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171話
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睨むように見た後でヴィリーの顔が青ざめる。
「……まさかもう……?」
「えっ? ち、違うぞヴィリー。その、俺らはまだ最後までしてないから!」
「まだ、最後まで……? 最後までじゃなければしてるんですか」
「そっ、……って何聞いてんの? とにかく、ニルスは得体の知れない変態なんかじゃない。無口だけどすごく優しい紳士だ。いくらお前が俺の大事な弟でも言っていいことと悪いことがあるぞ」
「……申し訳……あり、ません……。でも」
「でももへったくれもない。俺が好きな人のこと、悪く言わないで。あと俺はお前のことも大好きなんだ。だからヴィリーに頭ごなしに否定されるのはやっぱり悲しいよ」
「兄様……。ぅう。あいつに渡すくらいなら俺が兄様をもらえばよかった」
「全然よくないからな? あと近親相姦は禁じられてる」
「真面目な返事、ありがとうございます! ああ、本当にもう……」
散々ニルスに対して不満をまき散らかした後、かろうじてかもしれないが一応、ヴィリーにも認めてもらえた、とは、思いたい。いや、思う。
多分……多分、な。多分。何だかんだ言ってあの子はいい子だから。うん。きっと祝福してくれるよな。
ヴィリーとのやり取りを思い返しているとニルスに「どうかしたのか?」と聞かれた。
「あ、ううん。何でもないよ。あと俺の母親が盛大にするって言ったら本当に盛大にしてくると思うぞ。問題ないとかそうすべきだって言ったこと、後悔するなよニルス」
「……俺が? お前と婚約できるというのに後悔など、するわけがない」
無口なくせに実直だからか、こういうことをさらりとニルスは言ってくる。エルヴィンはまた顔が熱くなるのを感じながら咳払いした。
「日取りはラウラの結婚式が終わってからでいいか?」
本当はさっさと済ませたかったのだが、先に決まっていたラウラの結婚をやはり優先させたいし、して欲しい。ニルスとも最後までしたいが、ここはぐっと我慢するしかない。とはいえ、ニルスこそするなら早くしたいと思うかもしれない。
「問題ない」
ないんかい。
「……そうか」
「エルヴィン? 何か不満でもあるのか? あるなら言ってくれ」
何故自分はそれほど顔に出やすいのかとエルヴィンは微妙な気持ちになる。
「いや、不満とかじゃないんだ。ただ……俺はその、ニルスと抱き合いたい、から……でもお前が婚約してからって言うし、じゃあ仕方ないなって思って……。何よりお前もちょっとは早く俺としたいとか思って欲しいってわがままなこと、ちらっと考えただけだよ。不満ほどじゃない」
「……そ、うか」
少しの間の後呟くと、ニルスはまた黙ってしまった。エルヴィンの感情は漏れやすいようだというのに相変わらずニルスはこういう時に何を考えているのかわからない。ブローチを使いたくもなる。
婚約の話をするためニルスの屋敷を訪問していたエルヴィンは、ニルスの私室にある一人掛けのソファーに思いきりもたれた。広いソファーがあれば並んで一緒に座れるのにと思っているものの、座り心地がとてもいいため何となく落ち着く。今も黙ってしまったニルスが気になるものの、クッションを抱きしめるようにしてもたれていると何だか心地よかった。
何を考えているかわからないものの、別に深刻な話ではない。本当に単なるわがままな気持ちが少し湧いただけなので、こうしてお互い時間を作ってニルスのそばで寛いでいると別にそれでもいいかと思えてくる。
俺らが両思いでいて、お互いが大事で、そんでキスだって触れ合うことだってしてる。十分すぎるくらいじゃないか。
おまけにまだ少し先にはなりそうだがちゃんと婚約までニルスとできる。婚約した後は本格的に抱きあえる。その上、家族は皆、今もとても元気でいてラウラはもうすぐ最高に幸せな結婚をする。
こんな幸せなことって、ない……。
もう少しだけクッションをぎゅっと抱きしめていると対面で同じく一人掛けのソファーに座っていたニルスが立ち上がり、エルヴィンに近づいてきた。
「ニルス?」
「……キスして……いいか?」
「いいよ」
聞かなくてもして欲しいくらいだと、エルヴィンは笑いながら頷いた。両手でエルヴィンが座っているソファーの背もたれに支えるようにして、ニルスはエルヴィンに少し屈みこんで唇を近づけてきた。
うわ、これはまた最高に好きだし照れるしニルスがカッコいい。
支えている腕に囲まれている状態は、抱きしめられていないというのに何だか包み込まれている感じがして心地いい。エルヴィンも顔を上げた。そっとニルスの唇が触れてくる。優しい感触にホッとしていると、キスはもう少しだけ深くなった。何度も合わせては唇でエルヴィンの唇をやんわりと噛んだりしてくる。その内ニルスの舌がエルヴィンの唇やその内側を舐めてきた。
「ん……」
ゆっくり、じわじわと深くなっていくキスが心地よくて、エルヴィンは屈みこんでくれているエルヴィンの首に腕をまわしてぐっと引き寄せた。そしてさらにお互い唇を貪り合う。
「は……ぁ、ニルス……」
