夢ノコリ

hachijam

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踏切を待つ夢

5.

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第一倉庫は大きな南京錠が掛けられている。いかにも昔の倉庫と言う感じの古臭さを感じるが、その分、いかにも丈夫と言う雰囲気もあった。たいそう立派な南京錠を見ると、お宝があるのかもと思わせてくれるが何が出てくるのだろうか。

以前、入った時にはいらない荷物を入れておいてくれと言われただけで、入り口近くにそれを置いてすぐに出てしまった。かなり荷物があって、ゴチャゴチャとしていて、埃っぽかった印象がある。

下山さんが南京錠を開け、更に倉庫の入り口の鍵も開けて中に入った。僕も続いて中に入る。相変わらず、薄暗くて、埃っぽくて、ゴチャゴチャしている倉庫だと思った。電気が通っているのか怪しい気がしたが、下山さんが電源を入れたら明かりはついた。明かりがついた事で、倉庫全体の様子が少しわかった。

自分が思っていたよりも片づいている印象でちょっと意外な気がした。入口のところは酷い事になっているのだが、奥の方は割と整理されている感じだった。以前、ちょっと来た時には入り口の方だけしか見てなかったんだなと思う。とは言え、綺麗に整理整頓されているという感じでは無かった。

「これ、全部捨てるんですか?」

僕は下山さんに聞く。

「どうかな」

下山さんは入り口付近にある物を少し整理して、奥に入ろうとしていた。

「それだったら、人数掛ければどうにかなりそうな気もしますけど」

僕も下山さんの作業を手伝う。

「先代の物もあるし、単純に捨てるというのも難しいんじゃないか」

ようやく、少し道が出来て、下山さんが奥に入った。

「そうなんですか」

僕も続けて中に入った。

第一倉庫は倉庫としてはそれほど大きくはなかった。外から見てもそれは分かったけど、中に入って更にそんな風に感じた。意外とすぐに行き止まりになる。奥に入るに従って、ちゃんと整理されていて、最初はもっときちんと整理しようとしていたのかなと思った。一番、奥には棚があり、綺麗に物が置かれていた。

「入口をどうにかすれば、意外とどうにかなりそうな気もしますね」

奥までたどり着いた僕の率直な感想だ。

「まあな。捨てる捨てないの判断が出来る人がいれば、苦労しないかもしれない」

下山さんは棚にある物をひとつひとつ見ていた。

ちょっと古めの工具みたいなものがあったかと思えば、どっかの観光地のお土産みたいな木彫りの動物があったり、何でもらったのか良く分からない優勝トロフィーのような物、骨董品のような壺、掛け軸なんてのもあった。お宝発掘のテレビ番組に調査してもらったら、とんでもない価値の物が見つかるのではと少しだけ思った。そう考えると、ひとつひとつ見ていかないといけないのだろうか。それは大変そうだ。

そんな事を思っていたら、その中にあった小さな木箱に目が留まった。
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