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4章.竜の研究者
29.
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新手が来ないかを注意深く確認するファム。マナウルフであれば、もっと数が多くても不思議ではないと思った。しかし、続く気配は感じられなかった。群れにはぐれた三匹が出てきたのか、先遣隊みたいなものかと考える。隠された通路を通ってきたことを考えれば、まだまだ出てくる可能性もあると思った。
「用が済んだらさっさと帰った方が良いね」
ファムはまだ用心しながら言った。
「用は済んでいないと思うけど」
そう不敵に笑いながらリアリが言った。ファムはその発言に何か言いたそうだったが、周囲の警戒の方を優先させた。
「あれは?」
そう言ってリラが指さしたのは、倒したマナウルフだった。
「…?」
マナウルフの体から黒い煙のようなものが出現すると、その体が一気に干からびていった。他のマナウルフからも黒い煙が現れ、体が干からびる。三つのマナウルフの体から飛び出した黒い煙はひとつにまとまると、サントが倒したマナウルフの体へと戻っていた。すると、倒したはずのマナウルフが異様な姿のまま、起き上がった。
「アンデッド?」
ラテアが警戒するように言った。
「あれは、何かやばい」
ファムは直感的にそう言った。サントも本能的にそう感じていた。どこか苦しそうなうめき声を上げて、よみがえったマナウルフが近づいてきた。その動きにはさっきのような俊敏さは無かった。
慎重に対応するファムとサント。サントが攻撃を加える。しっかりとした手ごたえを感じる。さっき感じた、硬さを感じる事も無かった。その手ごたえに逆に戸惑ってしまうサント。ただ、その攻撃を受けても、怯むことなく、一歩ずつ進んできた。
「こっちだ、化け物」
ファムが続けて攻撃を加えるが反応は変わりなかった。
「だったら私が…」
いつの間にかリラが近づいてきて、雷撃の魔法を唱える。ゆっくりした動きのマナウルフに雷撃がぶつかる。痛みを感じていないのか、歩みを止める事は無かったが、受けたダメージが大きかったのか、体が崩れる。すると、また黒い煙のようなものが現れた。
「あれをどうにかしないとダメみたいです」
リアリが分析するように言った。すかさず、サントが切りかかるが、全く手ごたえが無く空振りに終わる。
「私がやります」
すかさず、今度は火球の呪文を唱える。黒い煙の中に火球が飛び込むと、かき消されるように姿を消した。
異様な戦いにまだ警戒を解かないサントだったが、干からびたマナウルフが再び起き上がってくる事は無かった。
「用が済んだらさっさと帰った方が良いね」
ファムはまだ用心しながら言った。
「用は済んでいないと思うけど」
そう不敵に笑いながらリアリが言った。ファムはその発言に何か言いたそうだったが、周囲の警戒の方を優先させた。
「あれは?」
そう言ってリラが指さしたのは、倒したマナウルフだった。
「…?」
マナウルフの体から黒い煙のようなものが出現すると、その体が一気に干からびていった。他のマナウルフからも黒い煙が現れ、体が干からびる。三つのマナウルフの体から飛び出した黒い煙はひとつにまとまると、サントが倒したマナウルフの体へと戻っていた。すると、倒したはずのマナウルフが異様な姿のまま、起き上がった。
「アンデッド?」
ラテアが警戒するように言った。
「あれは、何かやばい」
ファムは直感的にそう言った。サントも本能的にそう感じていた。どこか苦しそうなうめき声を上げて、よみがえったマナウルフが近づいてきた。その動きにはさっきのような俊敏さは無かった。
慎重に対応するファムとサント。サントが攻撃を加える。しっかりとした手ごたえを感じる。さっき感じた、硬さを感じる事も無かった。その手ごたえに逆に戸惑ってしまうサント。ただ、その攻撃を受けても、怯むことなく、一歩ずつ進んできた。
「こっちだ、化け物」
ファムが続けて攻撃を加えるが反応は変わりなかった。
「だったら私が…」
いつの間にかリラが近づいてきて、雷撃の魔法を唱える。ゆっくりした動きのマナウルフに雷撃がぶつかる。痛みを感じていないのか、歩みを止める事は無かったが、受けたダメージが大きかったのか、体が崩れる。すると、また黒い煙のようなものが現れた。
「あれをどうにかしないとダメみたいです」
リアリが分析するように言った。すかさず、サントが切りかかるが、全く手ごたえが無く空振りに終わる。
「私がやります」
すかさず、今度は火球の呪文を唱える。黒い煙の中に火球が飛び込むと、かき消されるように姿を消した。
異様な戦いにまだ警戒を解かないサントだったが、干からびたマナウルフが再び起き上がってくる事は無かった。
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