合間に何とか呼吸してニルスの名前を囁くと、またさらに深くキスされる。舌がそして中にも入ってきた。上あごの辺りをなぞられると気持ちよさにゾクゾクと体が震えた。
「……まさかもう……?」
「えっ? ち、違うぞヴィリー。その、俺らはまだ最後までしてないから!」
「まだ、最後まで……? 最後までじゃなければしてるんですか」
「そっ、……って何聞いてんの? とにかく、ニルスは得体の知れない変態なんかじゃない。無口だけどすごく優しい紳士だ。いくらお前が俺の大事な弟でも言っていいことと悪いことがあるぞ」
「……申し訳……あり、ません……。でも」
「でももへったくれもない。俺が好きな人のこと、悪く言わないで。あと俺はお前のことも大好きなんだ。だからヴィリーに頭ごなしに否定されるのはやっぱり悲しいよ」
「兄様……。ぅう。あいつに渡すくらいなら俺が兄様をもらえばよかった」
「全然よくないからな? あと近親相姦は禁じられてる」
「真面目な返事、ありがとうございます! ああ、本当にもう……」
散々ニルスに対して不満をまき散らかした後、かろうじてかもしれないが一応、ヴィリーにも認めてもらえた、とは、思いたい。いや、思う。
多分……多分、な。多分。何だかんだ言ってあの子はいい子だから。うん。きっと祝福してくれるよな。
ヴィリーとのやり取りを思い返しているとニルスに「どうかしたのか?」と聞かれた。
「あ、ううん。何でもないよ。あと俺の母親が盛大にするって言ったら本当に盛大にしてくると思うぞ。問題ないとかそうすべきだって言ったこと、後悔するなよニルス」
「……俺が? お前と婚約できるというのに後悔など、するわけがない」
無口なくせに実直だからか、こういうことをさらりとニルスは言ってくる。エルヴィンはまた顔が熱くなるのを感じながら咳払いした。
「日取りはラウラの結婚式が終わってからでいいか?」
本当はさっさと済ませたかったのだが、先に決まっていたラウラの結婚をやはり優先させたいし、して欲しい。ニルスとも最後までしたいが、ここはぐっと我慢するしかない。とはいえ、ニルスこそするなら早くしたいと思うかもしれない。
「問題ない」
ないんかい。
「……そうか」
「エルヴィン? 何か不満でもあるのか? あるなら言ってくれ」
何故自分はそれほど顔に出やすいのかとエルヴィンは微妙な気持ちになる。
「いや、不満とかじゃないんだ。ただ……俺はその、ニルスと抱き合いたい、から……でもお前が婚約してからって言うし、じゃあ仕方ないなって思って……。何よりお前もちょっとは早く俺としたいとか思って欲しいってわがままなこと、ちらっと考えただけだよ。不満ほどじゃない」
「……そ、うか」
少しの間の後呟くと、ニルスはまた黙ってしまった。エルヴィンの感情は漏れやすいようだというのに相変わらずニルスはこういう時に何を考えているのかわからない。ブローチを使いたくもなる。
婚約の話をするためニルスの屋敷を訪問していたエルヴィンは、ニルスの私室にある一人掛けのソファーに思いきりもたれた。広いソファーがあれば並んで一緒に座れるのにと思っているものの、座り心地がとてもいいため何となく落ち着く。今も黙ってしまったニルスが気になるものの、クッションを抱きしめるようにしてもたれていると何だか心地よかった。
何を考えているかわからないものの、別に深刻な話ではない。本当に単なるわがままな気持ちが少し湧いただけなので、こうしてお互い時間を作ってニルスのそばで寛いでいると別にそれでもいいかと思えてくる。
俺らが両思いでいて、お互いが大事で、そんでキスだって触れ合うことだってしてる。十分すぎるくらいじゃないか。
おまけにまだ少し先にはなりそうだがちゃんと婚約までニルスとできる。婚約した後は本格的に抱きあえる。その上、家族は皆、今もとても元気でいてラウラはもうすぐ最高に幸せな結婚をする。
こんな幸せなことって、ない……。
もう少しだけクッションをぎゅっと抱きしめていると対面で同じく一人掛けのソファーに座っていたニルスが立ち上がり、エルヴィンに近づいてきた。
「ニルス?」
「……キスして……いいか?」
「いいよ」
聞かなくてもして欲しいくらいだと、エルヴィンは笑いながら頷いた。両手でエルヴィンが座っているソファーの背もたれに支えるようにして、ニルスはエルヴィンに少し屈みこんで唇を近づけてきた。
うわ、これはまた最高に好きだし照れるしニルスがカッコいい。
支えている腕に囲まれている状態は、抱きしめられていないというのに何だか包み込まれている感じがして心地いい。エルヴィンも顔を上げた。そっとニルスの唇が触れてくる。優しい感触にホッとしていると、キスはもう少しだけ深くなった。何度も合わせては唇でエルヴィンの唇をやんわりと噛んだりしてくる。その内ニルスの舌がエルヴィンの唇やその内側を舐めてきた。
「ん……」
ゆっくり、じわじわと深くなっていくキスが心地よくて、エルヴィンは屈みこんでくれているエルヴィンの首に腕をまわしてぐっと引き寄せた。そしてさらにお互い唇を貪り合う。
「は……ぁ、ニルス……」
合間に何とか呼吸してニルスの名前を囁くと、またさらに深くキスされる。舌がそして中にも入ってきた。上あごの辺りをなぞられると気持ちよさにゾクゾクと体が震えた。
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