260 / 275
会議をする夢
6.
しおりを挟む
「それより、羽田の方はどうなんだよ」
自分の事はもういいだろという風に、三ヶ嶋君が僕に話を振ってきた。
「何が?」
何の事を言われているのか、分かっていながらそう答える。どう答えていいのか、良く分からないからだ。
「みどりちゃんとの事だよ」
充が示し合わせたように言った。本当に示し合わせていたのかもしれない。
「何が?」
ともう一度言ってみる。
「とぼけっちゃって、デートに行ったって話は聞いているんだよ」
そう言えば、この間もそんな事を言っていた気がする。そこに沢島さんが現れてうやむやになったのだ。
言い訳めいた事を口にするのも変だと思い、一緒に出掛けた事を話す。務めて冷静に、その間中、充はニヤニヤしっ放しだった、三ヶ嶋君は真面目な表情をしているが、でも、ニヤニヤしそうな雰囲気はあった。
「良い雰囲気じゃん。告白しちゃえよ。付き合っちゃえ、付き合っちゃえ」
充が茶化すように言う。少しムッとする。
「まあまあ、そんな怒るなよ」
三ヶ嶋君に言われて、確かにと思う。充の顔を見ていると怒るのが馬鹿らしくなる。
「そうだね。勝手に言っててください」
そう冷淡に言う。
「何だよ、それ。人の話の時は煽るくせに」
ちょっとすねたように充が言う。言われて、確かにそうだなと思ってしまう自分がいた。三ヶ嶋君の時とか、充の時とか、はしゃいでいた気もする。そう言われると、悪い事をしていたのかもしれないと思う。ちょっと、気まずい雰囲気になる。
「まあまあ、そこら辺はお互い様だからさ。あんまり、ムキにならないで」
三ヶ嶋君が諭すように言う。
「悪い、ちょっと言い過ぎた」
「いや、ごめん」
気まずさは残ったけど、ちょっとホッとした。
「で、どうなの?」
でも、三ヶ嶋君の追及の手は緩まなかった。茶化していない分、逃げられない気もする。なかなか、抜かりが無いと思ってしまう。ここまで含めて、連携を組んでいたのではと思ってしまう。
「別にどうもこうも無いよ。ただ、出かけただけだから」
同じことを言っている気もしたけど、そう答えた。そう、あくまで一緒に出掛けただけだ。
「何だ、つまらない」
また、少し茶化すように充が言ったけど、今度はムキにならずに済んだ。
「期待外れですいません」
そんな軽口を叩く。充もこれ以上言うと、また気まずくなると思ったのか、追及してこなかった。
「でも、推薦してもらうんだろう」
むしろ、三ヶ嶋君の方の追及の方が厳しくなっている気がする。冷静に言われる分、たちが悪いと思う。
自分の事はもういいだろという風に、三ヶ嶋君が僕に話を振ってきた。
「何が?」
何の事を言われているのか、分かっていながらそう答える。どう答えていいのか、良く分からないからだ。
「みどりちゃんとの事だよ」
充が示し合わせたように言った。本当に示し合わせていたのかもしれない。
「何が?」
ともう一度言ってみる。
「とぼけっちゃって、デートに行ったって話は聞いているんだよ」
そう言えば、この間もそんな事を言っていた気がする。そこに沢島さんが現れてうやむやになったのだ。
言い訳めいた事を口にするのも変だと思い、一緒に出掛けた事を話す。務めて冷静に、その間中、充はニヤニヤしっ放しだった、三ヶ嶋君は真面目な表情をしているが、でも、ニヤニヤしそうな雰囲気はあった。
「良い雰囲気じゃん。告白しちゃえよ。付き合っちゃえ、付き合っちゃえ」
充が茶化すように言う。少しムッとする。
「まあまあ、そんな怒るなよ」
三ヶ嶋君に言われて、確かにと思う。充の顔を見ていると怒るのが馬鹿らしくなる。
「そうだね。勝手に言っててください」
そう冷淡に言う。
「何だよ、それ。人の話の時は煽るくせに」
ちょっとすねたように充が言う。言われて、確かにそうだなと思ってしまう自分がいた。三ヶ嶋君の時とか、充の時とか、はしゃいでいた気もする。そう言われると、悪い事をしていたのかもしれないと思う。ちょっと、気まずい雰囲気になる。
「まあまあ、そこら辺はお互い様だからさ。あんまり、ムキにならないで」
三ヶ嶋君が諭すように言う。
「悪い、ちょっと言い過ぎた」
「いや、ごめん」
気まずさは残ったけど、ちょっとホッとした。
「で、どうなの?」
でも、三ヶ嶋君の追及の手は緩まなかった。茶化していない分、逃げられない気もする。なかなか、抜かりが無いと思ってしまう。ここまで含めて、連携を組んでいたのではと思ってしまう。
「別にどうもこうも無いよ。ただ、出かけただけだから」
同じことを言っている気もしたけど、そう答えた。そう、あくまで一緒に出掛けただけだ。
「何だ、つまらない」
また、少し茶化すように充が言ったけど、今度はムキにならずに済んだ。
「期待外れですいません」
そんな軽口を叩く。充もこれ以上言うと、また気まずくなると思ったのか、追及してこなかった。
「でも、推薦してもらうんだろう」
むしろ、三ヶ嶋君の方の追及の方が厳しくなっている気がする。冷静に言われる分、たちが悪いと思う。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる