160 / 194
第六章
やっと入城
しおりを挟む
砦である大門を通ると、先ずは人の住まない郊外を抜け、それから小高い場所に建つ見た目オスマン帝国風の宮殿をぐるりと囲うように、これまたオスマン帝国風の城下町が広がっている。
『結構距離あるなぁ』
本来ならば火竜《サラマンダー》で城下町手前まで入り、そこから輿で宮殿まで行く予定だったらしい。
けれど『俺』というイレギュラーが加わった事で、残っていた火竜《サラマンダー》は全て隠され、やむ無く人力になったとバティルが嫌味満載で説明してくれた。
「ここから宮殿までは約一時間ほど掛かる、誰かの所為でな。だが、約束は約束。特使殿の『ささやかな条件』を叶える為、先触れとして使い魔を宮殿に飛ばしておいた」
「俺と国王達の謁見を大幅に遅らせない様に、か。殊勝な心掛けだ、褒めてやってもいい」
うぉい!だから嫌味をものともせず、超上から目線ベル様バージョン止めろって!バティルの青筋がヤバい事になってるから!!
兎に角、バティルの輿は先頭、シェンナ姫の輿はその後ろに続いて出発した。俺とザビア将軍は不測の事態を想定して徒歩を選択し、俺達用の輿には侍女達が代わりに乗っている。
少しだけ続いた無人の土地を進むと、土精霊の恩恵か木々や緑が多くなり、地形を上手く使って建てられた王都の街並みが現れる。
黄昏時の空には赤さが残るが、地上には闇が広がっていく。
そんな沈んだ太陽のかわりに、街道に沿って設置されている灯籠が淡い光で道筋を照らしていた。普通に観光客として訪れていたら、幻想的だと感動したかもしれない光景だった。
石造りの家々の前には、オンタリオの住民達が通り過ぎる一行に平伏している。顔を決して上げず、蹲る彼らからは怯えと恐怖が滲んでいて、最初は俺への警戒なのかと思ったが…どうも様子がおかしい。
『姫の輿入れが政略的なものだから、歓迎ムードじゃなくても不思議はないけど。….首都なのに、この澱んだ雰囲気は何だ?』
俺と同じで街の様子に違和感を感じているんだろう。ザビア将軍も顔が益々険しくなっている。異様な空気の中、バティル達と俺達一行は黙々と宮殿へ向かっていった。
『…あ』
空を見上げてみると、陽光に隠れていた月が低い位置に浮かんでいた。残っていた赤を啜り飲んだ様な…大きな満月が。
地球と月の距離が最も縮まる時の…確かこんな満月を「スーパームーン」と呼んでいた。前世では凄い綺麗だな位しか思ってなかったし、深夜過ぎに一番大きく見えて、光も強くなるって聞いた事がある。それだけだった。
けれどこの世界では「月」の意味合いは全く違う。
新月と満月が放つ魔力は真逆なのだと、幼い頃ベハティ母さんに教わった。
地上の生きとし生けるものに良い魔力の影響を与えるのが新月。逆に悪い影響を与えるのが満月なのだと。
『そして、『魔』に連なるモノ全てにおいて、満月は恵みの力となる』
ベルが何の脈略もなく『今夜は満月だ』と言ったとさっきは思ったけど、きっと違う。胸の内にじわじわと広がる不安に、俺は今だけ気づかないふりをした。
一時間程で宮殿に到着した俺達は、一旦バティルと別れる事となった。急遽決まった王達との謁見の準備だから、早くても四、五時間を見て欲しいと告げられ、付けられた案内人と別の場所へ移動する。
そして待機場所として充てがわれたのがここ、奥御殿だった。宮殿の後宮でも更に奥に建てられている場所で、一番下の側室用らしい…とは、一度この国に訪れた事のあるザビア将軍情報である。
「仮にも輿入れした一国の姫に、このような扱いを…!」
案内された場所に気づき、最初は自分の大事な妹を侮られたと憤りを抑えられないザビア将軍だったけど、あくまで仮の措置だし、『俺』って危険分子をなるべく遠くに配置したいんだろうからと怒りの矛を収めてもらった。
今現在使用されていない宮らしいが、清掃も行き届いていて十分に豪奢だし、何より主賓の間には軽食や飲み物が用意されている。更に浴室に続く寝室には、姫の着替えや化粧品等もちゃんと揃えられていた。
けれど、要件を伝えたらすぐ立ち去ると思っていた案内人が「姫の警護として騎士たちを室内に」と言ってきた。
