夢ノコリ

hachijam

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暑い夢

2.

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何となくで調子に乗ってしまう自分は良いのか悪いのかどっちなんだろう。そんなことを思う。どちらかと言えば、ネガティブな方を想像してしまう自分にしては珍しい事のようにも思える。それだけ浮かれているのだろうか。でも、浮かれるような事なんだろうか。ちょっと冷静になって考える。ただ、映画に誘われただけだ。それ以上でも、それ以下でも無いし、何よりも話だけで、一応、来週と言う話だけど、具体的な事は何も決まっていない。そうだ、そうだ。そう、冷静になればなるほど、浮かれている自分と言うのを意識してしまう。

それでも、もしもだよ、もしも。そう言いながら自分の妄想が広がってしまう。告白されたらどうしよう。それはどっか頭の片隅にあったことなのか、この際、妄想と言う事で許してもらおう。

どう告白されるんだろうか。好きですと、直接言われるのか、それとも、付き合ってみようかとか、思わせぶりに言われるのか。良い雰囲気になって黙って手をつながれるとかだったら難易度は高そうだ。それを自分は察する事が出来るのか。

返事はどうするんだろう。格好良く、僕も好きだとか、良いよとか思う。あれ、肯定前提だけどそれで良いのか。別に拒否する理由も無いか。その辺の葛藤は妄想なので割愛する。

いや、そもそも、告白させて良いのだろうか。こういうのは僕から告白するものじゃないのか。昔から好きでした、そうなのか。再会したのは運命だったんだ、本当か。格好良いのか、分からないような言葉が浮かんでいちいち突っ込んでしまった。

ふーっと息を吐いた。多分、暑さだけでは無くて無性に熱さを感じてしまった。何だか恥ずかしくなる。でも、油断するとまたすぐにいろいろと妄想してしまいそうだった。

もしもの可能性と言うのを考えた方が良いんだろうか。何か自分がどう考えているのか分からない。凄く単純に言えば、自分がどう考えているかが大事で、好きで告白したいと思うなら、すればいいと思う。もちろん、その後は相手の返事次第になるんだけど、告白までは許されるだろう。自分はそうしたいのかどうかと言うのが、何度も考えるけど、分からない。

充とか三ヶ嶋君の様子とか見ていると、羨ましいと思う部分はある。それを理由にして、自分も彼女が欲しいと思っている部分も少なからずあると思う。そういうので告白したいと思っているのではと思ってしまう。

そんなに難しく考える事なんだろうかとも思う。何となく気になっている存在だから、それだけの理由でも本当は良いのかもしれない。大げさにいろいろと考え過ぎなんだよなと思ったりする。
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