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35話
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テレーゼの容姿よりも何よりも、エルヴィンは性格が好きだ。とてもさばさばしていて物事をはっきりと言うところは一緒にいて楽しいと思える。
ただその性格だけに、遡る前だったとしても女性として好きになる前に友人として好きになりそうな気がする。
俺、多分恋愛対象の相手には物静かなタイプがきっと好きなんだろうな。
やり直す前に何人か付き合った相手も皆、わりとそういうタイプだった。かといって言いなりとかそういうのではなく、ちゃんと芯のあるしっかりとした人だ。そういう人が好みなのだと思う。
うんうんと内心頷いているとニルスが頭をよぎった。
おい、俺の頭。
確かにニルスも物静かだ。というか静かすぎるくらい無口だし表情もわかりにくい。だが芯のあるしっかりとした人には違いない。それどころかとても頼りがいさえある。
でも友人だからね、俺の頭。男の、それも親友の一人だから。しっかりして。
エルヴィンとニアキスはまだ前菜を食べ終えたところだったのもあり、結局四人で食事を共にした。この四人で食事をするのも久しぶりかもしれない。何だかんだ言って気の置けない仲間という感じがして落ち着くし楽しい。
ラウラもニアキスが変なことを言わない限り普通に楽しそうだ。
「でもどう思う、ラウラ。俺は君の兄さんと俺の妹、お似合いだと思うんだけどな」
「とても思う!」
そして自分に関係ないなら恋愛話も全然嫌いじゃないようだ。というかああいった恋愛小説にハマるだけあってむしろ好きなのだろう。今も目をキラキラさせながら頷いている。
「お兄様ったら、そんな話が出ていること、ちっとも私に教えてくださらないのね」
「いやだって持ちかけられた途端断ったからね?」
「何故? だってお相手はテレーゼなのよ? こんなに綺麗で性格も素敵で最高の女性、他に見つけられるというなら挙げてみてくださらない?」
「いや、あのね、ラウラ。確かにテレーゼは綺麗だし素敵な女性だとは俺も思うよ」
「あら、ありがとう、エルヴィン。そしてラウラ」
テレーゼは照れるどころかニコニコと礼を言ってきた。
そういうところもほんとね、好きだよテレーゼ。友人として。
「なら……」
「ただ、俺もテレーゼもお互い友人にしか見れないからさ。ここ、重要だろ」
「でも、でももしかしたらお付き合いなさってみたら気持ちが変わるかも」
「ならお前だって今のニアキスと付き合ってみろよ」
「待てエルヴィン。何故今俺を出す。とても複雑だろうが。嬉しいけど悲しいだろうが……!」
「お兄様の言いたいことはわかりますけど」
「そこ、わからないでラウラ」
「テレーゼは私の一番の親友だし、本当に素晴らしい女性だからお兄様と結婚したらとても最高なのに」
「あと無視しないでねラウラ。でもその通りだ。俺も同じこと、思っている。お似合いだしな、エルヴィンとテレーゼは」
とりあえず邪魔くさいのでニアキスのことはエルヴィンも無視しておいた。あと、この話に関しては平行線をたどりそうなのでエルヴィンもテレーゼも喜んで自ら話題を提供し、話を変えに行った。
「そういえばラウラ、最近新しく仕入れた花を咲かせることに成功したんだって?」
「それね。さっき庭園で私も見せてもらったけどとても綺麗だった。庭園のそのスペースも草花が好きなラウラ専用の場所なんですってね」
急に話題が変わったものの、ラウラは嬉しそうに頷いてきた。
「あのお花、とても綺麗でしょう?」
そしてそんなラウラをニアキスが何とも言えない表情で見ていた。
後日、ニアキスはエルヴィンだけでなくニルスも呼んで相談を持ちかけてきた。
「本人の兄を目の前にしてそういう相談されても」
「エルヴィン。お前はラウラの兄でもあるけど俺の親友でもあるだろうが」
「……俺はそういう話題、役に立てそうにないが」
「ニルス。あれだけご令嬢にモテておきながら何でだよ。だいたいお前にもいい話くらいきてるだろうが」
お、いいぞニアキス。とてもいい話題の流れだ。
エルヴィンはニコニコと頷きながら自分もニルスを見た。その視線に気づいたニルスはエルヴィンを見てきてほんのり微妙な顔をしている気がする。その感覚が合っているのか、ニルスに触れて確認してみたい気に駆られるが、そこはぐっと堪えた。
「って無視かよニルス」
「今は俺の話よりお前の話だろう」
「お。そうそう。そうなんだよな、お前はいいことを言ったよニルス」
流されやすいニアキスは嬉しそうに頷き、グラスの酒を口にした。
俺はニアキスの恋バナよりニルスの話のほうが聞きたいけどな。
「とにかくさー、どう思う?」
「……どう思うも何も、ラウラにその気がないだけでは」
「はは。ニルスにバッサバサ切られたな、ニアキス」
「っく。でも嫌われてはない。それは絶対」
「それだけ邪険にされて何故そう思えるんだ」
ほんとな、とエルヴィンもニルスの言葉に頷く。
「それは勘だけど」
勘なのか。
「でも、ほんとそう思えるんだって。多分さ、ラウラも本当に嫌なら嫌ってはっきり言う子だよ」
