ホンモノの恋

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43話 ※

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「好き、めぐちゃん、好きだよ……」

 ひたすら好きだと伝える。
 つい興奮を抑えることができなくなり、ある意味襲っていた。これでは肉食系女子が苦手だなどと人のこと言えないなと自分に対して思いながらも、欲しいという欲に抗えない。
 好きだと言い、体にキスしながら互いのものを合わせて扱いていると、恵の方から唇へキスしてくれた。そのせいでますます火がつき、聖恒も激しくキスを返す。亀頭が擦れ合っておかしくなりそうなほど気持ちよくて、聖恒は夢中になってキスを求め、そして与えた。

「ぁ、も……ぅ……っ」
「ん、めぐちゃ……俺も……、俺も、イきそ……っ」

 お互いのものがドクリと震えるように反応したかと思うと、同時に白濁を迸らせた。

「……ごめんて、めぐちゃん」

 それぞれ拭い合い、水着を履いてその上から服を着る間、恵がひたすら無言だった。いきなり強引にやらかした自覚しかないので、聖恒は何度も謝る。
 着替え終わった恵がようやく聖恒と目を合わせてくれた。その顔がまだ赤いことに気づくと聖恒はまた興奮しそうになる。

「俺も油断してたし……」
「ゆ、油断って! そりゃ強引にしたし、それに関してはほんとごめんて思ってるけどさ、恋人同士なんだからこーゆーこと、当たり前にあるでしょ」
「何度も言うけど、俺はきよが……」
「あーもう。十八歳過ぎるまで禁欲とか俺、無理だからね!」
「きよ……」
「……とりあえずごめん」

 口を尖らせたままもう一度謝ると、恵が苦笑しながらも「そんな謝らなくてもいいよ。海、行こう」と言ってくれた。

「海、久しぶりかも」

 恵が目の前に広がる海を見ながら微笑んでいる。
 海へ着くととりあえずロッカーに着替えなどを預けた。砂浜に出ると柔らかい砂がビーチサンダルを通して感じられる。海水浴に来ると感じる独特の甘い香りはここでは少し薄かった。

「あの独特な香り、ここじゃ薄いね」
「独特?」
「ほら、海の」
「海……ってことは磯の香りのこと? だったらジメチルスルフィドのことかな。海藻とかプランクトンが香りの元になってるんだけど、それらって硫酸イオンを必要としてる生態系で、浸透圧調整のためにジメチルスルフォニオ・プロピオン酸塩を生成、利用してて――」
「ちょ、ちょ、ちょぉ待ってめぐちゃん……」
「ん?」
「今そういう系の話いらないよ! あと多分俺が言ってる匂いとめぐちゃんが言ってる匂い、違うと思う……」

 苦笑しながら言うと恵が少し顔を赤くしながら戸惑った様子を見せてきた。

「え、あ、そ、そうか。ごめん」
「いや、いーんだけどね。そういうめぐちゃんもかわいい!」
「……だからきよはかわいいって言い過ぎだって……。俺が実際かわいい女の子なら嬉しかっただろうけど、何度も言うように俺は男だしかわいくないから」
「めぐちゃんだって俺にかわいいって言うだろ」
「きよはだって男だけどかわいいだろ」
「めぐちゃんだってかわいいから、かわいいって俺言ってんだけど」
「……はぁ」

 何を言っているんだとばかりに言い返すとため息つかれた。納得いかないと聖恒は口を尖らせる。

「あと匂いね、俺が言ってんのは多分サンオイルの匂いかな」
「サンオイル?」
「うん。多分だけど。なんかほら、甘いやつ。ココナッツっぽいっていうかバニラっぽいっていうか、そういう匂いよくするでしょ」
「そう?」
「え? したことない?」
「いや……俺、あまり海水浴行かないから」

 今度は恵が苦笑してきた。

「え。マジで。でも今まで彼女とは?」
「うーん。プールになら行ったことあるけどあまり海には。いや、全然行ったことないわけでもないけど」
「そうなの? じゃあ俺はレアめぐちゃんを味わえて……って、そういやめぐちゃんは俺の兄さんとレアな体験するつもりだったんだよね」
「……そこを深く考えてなかったし、言い方やめてくれ……。だいたい君のお兄さんとそういう関係にとか、正直考えるのも無理だから」

 恵がとてつもなく微妙な顔してくる。

「ほんとに?」
「なら例えば万が一きよが野々村……あ、前に大学で会ったやついるだろ、あいつと何らかの事情があって出かけることになった時に俺が仲を疑ったらどう思う」
「え、無理。ない」
「だろ」
「でもそれはまた違うでしょ。俺は何とか村とかほぼ知らねーし。でもめぐちゃんは俺の兄さんとそれなりに親しくはしてるだろ」
「じゃあ君の幼馴染みの紺野くんとの仲を……」
「あーうん、わかったって! ないから」

 真和のことは兄弟のようになら好きだ。だがそういう目線で見られたらわりと、いや結構困ると聖恒は微妙な顔になった。すると恵がおかしそうに笑ってくる。

「とりあえず海、入ろ」
「うん、めぐちゃん」

 海で遊ぶのはこんなに楽しかったっけと、借りた大きな浮輪に二人でつかまったり、ここぞとばかりに抱きついたりしながら聖恒は思った。
 海水浴場ではあるが、聖恒の地元からすぐに行けるような場所と違って人はさほど多くなく、どこかゆったりとした気分で遊べた。途中またムラムラとしてしまったが、恵には大いに警戒された。

「だって裸で抱き合ってんだよ?」
「それが理由なら今頃海やプールで遊んでるカップルたちはどれだけ大変なことになってるんだよ……。数学でも考えてろ」
「ちょっとだけだから」
「何がちょっとなんだ? 今すぐ俺の腰を持ってる手を離せ」

 実際海の中で聖恒は恵の体に手を這わせていた。そして丁度腰をつかんでいたところだった。このまま水着の中に手を入れ、恵のものを扱きたいと思っていた。この気持ちのいい空の下で、海の中で自分のも取り出し、硬く熱くなっているものを冷たい水の中で一緒に扱いたらどれだけ気持ちがいいだろうと考えていた。

「高校生のパワーを侮ってるよ……めぐちゃん……」
「侮らせてくれよ……。あーもう、わかった」
「マジで?」

 わかったという言葉に目を輝かせ、さらに動かそうとした聖恒の手を恵は怖い顔でつかんできた。

「馬鹿、そういう意味じゃない! あれだ、今我慢したらその、夜……俺がしてあげる、から……」

 もの凄く言いにくそうに言ってきた恵の言葉に、聖恒は余計に気持ちが昂り、下肢も痛いくらいだった。だがそんなことを聞けば言う通りにせざるを得ない。

「……っくそ……わかった……からごめん、今ちょ、離れてて……俺でないと、死ぬ」
「それほどっ?」

 恵が心底呆れたような顔で聖恒を見てきた。
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