夢ノコリ

hachijam

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中学時代の夢

6.

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何だかいつもよりも長い夢を見た気がする。夢の平均時間なんて図った事が無いから良く分からないけど、何となくの感覚で言えば、10分、20分と言うところだろうか。それが今日は何時間にも感じられた。寝起きなのに、何だかとても疲れた気分になっていたのと同時に、何だか不思議な達成感もあるような気がする。長編の夢から覚めたからだろうか。

とりあえず、習慣づいた夢の日記を書く。

中学時代の夢
オルゴール制作
オルゴールの模様
女の子に金色のカギの事を催促される
赤岡さんのオルゴールのスペードの鍵が僕のオルゴールに

長い夢だったから、もっといろいろと書く事が合った気がする。少し考えて、

考え過ぎと言われる

と言うのを付け加えた。それ以上の事は良いかと言う気分になった。それにしても、何でまた金のカギを催促された夢を見たのだろうか。ただの偶然と言ってしまえば、それで終わってしまうような気もしたけど、昨日、バイト先の倉庫で見つけた金色のカギの事を思い出した。その事があったから、また、夢の中で出てきたんだろう。そう想像する事はたやすかったけど、何だか、それだけでは片づけられないという気分にもなる。

そう言えばと気になった事を思い出す。夢の中では赤岡さんのオルゴールのスペードの鍵がなぜか僕のオルゴールに刻まれていた。僕は昨日見つけたオルゴールの模様を確認しようとした。そんな鍵は刻まれていなかったはずだ。見つけた後、そのまましまわずに出しっぱなしにしてあったオルゴールは、そこにそのまま合った。昨日と全く変わった様子はない。

夢の中では余ったスペースに四苦八苦していて、そこに鍵があったが、現実のオルゴールには中途半端なスペースも無くて、きっちりと模様が刻まれていた。夢と現実がごっちゃになってるなと思って、苦笑いしてしまった。

少し落ち着いた気分になる。そして、何気なくオルゴールを取って、表面を指でなぞった。特に意識してやった事ではない。表面は模様通り、掘ったところと掘っていないところのでこぼこした感覚が伝わってくる。側面は何も掘っていないから、サラッとしてヒヤッとした感触が伝わってきた。なかなか指触りが良いなとぼんやりと思っていたら、ちょっと引っかかるところを感じた。

名前か何か掘ったのかなとかうっすらとそんな事を考えた。ちょっと見てみたら、表面上は何も掘られていない。指先で微妙に変化を感じた部分をじっくりと見ていた。何か下書きのような物が描かれていて、その一部が微妙に凹んでいた。文字ではないようだった。もしかしてと、ちょっとドキッと思う。スペードの鍵にそれは見えた。じっくりと見てみると、だんだん、そうとしか見えなくなってきた。ちょっと混乱する。これは昨日からあったのか、まさか、今、出て来たのかとちょっと怖さも感じた。
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