遡る前のラウラなら言えなかっただろうとエルヴィンはそっと思った。だが確かに今のラウラなら言える。実際デニスとの婚約話が上がっていた時も親に嫌だと言っていた。
ただその性格だけに、遡る前だったとしても女性として好きになる前に友人として好きになりそうな気がする。
俺、多分恋愛対象の相手には物静かなタイプがきっと好きなんだろうな。
やり直す前に何人か付き合った相手も皆、わりとそういうタイプだった。かといって言いなりとかそういうのではなく、ちゃんと芯のあるしっかりとした人だ。そういう人が好みなのだと思う。
うんうんと内心頷いているとニルスが頭をよぎった。
おい、俺の頭。
確かにニルスも物静かだ。というか静かすぎるくらい無口だし表情もわかりにくい。だが芯のあるしっかりとした人には違いない。それどころかとても頼りがいさえある。
でも友人だからね、俺の頭。男の、それも親友の一人だから。しっかりして。
エルヴィンとニアキスはまだ前菜を食べ終えたところだったのもあり、結局四人で食事を共にした。この四人で食事をするのも久しぶりかもしれない。何だかんだ言って気の置けない仲間という感じがして落ち着くし楽しい。
ラウラもニアキスが変なことを言わない限り普通に楽しそうだ。
「でもどう思う、ラウラ。俺は君の兄さんと俺の妹、お似合いだと思うんだけどな」
「とても思う!」
そして自分に関係ないなら恋愛話も全然嫌いじゃないようだ。というかああいった恋愛小説にハマるだけあってむしろ好きなのだろう。今も目をキラキラさせながら頷いている。
「お兄様ったら、そんな話が出ていること、ちっとも私に教えてくださらないのね」
「いやだって持ちかけられた途端断ったからね?」
「何故? だってお相手はテレーゼなのよ? こんなに綺麗で性格も素敵で最高の女性、他に見つけられるというなら挙げてみてくださらない?」
「いや、あのね、ラウラ。確かにテレーゼは綺麗だし素敵な女性だとは俺も思うよ」
「あら、ありがとう、エルヴィン。そしてラウラ」
テレーゼは照れるどころかニコニコと礼を言ってきた。
そういうところもほんとね、好きだよテレーゼ。友人として。
「なら……」
「ただ、俺もテレーゼもお互い友人にしか見れないからさ。ここ、重要だろ」
「でも、でももしかしたらお付き合いなさってみたら気持ちが変わるかも」
「ならお前だって今のニアキスと付き合ってみろよ」
「待てエルヴィン。何故今俺を出す。とても複雑だろうが。嬉しいけど悲しいだろうが……!」
「お兄様の言いたいことはわかりますけど」
「そこ、わからないでラウラ」
「テレーゼは私の一番の親友だし、本当に素晴らしい女性だからお兄様と結婚したらとても最高なのに」
「あと無視しないでねラウラ。でもその通りだ。俺も同じこと、思っている。お似合いだしな、エルヴィンとテレーゼは」
とりあえず邪魔くさいのでニアキスのことはエルヴィンも無視しておいた。あと、この話に関しては平行線をたどりそうなのでエルヴィンもテレーゼも喜んで自ら話題を提供し、話を変えに行った。
「そういえばラウラ、最近新しく仕入れた花を咲かせることに成功したんだって?」
「それね。さっき庭園で私も見せてもらったけどとても綺麗だった。庭園のそのスペースも草花が好きなラウラ専用の場所なんですってね」
急に話題が変わったものの、ラウラは嬉しそうに頷いてきた。
「あのお花、とても綺麗でしょう?」
そしてそんなラウラをニアキスが何とも言えない表情で見ていた。
後日、ニアキスはエルヴィンだけでなくニルスも呼んで相談を持ちかけてきた。
「本人の兄を目の前にしてそういう相談されても」
「エルヴィン。お前はラウラの兄でもあるけど俺の親友でもあるだろうが」
「……俺はそういう話題、役に立てそうにないが」
「ニルス。あれだけご令嬢にモテておきながら何でだよ。だいたいお前にもいい話くらいきてるだろうが」
お、いいぞニアキス。とてもいい話題の流れだ。
エルヴィンはニコニコと頷きながら自分もニルスを見た。その視線に気づいたニルスはエルヴィンを見てきてほんのり微妙な顔をしている気がする。その感覚が合っているのか、ニルスに触れて確認してみたい気に駆られるが、そこはぐっと堪えた。
「って無視かよニルス」
「今は俺の話よりお前の話だろう」
「お。そうそう。そうなんだよな、お前はいいことを言ったよニルス」
流されやすいニアキスは嬉しそうに頷き、グラスの酒を口にした。
俺はニアキスの恋バナよりニルスの話のほうが聞きたいけどな。
「とにかくさー、どう思う?」
「……どう思うも何も、ラウラにその気がないだけでは」
「はは。ニルスにバッサバサ切られたな、ニアキス」
「っく。でも嫌われてはない。それは絶対」
「それだけ邪険にされて何故そう思えるんだ」
ほんとな、とエルヴィンもニルスの言葉に頷く。
「それは勘だけど」
勘なのか。
「でも、ほんとそう思えるんだって。多分さ、ラウラも本当に嫌なら嫌ってはっきり言う子だよ」
遡る前のラウラなら言えなかっただろうとエルヴィンはそっと思った。だが確かに今のラウラなら言える。実際デニスとの婚約話が上がっていた時も親に嫌だと言っていた。
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