夢ノコリ

hachijam

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文句を言われる夢

6.

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そこに立っていたのは沢島さんだった。振り返ってドアの方を向いたら、そこにいた。充はじっと見ているが、声を掛けようか迷っている感じだった。普段だったら、すぐに声掛けるだろうに変だなと思う。僕が声を掛けた方が良いんだろうか、少し迷っていたら、充に気が付いたようで、近づいてきた。何となく雰囲気は怒っているような感じがしたが、表情としては無表情と言う感じで、いつもと変わらない気もする。

僕がいる事に気が付いていないみたいだなと思う。近くに気て、僕にいる事に気が付いて、困惑した表情になった。僕がいるとまずいのだろうか。でも、僕は充に頼まれてここにいてくれと言われたんだと思う。何となく、充が頼みたかった事が分かる気がする。二人の間に何かあって、それをどうにかして欲しいという事だろう。ただ、何があったのかは良く分からない。あまり難しい事だと厄介だなと思う。僕に仲裁できるような事なんだろうか。

「それで何の用?呼び出して」

沢島さんは僕の隣に座ると、充の方を見て言った。僕の事は無視する事にしたみたいだ。そうだ、その方が良い、僕は空気になろうと思う。

「いや、あれ、そうだ。なあ、羽田」

何だか分からなまま、名前を呼ばれる。慌てふためいた充を見ていると、妙に落ち着いてしまった。とりあえず、空気になった僕は充の言葉を無視する。

沈黙が流れる。そのタイミングでお店の人が来て、注文を取る。沢島さんはアイスティーを頼んだ。ちょっと空気が変わった気がして、そのタイミングを逃さないように、充が

「ごめん」

と頭を下げた。何をやらかしたんだろう。まさか、浮気。その修羅場につき合わされているのか、ため息をつきたくなったけど、空気の僕は我慢する。

「謝られても困るんですけど」

けんもほろろだ。でも、悪い事をしたのであれば、ひたすら謝るべきだ。心の中で充に言う。

「本当にごめん」

また、頭を下げる。沢島さんがどんな表情をしているのか気になる。

「だから…」

そう言いながら、言葉が詰まった。表情を見て見たら、顔を真っ赤にして涙をこらえているようだ。泣かれても僕は空気のままでいた方が良いんだろうか。それとも、訳が分からないけど、仲裁した方が良いんだろうか。そもそも、何で僕なんだ。こういう時は、大人の対応が取れる三ヶ嶋君の方が良かっただろう。そんな事を思い始める。何か、だんだんと僕自身が不機嫌になってきた。

だから、空気である事を止めて、勇気を出して一言言った。

「あの…」
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