夢ノコリ

hachijam

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ヒーローになる夢

9.

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想定していたよりも早く家に戻って来てしまい、何とも微妙な気分だった。水族館だけでなく、もっといろいろと行くのかなと思っていただけに拍子抜けしていた。と、同時にあれ以上、一緒にいて楽しめたのかと言うのも分からなかった。何か予定が決まっていれば別だけど、そうじゃない状態で、ダラダラと過ごす事になったら、せっかくの楽しい雰囲気もダメになったのではとも思う。お互いに気をつかっていた部分はあって、疲れを感じ始めていたのも事実だった。

そう考えると、赤岡さんと加山さんが用事があると言ったのは好都合だったのかもしれない。もしかしたら、そこまで考えていたのだろうか。楽しい雰囲気で、ちょっと物足りなさを感じて別れたというのは、もしかしたら、相手の思惑通りだったのかもしれない。まあ、楽しかったのは事実だから、それで良しとしようと思った。

次があるのかなと思う。今度はこっちから誘った方が良いのかなと少し思った。どこに誘ったらいいんだろう。デートスポットを探した方が良いんだろうか。やっぱり、三ヶ嶋君に頼った方が良いのか。今度は充の事も考えないとまずいか。とか、いろいろと考えてしまう。横になりながら考えていると、眠くなってくる。何だかんだで疲れを感じていた。

ふと、

「半分は嘘だから」

と言う言葉がよみがえってきた。どういう意味なんだろうと思う。

誰に対して何の嘘だったのだろう。全部じゃなくて、半分なんだろう。嘘をついた理由は何だったんだろう。それを言った理由も良く分からなかった。

三ヶ嶋君の意外な一面も見れた気がした。しっかりとした人だと思っていたが、そのためにいろいろと準備しているのかもしれないと思うと、自分には出来ないと思った。ただ、そういう準備が自然に出来るんだろうなとは思った。その辺は、充とは違う気がする。充だったら、わざわざ準備したことを偉そうに語る気がする。それで鬱陶しいと思われそうだなと思った。

次回があるとして、6人で出かける事になるのだろうか。もう一人の女の子はどういう人なんだろうと思う。充が中にいるとどんな感じになるんだろうかと思う。より盛り上がるのか、場をしらけさせてしまうのか、どっちも想像が出来そうな気がした。その中で、僕はどんな役回りになるんだろうか。その時になってみないと分からないけど、それを考えると少し心配になった。僕はその時に何を期待しているんだろう、そんな事も思ってしまった。
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