66 / 275
スパゲッティのお店の夢
1.
しおりを挟む
パスタとスパゲッティの差は何だろうとふと考えていた。正確な事は良く分からないけど、スパゲッティはパスタの一種で麺のような形をしている物を言い、パスタはスパゲッティだけでなく、ペンネやラザニアみたいな物すべてを含んだ総称なんて話を聞いた事があるのを思い出した。
そして、僕は目の前にあるのが、パスタのお店なのか、スパゲッティのお店なのかで悩んでいた。お店には大きな看板があり、そこにはお皿とフォークと、そして、山盛りのスパゲッティが描かれていた。これを見ると、スパゲッティのお店なんだと思う。何だかとてつもなくどうでもいいような話に思えるけど、その夢の中ではとても大事な事のように思えた。
もうひとつの問題として、そのお店がどっちだったら入ろうと思っているのか分からない事だった。僕はパスタのお店に入りたいのか、スパゲッティのお店に入りたいのかどっちなのだろう。もし、パスタのお店に入りたいと思ってスパゲッティのお店に入ったらどうなるのだろう。反対にスパゲッティのお店に入りたいと思って入ったらパスタのお店だったらどうなんだろう。間違っていたと思ってがっかりする気がする。だったら、ちゃんと正確に当てないといけないのかなと思った。
やっぱり、スパゲッティのお店だと看板を見て思う。あれだけ立派な看板があるのだから間違いないと思った。そう思ってしまうと、そうとしか思えなくなってくる。気分的にもスパゲッティを食べたい気分になってきた。そうと決まれば、ためらう理由はない。僕は入り口の扉を開いた。扉に付けられていたベルの音が店内に鳴り響いた。その音に反応して、お店の人が出てきて、空いている席に案内してくれた。
「ここはスパゲッティのお店ですか?」
僕は席に着くと、メニューを見る前にそう聞いた。お店の人はちょっと困った顔した。
「もしかして、パスタのお店ですか?」
僕は間違ったかもと思いながら、そう聞いた。お店の人は今度は苦笑いを浮かべた。
「よくそう聞かれるんですが、ここは洋食のお店なんです」
言われてみて、メニューを見たら確かにスパゲッティ以外のメニューもたくさん書かれていた。メニューを見ると、スパゲッティでは無くて、他の物が食べたい気もしてきた。
「そうなんですよ。大抵のお客さんがメニュー見て悩むみたいなんです」
僕の様子を見てお店の人は呟いた。
「どうしてなんですかね。スパゲッティのお店とも、パスタのお店とも書いていないのに、どちらかだと思ってくるお客さんばかりだし、そう尋ねてくるお客さんに限ってメニューを見て悩む。何とも不思議です」
お店の人は本当に困っているようだった。
そして、僕は目の前にあるのが、パスタのお店なのか、スパゲッティのお店なのかで悩んでいた。お店には大きな看板があり、そこにはお皿とフォークと、そして、山盛りのスパゲッティが描かれていた。これを見ると、スパゲッティのお店なんだと思う。何だかとてつもなくどうでもいいような話に思えるけど、その夢の中ではとても大事な事のように思えた。
もうひとつの問題として、そのお店がどっちだったら入ろうと思っているのか分からない事だった。僕はパスタのお店に入りたいのか、スパゲッティのお店に入りたいのかどっちなのだろう。もし、パスタのお店に入りたいと思ってスパゲッティのお店に入ったらどうなるのだろう。反対にスパゲッティのお店に入りたいと思って入ったらパスタのお店だったらどうなんだろう。間違っていたと思ってがっかりする気がする。だったら、ちゃんと正確に当てないといけないのかなと思った。
やっぱり、スパゲッティのお店だと看板を見て思う。あれだけ立派な看板があるのだから間違いないと思った。そう思ってしまうと、そうとしか思えなくなってくる。気分的にもスパゲッティを食べたい気分になってきた。そうと決まれば、ためらう理由はない。僕は入り口の扉を開いた。扉に付けられていたベルの音が店内に鳴り響いた。その音に反応して、お店の人が出てきて、空いている席に案内してくれた。
「ここはスパゲッティのお店ですか?」
僕は席に着くと、メニューを見る前にそう聞いた。お店の人はちょっと困った顔した。
「もしかして、パスタのお店ですか?」
僕は間違ったかもと思いながら、そう聞いた。お店の人は今度は苦笑いを浮かべた。
「よくそう聞かれるんですが、ここは洋食のお店なんです」
言われてみて、メニューを見たら確かにスパゲッティ以外のメニューもたくさん書かれていた。メニューを見ると、スパゲッティでは無くて、他の物が食べたい気もしてきた。
「そうなんですよ。大抵のお客さんがメニュー見て悩むみたいなんです」
僕の様子を見てお店の人は呟いた。
「どうしてなんですかね。スパゲッティのお店とも、パスタのお店とも書いていないのに、どちらかだと思ってくるお客さんばかりだし、そう尋ねてくるお客さんに限ってメニューを見て悩む。何とも不思議です」
お店の人は本当に困っているようだった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる