夢ノコリ

hachijam

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筋トレをする夢

4.

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そもそも何で筋トレを始めたのか、激しい筋肉痛の中、僕は3日前の事を思い出す。その時には、充の何とも言えないのろけのような話を聞かされるのにも何となく慣れていて、軽く受け流しながら、それでもみんなで遊びに行くという話になると、僕もやっぱり自然と興味を示してしまった。三ヶ嶋君も同様のようで、当たり前のように食いついてきた。

僕たちの一貫した結論しては、やっぱり、夏だから夏らしい事をしたいというのでまとまっていた。夏と言えばと言うお題目であーでもない、こーでもないみたいな話がダラダラと続いていき、なかなか結論を出せなかった。そんな時に充が言ったのが、

「ひとつに決める必要があるんだっけ?」

という物だった。何でそう思わなかったんだろう。言われてみれば、その通りで、せっかくの夏なんだから、やりたい事全部やればいいんだと気が付いたのだ。一度にと限定しなければ、選択肢はいろいろとある事に当たり前のように気が付いた。

向こうが忙しかったら限られる事はあると思うけど、少なくとも、僕は試験が終われば、基本的には暇な夏休みで、恐らくそれは三ヶ嶋君も充も同じような物なのではと勝手に思っていた。だったら、やりたい事を順番に上げて、提案していけば良いのではと思った。という事であがった案が、海、プール、バーベキュー、花火だった。

特に充は夏なんだから、海かプールには絶対行かないとダメだと主張した。その理由に若干と言うか、それ以上の邪な物を感じたが、そこは僕も三ヶ嶋君も納得するところもあって、否定する事はもちろんなかった。

そこで気が付いたのは、という事は僕たちも水着になるという事だった。当たり前の事なんだけど、それに気が付いた時に、自分の貧相な体がちょっと情けないのではと思ってしまった。でも、それを理由にして、その提案を否定する選択肢は僕には無かった。

だったら、どうすれば良いか。貧相な体を改善すれば良い。だったら、筋トレだという安直な考えに至る。こうして、その時、僕は筋トレをする事をこっそりと決意した。

ちなみにその後、話はまとまり、まずは日付が決まっている花火大会に誘う事で落ち着いた。テストが終わったすぐ後というので、日程的にも丁度良いと思った。結構、大きな花火大会で誘いやすい気もした。海やプールはその後になりそうだ。だったら、多少の時間はある。試験勉強と同時に筋トレを始めなければならないと強く思っていた。
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