夢ノコリ

hachijam

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雨が降りそうな夢

6.

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とりあえず、赤岡さんは家に連絡して状況を説明した。その結果、僕の提案が受け入れられた。勇君はまだ少しふてくされていた表情をしていたけど、赤岡さんと出かける事になったのは嬉しいようで機嫌は少しずつ直っていた。しかも、自称恐竜博士の勇君は恐竜の展覧会に行くことが夏休み最大の楽しみだったようで、それが中止にならずにホッとしているようだった。

電車に乗ると、途端に今回の恐竜の展覧会が如何に素晴らしいかを語り出した。僕は世界最大級という単語しか覚えていなかったけど、見どころはそれだけでなく、最近、発見されたばかりの化石が見られるんだそうだ。それはすごいねと言ったら、興奮して頷いていた。

赤岡さんは、近所のお姉さんみたいな表情で、楽しそうに恐竜について語る勇君を温かい目で見ていた。子供連れで家族連れみたいと思ったけど、いやいや、まだ、こんな大きな子供がいる年齢じゃない、弟ぐらいだと思う事にした。

何の恐竜が好きと聞かれて、少し迷ったけど、すぐに浮かんだのはトリケラトプスだった。勇君に言わせると、渋い所を突いているのだそうだ。いや、結構、メジャーな方だと思ったけど、言わないでおく。ちなみに赤岡さんは、プテラノドンが好きだそうで、それに対しては、イケてるねと言う評価をしていた。何が基準なのかは良く分からない。

勇君は何が好きなのと聞いてみたら、あれこれとあげて真剣に悩み始めてしまった。僕が知らないような名前の恐竜と言うのも知っていて、それぞれ良さがあるから、ひとつには決められないそうだ。

そんな話をしながら、電車は目的地に着いた。展覧会が開かれている博物館は、その駅から少し歩くみたいだ。暑いのでバスとか無いのかなと思ったけど、赤岡さんも、勇君も歩く気満々だったので、黙って従う事にした。

勇君は、去年もこの博物館に恐竜を見に来ていたようで、道順も覚えていた。張り切ってドンドンと進む。僕が迷子になってはしょうがないので、汗だくになりながら、それに必死についていった。赤岡さんも暑そうな表情はしていたけど、歩くのは平気そうだった。

大きな公園の中にその博物館はあった。如何にも博物館という感じの博物館だった。こういう展覧会に来たのはいつ以来だろうか。それこそ、僕も子供の頃に、どっかの博物館に恐竜の化石を見に行った事があるような気がした。あれはどこだったんだろう。もしかして、ここだったりするのかなと少しだけ思った。
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