花束のような日々

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　「確かに『周りの友達は彼氏が来てくれてるのに、自分は……』と惨めな気持ちになっちゃいますよね、それくらいの年代の子は。彼女さんも、せっかくの晴れ姿を堀さんに見せたかったんだと思いますよ」と、奈苗もすかさずフォローした。奈苗は内心「堀さんの彼女面倒くさ……」と思っていたのだが、彰人の前では言えなかったので、心の中にしまっておいたのだ。
　「実はこの話には続きがあるんですけど、2人でお祝いしようって言ったら彼女の機嫌なおりました」
彰人が後日談を話すと、芽生は「それで納得したんだったら、良かったじゃん」と言う。

　23歳の松本杏は、アパレルショップでアルバイト店員として働いている。今日は仕事が休みなので、大好きな「ちいかわ」のグッズを見に100円ショップへやってきた。小学生くらいの男の子とお母さんがキャラクターグッズコーナーへ真っ先に向かい、「全然ないね～」と言っているのが聞こえる。もしかしてちいかわグッズを探しているのだろうか。杏は直感でそう思った。