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44話
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夜中であってもすずは日中と変わらず見えている。寿也の家へ帰る時も障害物を気にすることなく一刻も早く帰宅するため走った。
人間の姿になるとやはり多少夜目は効かなくなるが、それでも本物の人間よりは見えていると思う。ただ猫の姿と違ってさすがに目の反射板を光らせるわけにいかないのでほんのわずかな光の量で十分とは言えない。ただその分視力は人間の姿のほうが断然いい。猫の視力は人間の姿に比べて相当弱いようだ。色もほとんど識別できない。猫と人間の姿両方になってみてわかるが、人間が赤に見えている色は緑に見える勢いだ。多分光を余裕で取り込める分、色を判断する力が弱いのかもしれない。
そういった視力の弱さを動体視力で補っているので獲物を狩るのに苦労はないが、対象物が止まっていると一瞬見逃してしまうこともある。今は獲物を狩ることは基本ないものの、寿也が動かしてくる猫じゃらしとやらがいい例だ。すずの前で動かされるとすかさず反応してしまうし獲物ではないとわかっているのにともすれば倒してやろうとしてしまう。だが動かすのを止められると一瞬どこへ行ったのかわからなくなってしまって戸惑ってしまう。それを寿也は楽しそうに見てくるのだが、寿也が楽しそうなのは嬉しいながらもからかわれているみたいで面白くない時もある。ただ、一瞬見失うこともあるとバレるのは猫の弱点のような気がして寿也にもあえて口にしない。猫の時も興味を失った振りをしたりする。
ちなみに猫は夜行性と思われているようだがそれは違う。どちらかというと日中というか、朝方や夕方が一番活動的になる。その時間が一番狩りに向いているからかもしれない。例えば夜間は鳥なども眠ってしまっているが、早朝になると活動を始める。猫はそれを狩る。そういった習性が大昔から培ってきて今の猫を形成しているのだとすずは思う。家猫にとっては関係ないことだろうが、習性だけに仕方がない。よって大抵の猫は朝の早い時間から起きて飼い主に餌をねだる。すずは最悪人間になれば勝手に何か食べられる。しかし鈴が台所で何かするのを寿也は警戒しているようなところもあり、正体をばらした今も寿也と一緒にゆっくり食事する時や会話をしたい時以外は基本的に猫の姿でいる。
あと、夕方はあやかしであるすずにとって好きな時間帯でもある。昼から夜へ変わる時間だ。物事が変わる時には不安定な状況になりやすい。季節の変わり目などもそうではないだろうか。昼から夜へと移り変わる時も同じで、そこには不安定な何かが漂う。そういった状況や雰囲気を、あやかしは好む。正直、すずも好きだ。また昔の人間は夜を恐れていた。大した灯りもなく闇しかないため獣やそれこそあやかしを恐れていたし、不安定だからか人目を気にしないせいか人間自身の犯罪も多くなった。それらもあやかしの好む雰囲気でしかない。今の人間があやかしなどをあまり信じていないのはあまり「夜」にならないせいかもしれない。昼と変わらない勢いで明るく人々は活動的だ。
朝方や夕方が基本一番活動的とはいえ、都会での野良猫にとっては夜のほうが安全かもしれない。なのでもしかしたら夜行性になるかもしれない。
どのみち今日は早朝よりはもう少し遅めに起きようとすずは思う。覚のせいで眠い。
いつも眠っている印象を持たれやすいが猫がしっかり睡眠をとっている時間はさほど多くない。大抵はうとうとしたりして休息をとっているだけだ。そうして体を休めることでいざという時にすぐ動けるようにしている。すずもそれは変わらない。だが今は眠かった。
しかし目を覚ますとすでに寿也はいなかった。ついていないことに今日は朝から学校がある日だったようだ。朝の寿也との時間がなくなってしまった。それもこれも覚のせいだとすずは不機嫌な顔つきで寿也が置いてくれている餌を食べた。
覚も日本のあやかしだ。元々は中国から来たとも言われていたりユキに中国のあやかしの話を聞いたこともあるが、覚に対するその辺の由来ははすずにとってどうでもいいのであまり知らない。特に大きな力を使って何かするわけではないが、相手の心を見透かすことができる。その能力を使って人間に悪戯をしかけたり、隙を見て食べたりする。
孕ませる云々は由来元と言われている中国のカク猿というあやかしの所業だったりする。猿に似た見た目で人間の女をさらい、犯すらしい。ただし趣味ではなく自分たちの種族に雌がいないからで繁殖目的だとユキは言っていた。
「でもそんなだったらどんどん血が薄くなるっていうか違う生き物になりそうじゃない?」
「あやかしの血が濃いからそうはならないみたいだな」
「ふーん。中国ってキャラの濃いやつ、多いよね」
「きゃら? あいつら意外に美味しいよ」
「食べたの?」
さすがというかユキ恐るべしとすずが唖然としながらユキを見ると鼻で笑ってきた。
「人間ぽいし。人間に化けた私につられてさらい、犯そうとしてきたやつを襲って殺したんだけどね、意外にいけた。化けるのが面倒なので一度しかしてないけどね」
ユキ恐るべし。
もう一度思いつつも、尊敬度も上がった。
