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会議をする夢
7.
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「話の流れで仕方なくだよ。そもそも、沢島さんが困っているから協力と言う話でしょ」
そう言って誤魔化す。ん、誤魔化しているのか、とも思う。
「まあ、そうだね」
三ヶ嶋君は何かを確信したように言う。何を確信したのか、聞きたくなったけど、墓穴を掘りそうなので止めておく。
「でも、気にはなってると…」
断言するように言う。
「…」
はいともいいえとも言えない。どっちも違う気がしたから。
「なるほどね」
三ヶ嶋君は納得したように言い、充はニヤニヤしている。何か、謀られている気がした。
「いやね。気になっているのは俺じゃなくて加山さん」
「そうそう、俺の方も俺じゃなくて、岬ちゃん」
嘘つけと思うけど、それも全くないわけでもないと思う。
「なにそれ」
ふてくされたように言う。
「赤岡さんを傷つけるような事するなって事みたいよ」
「そうそう、心配しているみたい」
そんなことしているだろうか。と言うか、そこまでの関係でもないだろう。ただ、ちょっと出かけただけなんだから。加山さんも沢島さんも何か勘違いしているのではと思う。
「それいうなら、僕の方じゃないでしょ。お付き合いしている、お二人こそ、彼女たちを傷つけないようにした方が良いんじゃないですか」
精一杯、言ってみる。充と三ヶ嶋君は僕の意見を聞くと、お互いに顔を見つめて
「なるほど」
「確かに」
と言った。そこは納得するんだと思ってしまった。結局、良く分からないけど、僕と赤岡さんの事をみんなが気になっているみたいだ。仲間内の恋愛話だから気になっているのかなとも思うし、僕と赤岡さんだけ、フリーな状況なのでくっつけてしまえと言う思惑があるのか、それは思いすぎかもしれないけど、とか妄想してしまった。それは嬉しいような迷惑なような複雑な気持ちだったけど、赤岡さんの気持ちは良く分からない。何よりも僕自身の気持ちと言うのが、やっぱり、良く分からなかった。
直感的に付き合い始めた充と沢島さん、お試し期間で付き合っている三ヶ嶋君と加山さん。それぞれの間にどういう感情のやり取りがあるのかは分からない。外から見た僕の目からはとても分かりやすく付き合っている気がするけど、そんなに分かりやすい理由と言うのがあるのだろうか。それを聞いてみたい。
でも、二人にそんな事を聞いても、多分、分からないと答える気がする。そんなはっきりとした理由なんて見つからないのかもしれない。そういうとこを考えるのがダメな所なのかもしれないと思ったりした。
そう言って誤魔化す。ん、誤魔化しているのか、とも思う。
「まあ、そうだね」
三ヶ嶋君は何かを確信したように言う。何を確信したのか、聞きたくなったけど、墓穴を掘りそうなので止めておく。
「でも、気にはなってると…」
断言するように言う。
「…」
はいともいいえとも言えない。どっちも違う気がしたから。
「なるほどね」
三ヶ嶋君は納得したように言い、充はニヤニヤしている。何か、謀られている気がした。
「いやね。気になっているのは俺じゃなくて加山さん」
「そうそう、俺の方も俺じゃなくて、岬ちゃん」
嘘つけと思うけど、それも全くないわけでもないと思う。
「なにそれ」
ふてくされたように言う。
「赤岡さんを傷つけるような事するなって事みたいよ」
「そうそう、心配しているみたい」
そんなことしているだろうか。と言うか、そこまでの関係でもないだろう。ただ、ちょっと出かけただけなんだから。加山さんも沢島さんも何か勘違いしているのではと思う。
「それいうなら、僕の方じゃないでしょ。お付き合いしている、お二人こそ、彼女たちを傷つけないようにした方が良いんじゃないですか」
精一杯、言ってみる。充と三ヶ嶋君は僕の意見を聞くと、お互いに顔を見つめて
「なるほど」
「確かに」
と言った。そこは納得するんだと思ってしまった。結局、良く分からないけど、僕と赤岡さんの事をみんなが気になっているみたいだ。仲間内の恋愛話だから気になっているのかなとも思うし、僕と赤岡さんだけ、フリーな状況なのでくっつけてしまえと言う思惑があるのか、それは思いすぎかもしれないけど、とか妄想してしまった。それは嬉しいような迷惑なような複雑な気持ちだったけど、赤岡さんの気持ちは良く分からない。何よりも僕自身の気持ちと言うのが、やっぱり、良く分からなかった。
直感的に付き合い始めた充と沢島さん、お試し期間で付き合っている三ヶ嶋君と加山さん。それぞれの間にどういう感情のやり取りがあるのかは分からない。外から見た僕の目からはとても分かりやすく付き合っている気がするけど、そんなに分かりやすい理由と言うのがあるのだろうか。それを聞いてみたい。
でも、二人にそんな事を聞いても、多分、分からないと答える気がする。そんなはっきりとした理由なんて見つからないのかもしれない。そういうとこを考えるのがダメな所なのかもしれないと思ったりした。
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