『一体何の警護だよ。監視の間違いだろ!?』
と、俺は心で突っ込みながら「結構だ」と速攻お断りしたのだが、「ならば姫のお世話をする侍女を…」と食い下がってきた。うざかったので、さっさと奥御殿の内側に防御結界を張ってしまった。
悪意を持つものは勿論、隠密スキル持ちの『影』だろうが潜り込めない強固なそれに、扉の前にいた案内人は早々弾かれてしまった。「謁見の時間になったら呼びに来い」と言って扉を閉めると外で何やら喚いていたが、無視だ無視。
ちなみに飲食物は、ベルに毒の類が入ってないか調べて貰って(毒味ともいう)安全を確認してから皆で頂いた。本蛇はゴブレットに注いだ水や酒を舐め、果物軽食を一通り齧った後、『お前の飯の方が旨い』と言って長椅子でトグロを巻いてふんぞり返ってる。
…うん、助かったけどさ…もうちょっとやり方をさ…配慮してくれよ。
そう内心愚痴りつつ、俺はベルが齧ってはペッとして食べ散らかした物を、姫達が手をつける前に責任持って処分した。
『結構距離あるなぁ』
本来ならば火竜《サラマンダー》で城下町手前まで入り、そこから輿で宮殿まで行く予定だったらしい。
けれど『俺』というイレギュラーが加わった事で、残っていた火竜《サラマンダー》は全て隠され、やむ無く人力になったとバティルが嫌味満載で説明してくれた。
「ここから宮殿までは約一時間ほど掛かる、誰かの所為でな。だが、約束は約束。特使殿の『ささやかな条件』を叶える為、先触れとして使い魔を宮殿に飛ばしておいた」
「俺と国王達の謁見を大幅に遅らせない様に、か。殊勝な心掛けだ、褒めてやってもいい」
うぉい!だから嫌味をものともせず、超上から目線ベル様バージョン止めろって!バティルの青筋がヤバい事になってるから!!
兎に角、バティルの輿は先頭、シェンナ姫の輿はその後ろに続いて出発した。俺とザビア将軍は不測の事態を想定して徒歩を選択し、俺達用の輿には侍女達が代わりに乗っている。
少しだけ続いた無人の土地を進むと、土精霊の恩恵か木々や緑が多くなり、地形を上手く使って建てられた王都の街並みが現れる。
黄昏時の空には赤さが残るが、地上には闇が広がっていく。
そんな沈んだ太陽のかわりに、街道に沿って設置されている灯籠が淡い光で道筋を照らしていた。普通に観光客として訪れていたら、幻想的だと感動したかもしれない光景だった。
石造りの家々の前には、オンタリオの住民達が通り過ぎる一行に平伏している。顔を決して上げず、蹲る彼らからは怯えと恐怖が滲んでいて、最初は俺への警戒なのかと思ったが…どうも様子がおかしい。
『姫の輿入れが政略的なものだから、歓迎ムードじゃなくても不思議はないけど。….首都なのに、この澱んだ雰囲気は何だ?』
俺と同じで街の様子に違和感を感じているんだろう。ザビア将軍も顔が益々険しくなっている。異様な空気の中、バティル達と俺達一行は黙々と宮殿へ向かっていった。
『…あ』
空を見上げてみると、陽光に隠れていた月が低い位置に浮かんでいた。残っていた赤を啜り飲んだ様な…大きな満月が。
地球と月の距離が最も縮まる時の…確かこんな満月を「スーパームーン」と呼んでいた。前世では凄い綺麗だな位しか思ってなかったし、深夜過ぎに一番大きく見えて、光も強くなるって聞いた事がある。それだけだった。
けれどこの世界では「月」の意味合いは全く違う。
新月と満月が放つ魔力は真逆なのだと、幼い頃ベハティ母さんに教わった。
地上の生きとし生けるものに良い魔力の影響を与えるのが新月。逆に悪い影響を与えるのが満月なのだと。
『そして、『魔』に連なるモノ全てにおいて、満月は恵みの力となる』
ベルが何の脈略もなく『今夜は満月だ』と言ったとさっきは思ったけど、きっと違う。胸の内にじわじわと広がる不安に、俺は今だけ気づかないふりをした。
一時間程で宮殿に到着した俺達は、一旦バティルと別れる事となった。急遽決まった王達との謁見の準備だから、早くても四、五時間を見て欲しいと告げられ、付けられた案内人と別の場所へ移動する。
そして待機場所として充てがわれたのがここ、奥御殿だった。宮殿の後宮でも更に奥に建てられている場所で、一番下の側室用らしい…とは、一度この国に訪れた事のあるザビア将軍情報である。