もし万が一覚が寿也に何かしたらユキに食べてもらおう。カク猿がいけるならそれに似た覚もいけるだろう。どのみち人間の肉は好みらしいしとすずはその時のことを思い出し、カリカリと餌を食べながら頷いた。
人間の姿になるとやはり多少夜目は効かなくなるが、それでも本物の人間よりは見えていると思う。ただ猫の姿と違ってさすがに目の反射板を光らせるわけにいかないのでほんのわずかな光の量で十分とは言えない。ただその分視力は人間の姿のほうが断然いい。猫の視力は人間の姿に比べて相当弱いようだ。色もほとんど識別できない。猫と人間の姿両方になってみてわかるが、人間が赤に見えている色は緑に見える勢いだ。多分光を余裕で取り込める分、色を判断する力が弱いのかもしれない。
そういった視力の弱さを動体視力で補っているので獲物を狩るのに苦労はないが、対象物が止まっていると一瞬見逃してしまうこともある。今は獲物を狩ることは基本ないものの、寿也が動かしてくる猫じゃらしとやらがいい例だ。すずの前で動かされるとすかさず反応してしまうし獲物ではないとわかっているのにともすれば倒してやろうとしてしまう。だが動かすのを止められると一瞬どこへ行ったのかわからなくなってしまって戸惑ってしまう。それを寿也は楽しそうに見てくるのだが、寿也が楽しそうなのは嬉しいながらもからかわれているみたいで面白くない時もある。ただ、一瞬見失うこともあるとバレるのは猫の弱点のような気がして寿也にもあえて口にしない。猫の時も興味を失った振りをしたりする。
ちなみに猫は夜行性と思われているようだがそれは違う。どちらかというと日中というか、朝方や夕方が一番活動的になる。その時間が一番狩りに向いているからかもしれない。例えば夜間は鳥なども眠ってしまっているが、早朝になると活動を始める。猫はそれを狩る。そういった習性が大昔から培ってきて今の猫を形成しているのだとすずは思う。家猫にとっては関係ないことだろうが、習性だけに仕方がない。よって大抵の猫は朝の早い時間から起きて飼い主に餌をねだる。すずは最悪人間になれば勝手に何か食べられる。しかし鈴が台所で何かするのを寿也は警戒しているようなところもあり、正体をばらした今も寿也と一緒にゆっくり食事する時や会話をしたい時以外は基本的に猫の姿でいる。
あと、夕方はあやかしであるすずにとって好きな時間帯でもある。昼から夜へ変わる時間だ。物事が変わる時には不安定な状況になりやすい。季節の変わり目などもそうではないだろうか。昼から夜へと移り変わる時も同じで、そこには不安定な何かが漂う。そういった状況や雰囲気を、あやかしは好む。正直、すずも好きだ。また昔の人間は夜を恐れていた。大した灯りもなく闇しかないため獣やそれこそあやかしを恐れていたし、不安定だからか人目を気にしないせいか人間自身の犯罪も多くなった。それらもあやかしの好む雰囲気でしかない。今の人間があやかしなどをあまり信じていないのはあまり「夜」にならないせいかもしれない。昼と変わらない勢いで明るく人々は活動的だ。
朝方や夕方が基本一番活動的とはいえ、都会での野良猫にとっては夜のほうが安全かもしれない。なのでもしかしたら夜行性になるかもしれない。
どのみち今日は早朝よりはもう少し遅めに起きようとすずは思う。覚のせいで眠い。
いつも眠っている印象を持たれやすいが猫がしっかり睡眠をとっている時間はさほど多くない。大抵はうとうとしたりして休息をとっているだけだ。そうして体を休めることでいざという時にすぐ動けるようにしている。すずもそれは変わらない。だが今は眠かった。
しかし目を覚ますとすでに寿也はいなかった。ついていないことに今日は朝から学校がある日だったようだ。朝の寿也との時間がなくなってしまった。それもこれも覚のせいだとすずは不機嫌な顔つきで寿也が置いてくれている餌を食べた。
覚も日本のあやかしだ。元々は中国から来たとも言われていたりユキに中国のあやかしの話を聞いたこともあるが、覚に対するその辺の由来ははすずにとってどうでもいいのであまり知らない。特に大きな力を使って何かするわけではないが、相手の心を見透かすことができる。その能力を使って人間に悪戯をしかけたり、隙を見て食べたりする。
孕ませる云々は由来元と言われている中国のカク猿というあやかしの所業だったりする。猿に似た見た目で人間の女をさらい、犯すらしい。ただし趣味ではなく自分たちの種族に雌がいないからで繁殖目的だとユキは言っていた。
「でもそんなだったらどんどん血が薄くなるっていうか違う生き物になりそうじゃない?」
「あやかしの血が濃いからそうはならないみたいだな」
「ふーん。中国ってキャラの濃いやつ、多いよね」
「きゃら? あいつら意外に美味しいよ」
「食べたの?」
さすがというかユキ恐るべしとすずが唖然としながらユキを見ると鼻で笑ってきた。
「人間ぽいし。人間に化けた私につられてさらい、犯そうとしてきたやつを襲って殺したんだけどね、意外にいけた。化けるのが面倒なので一度しかしてないけどね」
ユキ恐るべし。
もう一度思いつつも、尊敬度も上がった。
もし万が一覚が寿也に何かしたらユキに食べてもらおう。カク猿がいけるならそれに似た覚もいけるだろう。どのみち人間の肉は好みらしいしとすずはその時のことを思い出し、カリカリと餌を食べながら頷いた。
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