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会議をする夢
4.
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結局、三十分ぐらい遅れて三ヶ嶋君が来た。
「悪い悪い」
と申し訳なさそうな顔をしている。
「忙しいの?」
と聞いてみたら
「うーん」
と言っていた。否定はしないらしい。
「バイト?」
と僕、
「いや、遊び歩いてんるだろ」
と充、
「まあ、両方かな」
と三ヶ嶋君が言って笑った。
三人で会うのは久しぶりな気がしたけど、この間も会ったと思い出す。その時は、充と会って、その後、沢島さんが来て、帰った後、三ヶ嶋君を呼び出したという流れだ。純粋な意味での、純粋な意味と言うのがどういう事なのか良く分からないけど、三人と言う意味では久しぶりなのかもしれない。夏休みに入ってからは初めてだ。だから、そう感じたのかもしれない。
誰か一人でも別の人が入ると、変わる雰囲気と言うのがあって、それが誰かが気になっている女の子だったりすると、余計にその影響が出るのかもしれないと思ったりした。要するに緊張感の欠片も無いだらけた雰囲気と言う事だろう。
会うまでは、ミスター学園祭の事に関して、真面目に情報交換しないといけないと考えていたけど、そういうのもどうでもいいかなと言う気分になってしまう。
ダラダラとくだらない事を喋り続ける。意識して、そういう話題を避けている訳では無く、そうなってしまうのは心地よいんだけど、今日はそれだけじゃダメだと思い直す。
「で、どんな感じになっているの?」
と、話に一区切りついたところで、僕から言ってみた。何の事と説明しなくても分かる。そもそもはそれを目的に集まっているのだから。
「ミスター学園祭だろ。どうなんだろうね」
そうちょっと疲れたように言ったのは、三ヶ嶋君だった。
「申込用紙は書いた?」
「一応、書いたんだけど、それじゃダメだって突き返されたんで、直してます」
「突き返されるの?」
驚いて聞く。
「ああ、提出して返されたんじゃなくて、推薦者がお気に召さないみたいで…」
どうやら、加山さんのチェックが入って、書き直しとなったようだ。
「そうなんだ。厳しいね…」
同情するように言う。
「厳しいね。そこまで拘るとは思っていなかったよ。正直、並のレポートより、合格点を取るのは難しいね」
冗談めかして言っているけど、割と本当なんだろうなと思ってしまった。
「結局、大丈夫だったんだ?」
「あ、そうそう。そこはね、大丈夫だった。許可は意外と簡単に下りたんだけど、というか、実は申し込めたら良いと考えていたみたい」
三ヶ嶋君はそういうと、小さくため息をついた。
「悪い悪い」
と申し訳なさそうな顔をしている。
「忙しいの?」
と聞いてみたら
「うーん」
と言っていた。否定はしないらしい。
「バイト?」
と僕、
「いや、遊び歩いてんるだろ」
と充、
「まあ、両方かな」
と三ヶ嶋君が言って笑った。
三人で会うのは久しぶりな気がしたけど、この間も会ったと思い出す。その時は、充と会って、その後、沢島さんが来て、帰った後、三ヶ嶋君を呼び出したという流れだ。純粋な意味での、純粋な意味と言うのがどういう事なのか良く分からないけど、三人と言う意味では久しぶりなのかもしれない。夏休みに入ってからは初めてだ。だから、そう感じたのかもしれない。
誰か一人でも別の人が入ると、変わる雰囲気と言うのがあって、それが誰かが気になっている女の子だったりすると、余計にその影響が出るのかもしれないと思ったりした。要するに緊張感の欠片も無いだらけた雰囲気と言う事だろう。
会うまでは、ミスター学園祭の事に関して、真面目に情報交換しないといけないと考えていたけど、そういうのもどうでもいいかなと言う気分になってしまう。
ダラダラとくだらない事を喋り続ける。意識して、そういう話題を避けている訳では無く、そうなってしまうのは心地よいんだけど、今日はそれだけじゃダメだと思い直す。
「で、どんな感じになっているの?」
と、話に一区切りついたところで、僕から言ってみた。何の事と説明しなくても分かる。そもそもはそれを目的に集まっているのだから。
「ミスター学園祭だろ。どうなんだろうね」
そうちょっと疲れたように言ったのは、三ヶ嶋君だった。
「申込用紙は書いた?」
「一応、書いたんだけど、それじゃダメだって突き返されたんで、直してます」
「突き返されるの?」
驚いて聞く。
「ああ、提出して返されたんじゃなくて、推薦者がお気に召さないみたいで…」
どうやら、加山さんのチェックが入って、書き直しとなったようだ。
「そうなんだ。厳しいね…」
同情するように言う。
「厳しいね。そこまで拘るとは思っていなかったよ。正直、並のレポートより、合格点を取るのは難しいね」
冗談めかして言っているけど、割と本当なんだろうなと思ってしまった。
「結局、大丈夫だったんだ?」
「あ、そうそう。そこはね、大丈夫だった。許可は意外と簡単に下りたんだけど、というか、実は申し込めたら良いと考えていたみたい」
三ヶ嶋君はそういうと、小さくため息をついた。
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