夢ノコリ

hachijam

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カギを失くした夢

3.

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カギを失くした夢
開かないドア
合わないカギ

いつものように日記に書く。何だか怒った気分になっていた気もしてきて、それを書くか少し迷う。でも、結局、書かなかった。何だかバツが悪い気がしたからだ。

何となく大学に行くのが面倒くさいなと思う。張り切って、元気よく毎日大学に通うなんて事は、小学生でも無いし、ありえないのだけど、それでもだるいなと思ってしまうのは、充の事があるからだろうか。

一昨日、話を聞いて、翌日の昨日、やたらと浮かれている充がいた。内緒にしていた事を話して、何も隠す必要が無くなったからだろうか、その態度に何だか疲れてしまった。何日かすれば少しは落ち着くだろうと思うけど、今日だとまだそのノリが続いていそうで、疲れるなと思ってしまった。

でも、それだけの理由では休む気にはなれない。体調不良で休みたいというのも、無理矢理な気もするし、むしろ、休んだら負けのような気もしてきた。何に負けるのかは良く分からにけど。

結局のところ、大学に行かないという選択肢はないんだなと思う。何で、こんなに充の事を気にしなければいけないんだと思い。考えを違った方向にシフトしようとした。

ぼーっとしていたら、何となく夢の事を思い出した。夢の中だけど、怒ってしまって恥ずかしいと思ってしまった。女の子に嫌われていないかなと、そんな事も気になってしまう。

でも、意地悪だったのは向こうの方だったと思う。そうだ、そうだと納得した感じになったけど、それでもこっちがムキになる必要は無かった。余裕がある落ち着いた感じで対応できなかったのかとか、反省してしまった。

何で自分の夢の中の事で反省しないといけないんだと考えると、またちょっと腹が立って、腹が立っている自分にまた腹が立つみたいな悪循環になってしまった。違う事を考えるというのには成功したけど、スッキリした気分になるというのには、見事に失敗した感じだ。結局、どんよりとした気分で家を出る事になった。

家を出てすぐに、夢の中の事が気になったのか、財布の中に家のカギがある事を改めて確認してしまった。普段、あまり意識する事が無く、そこにある物が当然だと思っているカギを失くしたらどうしたら良いんだろうとふと思った。

カギ屋さんに頼んでカギを開けてもらうのかなと現実的な事を少し思った。小さな物だけど、とても大事な物で無いと困るんだろうと思う。そう言えば、夢の中で金色のカギを探すように女の子に頼まれていた事を思い出す。それは夢の中の事なんだけど、やっぱり、困っているんだろうかとちょっと思った。ちゃんと探した方が良いのか、と言うか、探して見つかるところにあるのか、ちょっと気になった。
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