宮本武蔵、フリーランスとして働くことを誓う!

西陸黒船

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兵法者としてのこれから!

第4話 九州を南下!

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 三喜之介を引き連れた武蔵は、福岡から南下していく。山間の街道を熊本に向けて、武蔵は歩み続ける。
 三喜之介も長旅は初めてだったが、懸命に武蔵の後を追う。二日目には脹ら脛に張りを覚え、三日目には筋肉痛になっていた。長い距離を歩くことはもちろん初めてだったし、普段使わない筋肉を使っているのだろう。それに、街道とはいえ、野山を歩き続けるのと、町の道場に剣術稽古にいき、体を鍛えるのとは根本的に体力、筋力の使い方が違う。一週間も歩く頃には、三喜之介は悲鳴を上げていた。
「父上。父上、少しお待ちを」
 たまりかねて三喜之介がいう。草鞋にも少し血がにじむほど、三喜之介の足はなれない長旅で擦れ、血豆が潰れていた。
「これしきのことで情けない。とはいえ、お前は長旅は初めてか。しからば、その先の茶屋で少し休んでいくことにしよう」
 武蔵は目の前に見えている宿場町の茶店を指して言う。三喜之介も現金なもので、急に元気になって茶屋までかけていくのだった。
 軒先で団子を食べ休んでいるところに、武蔵はふと「この辺りで疲れを癒すのにどこかいいところは知りませぬか?」と店の主人に問いかけた。
「へぇ。筑後には幾つか温泉がわいておりまして、今日、これからですと、次の宿場町が丁度よいかと。ああ、そうだ。ちょうどこの裏手に温泉がわいております。入浴はできませんが、足をつけて少し休んで行かれてはいかがでしょうか?」
 と、店主は言う。そして、二人を案内するのは、丁度店の裏。わずかに沸いている温泉があった。
「ほう、足湯か。三喜之介。せっかくだ、ここで少し休んでいこう」
「はい」
 店主の申し出に、二人は足を湯につけた。三喜之介は足をつけた瞬間は少し痛そうだったが、次第に慣れたらしく。時折脹ら脛をもんだりして、疲れを癒す。
「お侍様も長旅をされてるようで。肥後、熊本に向かわれるのでしょうか?」
「うむ。少し熊本に滞在し、それから薩摩の方に行ってみようかと思うとる」
「左様で御座いますか。熊本まではここから一日ほどで着くと思います。旅慣れていればそれほど苦になる道のりでも無いと存じます」
「三喜之介、聞いたか? 明日には熊本に着けそうだ。とはいえ、お前のその足では、さすがに辛いな。ご亭主。この近くにどこか良い宿はございませんか?」
「それでしたら半刻も歩けばこの宿場町の宿が集まっております。この辺りは温泉も湧いております故、ゆっくりくつろげるかと。熊本の城下町に行かれる前に、そこで休まれる方も結構おりますよ」
 武蔵はその言葉を聞いて少し早いが今日の宿をとることにした。
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