「仮にも輿入れした一国の姫に、このような扱いを…!」
案内された場所に気づき、最初は自分の大事な妹を侮られたと憤りを抑えられないザビア将軍だったけど、あくまで仮の措置だし、『俺』って危険分子をなるべく遠くに配置したいんだろうからと怒りの矛を収めてもらった。
今現在使用されていない宮らしいが、清掃も行き届いていて十分に豪奢だし、何より主賓の間には軽食や飲み物が用意されている。更に浴室に続く寝室には、姫の着替えや化粧品等もちゃんと揃えられていた。
けれど、要件を伝えたらすぐ立ち去ると思っていた案内人が「姫の警護として騎士たちを室内に」と言ってきた。
『一体何の警護だよ。監視の間違いだろ!?』
と、俺は心で突っ込みながら「結構だ」と速攻お断りしたのだが、「ならば姫のお世話をする侍女を…」と食い下がってきた。うざかったので、さっさと奥御殿の内側に防御結界を張ってしまった。
悪意を持つものは勿論、隠密スキル持ちの『影』だろうが潜り込めない強固なそれに、扉の前にいた案内人は早々弾かれてしまった。「謁見の時間になったら呼びに来い」と言って扉を閉めると外で何やら喚いていたが、無視だ無視。
ちなみに飲食物は、ベルに毒の類が入ってないか調べて貰って(毒味ともいう)安全を確認してから皆で頂いた。本蛇はゴブレットに注いだ水や酒を舐め、果物軽食を一通り齧った後、『お前の飯の方が旨い』と言って長椅子でトグロを巻いてふんぞり返ってる。
…うん、助かったけどさ…もうちょっとやり方をさ…配慮してくれよ。
そう内心愚痴りつつ、俺はベルが齧ってはペッとして食べ散らかした物を、姫達が手をつける前に責任持って処分した。
5
あなたにおすすめの小説
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!
水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。
それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。
家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。
そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。
ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。
誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。
「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。
これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
【完結】婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
【本編完結】死に戻りに疲れた美貌の傾国王子、生存ルートを模索する
とうこ
BL
その美しさで知られた母に似て美貌の第三王子ツェーレンは、王弟に嫁いだ隣国で不貞を疑われ哀れ極刑に……と思ったら逆行!? しかもまだ夫選びの前。訳が分からないが、同じ道は絶対に御免だ。
「隣国以外でお願いします!」
死を回避する為に選んだ先々でもバラエティ豊かにkillされ続け、巻き戻り続けるツェーレン。これが最後と十二回目の夫となったのは、有名特殊な一族の三男、天才魔術師アレスター。
彼は婚姻を拒絶するが、ツェーレンが呪いを受けていると言い解呪を約束する。
いじられ体質の情けない末っ子天才魔術師×素直前向きな呪われ美形王子。
転移日本人を祖に持つグレイシア三兄弟、三男アレスターの物語。
小説家になろう様にも掲載しております。
※本編完結。ぼちぼち番外編を投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる