いけど、締め切りがある日は無事にたどり着いて、チョットする部分があるのも事実だった。僕と同じ様に考えている人が多いのだろうか。普段より、早めに人が集まっている気がする。何だかんだで課題の話をしているが、さすがにこの時間だと慌ててどうこうという人はいないようだった。無理矢理にでも体裁を整えて出せるようにしたと自慢するように言っている人の声が耳に入ったりもした。

周りの人の声が耳に入り過ぎると、だんだん、自分のが大丈夫なのか不安になってきそうなので、なるべく話を聞かないようにして、周りを見回した。三ヶ嶋君はすでにいて、その隣座る。

「課題どうした?」

と三ヶ嶋君が聞いてくる。

「どうにか終わらせた。とりあえず、大丈夫だと思うけど…」

自身があるような無いような、無難な返事をしておく。

「まあ、そうだよな」

三ヶ嶋君もそんな風に返してきた。僕は課題を取り出して、表紙に掛かれている自分の名前を確認する。何度も見たような気もするけど、中身も一応確認する。最後の確認のつもりだ。この段階で間違いを見つけてもどうにもならないので、意識して中身を確認するような事は無かった。
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